川柳月組コミュの6月句会　「肩」「閉じる」「昼」作者発表

「肩」
１肩越しに冷えてゆくしかありません　　★　よしの
２肩越しに見るのは止める夢のいろ　　　　　ききょう
３肩幅の道を抜けたら逢えますか　　　　☆★　　六文銭
４期限付きで許可する肩の疼痛　　　　　　　遊飛
５肩の力抜いたら風になっちゃった　　★★★★　コアラ

６良い肩の形あなたが好きでした　　　　★　　りりー
７肩越しに見ている恋の終りなど　　　　★　Ryuuko
８肩ふるわせてこんなところに来てしまう　★★　キリン
９肩甲骨グルグルやっと青い空　　　　　　☆　あやめ
10わたくしの肩に乗ってる異邦人　　　　★★　　　雷公

11消えてまたすぐに歯型のついた肩　　　★★　　　紺
12抵抗はとっくにやめた肩パット　　　　☆★　シアラ
13花柄の浴衣の肩に蝶止まる　　　　　　　　半蔵門
14わたくしの肩にチョコンと温きもの　　　　コッコ
15無頼だね肩を揺らしてやってくる　★★★　　抹茶

16最後には肩も凝らなくなりました　　★　雷公
17なで肩の端からすべり落ちる嘘　　　☆★★★★　りりー
18水色の肩整然と自習室　　　　　☆★★★　　みかん
19濡れる肩私は何を待てばいい　　　★★★★　　祐輔
20再会の肩からいなくなるバッグ　　　　紺

21いいかげん降りてください肩車　　　　☆★　イワヒバ
22なで肩はやめた　今日からいかり肩　　★　　六文銭
23肩揉んでもらう明日から梅雨らしい　　遊飛
24僕の肩借り手もいない加齢臭　　　　　ハッカイ?
25肩越しに蛍がひとつ淡い恋　　　　　☆★　　抹茶

26今はまだ肩叩く側なんだけど　　　　　　Ryuuko
27これもツケ肩腰膝に出る痛み　　　　　ハッカイ?
28ほんとうの婆さんになり肩軽し　　　　☆★　きなこ
29泣きじゃくる肩持て余す夜の鏡　　　　　ルイ
30泣き止んで肩から落ちてゆく夜露　　　★よしの

31肩まで沈んだらわかる親心　　　　　★★　　シアラ
32肩までの髪素顔には戻れない　　　　★　　ききょう
33たそがれは肩の方からやってくる　　☆☆★★★　キリン
34取り敢えずを貼った本日右の肩　　　★★　　　あやめ
35肩先に視線外して待つ返事　　　　　　★★★　　　コッコ

36マネキンの肩から先はロストラブ　　★　　みかん
37うっかりと荷物を載せる左肩　　　イワヒバ
38　６月の肩　錆びている蝶番　　　　★　ルイ
39「待たせた」と肩をすぼめてやって来る　　★　半蔵門
40肩を抱く六月の雨降り止まず　　　★★祐輔

41右肩に採点欄がついている　　　　☆☆☆★★★★★　　コアラ
42母の日の黄ばんでもうた肩たたき券　　きなこ

　　　　　
　

「閉じる」
１閉じてみる少し私になってみる　☆☆☆★★★★★　　キリン
２閉じたドアからはみ出している手足　　★　　　紺
３手動ドアいつ閉じるかは決めてある　　★　シアラ
４閉じこめていたら子どもが謝った　　　　　半蔵門
５窓をみな閉じて葦刈る鎌を研ぐ　　　　★　Ryuuko

６カーテンを閉じて始まるような恋　　　　　りりー
７模範囚お口を閉じて手はお膝　　　　　　　　　　抹茶
８ありがとうございましたと目を閉じる　　☆☆★★　遊飛
９パッタンと詩集を閉じて今日終わる　　　　六文銭
10目も耳も心も閉じてまだしゃべる　　　　ハッカイ?

11トランクは閉めたし腹も括ったし　☆☆☆☆★★★　あやめ
12閉じないでおくれ扉を　あの人が来る　　きなこ
13閉ざしてるこころ視ている柘榴の実　　　　ルイ
14叶わないなあ目を閉じてみたけれど　　　★よしの
15六月を閉じて私は風になる　　　★★★　　　　祐輔

16なりゆきにまかせ閉じたり開いたり　　★　　雷公
17これまでのことは忘れてたまご閉じ　　☆　六文銭
18閉じている方に未来があるらしい　☆★★★★★★★　コアラ
19都合よく変えて残像　目を閉じる　　★　　きなこ
20結んでは開くこの恋深みゆく　　　　　　　　ルイ

