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本作りネットワーク/全国版コミュの本を作りたい著者の勘違い

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ウマこの後、『本を作りたい著者の勘違い』『著者離れ、読者離れを呼ぶ、出版社の勘違い』の2方面から問題の本質に迫りたいと思います。言い過ぎ、書き過ぎはご容赦のほどを。思ったままの直球勝負です。私自身が見たり、聞いたり、経験してきた事例を思い浮かべながら書いてみます。
ご意見、ご批判、ブーイングなど、どしどしコメント欄に書き込んでください。先ずは2〜3回の連載で、『本を作りたい著者の勘違い』です。


《これじゃー、出版屋は生きていけない》

誤解を恐れずに言うならば、出版業界の実態から考えて、初版1,000程度の一冊の本を作るのに160〜200万円は常識的な金額だと思う。ただしこの金額、160〜200万円を出せば高級車が買える。私など一年間の生活費に相当する。個人にとっては一財産とも言える高額な金額だ。

もちろん印刷・製本・用紙だけなら数十万円もあれば充分だし、出来ないことでもない。ここでは本屋さんに並べても遜色のない本を作る場合の事例を紹介する。


【編集者の一般的な原稿整理と校正作業】

一冊の本の制作で、原稿データチェック(3回)、初校(2回)、再校(2回)、念校(1回)、プルーフ校正(1回)。最低でも、192頁の本ならば、延べ9冊分(1,728頁分)読むことになる。それも当然、読み飛ばしなど出来ない。一字一句を目で追い、用語使いなどの疑問箇所は辞書で調べる。

私は本を読むのが早いほうだ。雨の日など、小説を一日に3〜4冊読むこともある。しかし原稿や校正ゲラはせいぜい一日2冊分に目を通すのが限度だ。それ以上読むと、目が走ってしまい、誤字や誤植、誤った慣用句の使い方などに気付かない。

では、校正で幾らぐらい請求できるか。大手出版社などは校正・校閲に頁当り1,000円以上を支払うところもあるが、それは業界では例外的な厚遇だ。中小出版社の場合、校正を外注したとして1頁当り300円程度に過ぎない。

これは前述の9回読んで、誤字誤植などの間違いや言い回しの不適切さに赤字を入れての料金だ。先ほどの一日2冊分程度しか読み込めないことを考えると、一冊の本で9回は目を通すわけだから、実質的には1頁校正して300円÷9=33円33銭程度にしかならない。

一日2冊分、必死に校正ゲラと格闘して総額でも12,000円程度だ。デリバリーや打合せの手間も掛かるし著者へ発送するための宅急便代などを控除すると、大の大人が一日10時間程度働いて、7〜8,000円の労賃にしかならない。時給800円にもならない計算だ。


【編集の仕事、出版屋の仕事】

たった一冊の本を作る場合でも、編集者には、著者の意向を知るための幾度かの打合せ、出版ノウハウ提供、原稿チェック、タイトルやサブタイトルの熟考、さらには帯原稿の推敲やコピーライトにリライト、原稿整理とDTPオペレータへの指示をまとめる原稿指定、さらには校正・校閲、カバー等のデザインの企画立案とデザイナーへの手配、印刷所への指示や用紙の選定、製本の指示。出版取次への見本の手配や納品先の指示などが必要最低限の仕事として押し寄せてくる。

一般的には、一人の編集者が手掛けることの出来る出版物は月1冊程度だ(私のように毎月2〜3冊、多い月には5冊なんてのは、ほかに楽しみのない年寄りの道楽と思ってもらいたい。年中無休、一日16時間営業、通勤時間無しだから出来るのだ)。

家庭もあり、生活の掛かっている編集者ならば年間4〜500万円の収入がないと家族を養えないのは当然である。この4〜500万円だって、フリーの人たちにとっては諸経費込み、退職金込み、社会保険料込み、各種の税金込みの金額だ(一般的なサラリーマンと比較すると年収の手取り300万円にも相当しない)。

上記の編集者一人当りの最低経費、編集費を計算すると一冊当り42万円程度の編集費の金額が出てくる。さらに編集者が病気になることもある。もしフリーの編集者ならばその保障は全くない。仕事が途切れることもある。休業補償なんてどこにもない。もしもを考えるならば、一冊当りの編集費として80〜100万円程度を請求するのも当然といえる。

これに印刷・用紙・製本代(この料金は後日詳しく紹介する)。さらにデザイナーやDTPオペレータへの費用。人件費を無視し、無理をすれば80〜100万円程度でそこそこの本は出来ることは出来るが、一冊当りの制作費で編集費やデザイン・DTP込みならば160〜200万円もあながち高い制作費とは言い切れない。

(新風舎や文芸社などの共同出版の詐欺的商法にからみ、その高い料金に問題があるという人もいる。しかし私が問題にしているのは、一つにはその料金の不明瞭さだ。「共同出版」と銘打つならば、相互の費用負担があってしかるべきだし、如何にも著者に一部負担しかさせていないように言いながら、その実は全ての経費どころか自分たちの利益をも上乗せする詐欺商法。さらには出来上がった本の所有権が、費用を負担した著者でなく、共同出版業者に移る、やらずぶったくり商法。クレジット会社と組んだ落し穴。異常に高いからおかしいという言い方は一般の人には分かりやすいようだが、共同出版の詐欺商法の本質は別のところにあるように思う)


[さらに念のため]

手始めに、本作りにどのくらいの人件費が必要かを書いた。先ずは、後日紹介する印刷費等の諸経費を考えると、160〜200万円程度の制作費も不当とは言い切れないことを理解して頂きたい。

しかし果たしてそれだけの経費を掛ける必要があるのかどうか。実際に私のJPS出版局で受託している本の製作費は、その半分以下、平均すると一冊当り80万円程度になっている。

道楽の延長でやっている私だからと言う人もいるが、それだけではない。手間暇を如何に削減するか。印刷費等を如何に削減するか。これは著者と出版社側の知恵の出し合いと共同作業なくして実現しない。

先ずは概要を理解して頂くために、一般的な作業量や経費を考えると、普通に作れば160〜200万円くらいは掛かってしまうことを言いたかった。

コメント(3)

ご隠居は仕事が速い、つまり量をこなすから、やっていけるということでしょうかね。
申し訳ないような・・・
今 テレビで、本屋さん の 生き残り作戦の 知恵
という特集を 見ました。
ネットで、買う人も 増え
本屋さん も 大変なようです。

出版も 音楽も 似ている状況も あるな〜
ただ 違う所も ありますね。

生で 聴いてもらって 販売出来るのが、音楽の長所ですが
交通費、機材、経費は、かかります。

宣伝も 必要なのは、本と 一緒ですが、ご隠居さん の
ブログは、出版の事を 知らない
僕に とっては、大変 為になる ブログですねぇ〜

160〜200万か〜 大変なお金 ですねぇ〜
毎年 出版される本も 音楽と 一緒で
星の数ほども あるでしょうから 

作者 自ら アピールするのは、難しいなぁ〜と
つくづく 思う 今日この頃 です。
返品問題について今日の日記に触れてみた。
興味のある人には読んで欲しい。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=570488513&owner_id=3391476

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