21夏が来る前に閉じねばならぬ窓　　　★★　　Ryuuko
22あらかたを閉じるあらかた積み直す　☆★★　　よしの
23閉じている君が笑っているあいだ　　☆☆☆★★★　ききょう
24やわらかいところを閉じているわたし　★★★★　　雷公
25閉じている蓋の中味は濃ゆい情　　　　　　　りりー

26今の世にあきらめ心閉じる嗚呼　　　　　　ハッカイ?
27羽少しひろげこの世を閉じている　　　　　　キリン
28とりあえずきょうという日を閉じておく　　★★祐輔
29友だちをいったん閉じる衣更え　　　☆★★★★　コアラ
30閉じ方もいろいろあってオンナです　　☆★★　　シアラ

31あてずっぽう片目を閉じて指をさす　　　イワヒバ
32蝶番ひとつひとまず閉じましょう　　　　みかん
33四捨五入して閉じこめる好き嫌い　　　★　　コッコ
34閉じ込めておけば発光するお味噌　★★★　　遊飛
35窓閉じる　入道雲は入り込む　　　　イワヒバ

36父の日にじっと眼を閉じ父偲ぶ　　　　　半蔵門
37二つ目のカギ閉じてから君のこと　★　　　あやめ
38閉店の前のシールから逃げる　　　★　　　　紺
39たこ焼きに閉じ込めたんで早いうち　☆★　みかん
40ココロより先に閉じるの体って　　　　　★　抹茶

41閉店の知らせ金釘流で書く　　　　　★★　　コッコ　
42すんなりと閉じる楽しみ方ふたつ　　　　　ききょう

「昼」
１隅取られあっと言う間に真昼間　　　　　紺
２紛れ込む乾いた声の昼マック　　　　　シアラ
３ジャスミン茶真昼琥珀になるわたし　　　ルイ
４ひとりの昼食　遠くのバッファロー　　☆★　よしの
５朝昼晩食前食後愛一錠　　　　　　　　★★★　祐輔

６逢瀬までただひたすらに昼電車　　　★　　ルイ
７あの人のあれがお昼の貌なのか　　★★★　Ryuuko
８なにもないいつもの昼に腰おろす　　★★★　　　雷公
９閑かさや正攻法の昼の飛車　　　　☆★★　　　遊飛
10油断して次の昼まで寝てしまう　　　　　イワヒバ

11ここからは昼寝の振りがむずかしい　　★★★　　ききょう
12昼からを雲は浮かんで考える　　☆★★★★★★★　キリン
13太陽に負けて休憩してる昼　　　　　　　　りりー
14部屋に来て真昼の吐息妻が吐く　　　★　　　半蔵門
15ご免ねが言えず誘ってみるお昼　　　★★　　コッコ

16真昼間　口内炎が主張する　　　　　★　　シアラ
17昨日から考えていた昼の雨　　　　★★　　イワヒバ
18昼間からそんな話をしませんか　　　☆★　　紺
19昼の蚊をこん畜生と追いかける　　　　　半蔵門
20昼顔の花が聞いてる独り言　　　　　　　　コッコ
21今日もまた日替わりランチ箸落とす　★　　きなこ
22昼までは涙乾かす時間です　　　★★　　　　ききょう
23Tシャツの端をつまんでいる真昼　　★★　　　キリン

24折り皺が気になる昼の交差点　　　☆★★　　Ryuuko
25そんなとこ出ていたんだね昼の月　　　　　ハッカイ?
26白昼に花を盗んでいった人　　　　　　　　　祐輔
27哀しみを道頓堀の昼に聴く　　　　　　　　　六文銭
28炎昼へぬっと突き出す認印　★★★★★★　　みかん

29昼間から何を削っているのです　　　★　　　雷公
30昼までに返事が来ると思います　　　☆★　　よしの
31昼休み弾けるシャツが神々し　　　　　　　　りりー
32ぱらぱらとパンセ読む昼動くヘビ　　　　　　遊飛
33蟻の死を蟻が運んで遠い昼　　　　　☆☆　　抹茶

34朝食の話題決まって昼ごはん　　　　　　　ハッカイ?
35ぽっこりとわたしに似合う昼の月　　　　　　　六文銭
36昼休みひとりぼっちのダンゴ虫　　　　　★☆　コアラ
37昼前にひとつ浮かんで雲になる　　　　★　　　あやめ
38昼の月脱毛クリームの微香　　　　　☆★★　みかん

39手をつなぎ歌っていてね昼の星　　　　　　　コアラ
40みんなみんないなくなって昼の月　　☆☆☆★　きなこ
41昼過ぎの段ボール　クタクタになっている　☆　あやめ
42白昼のメトロノ―ムが止まらない　　☆☆☆☆★★★★★抹茶