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川柳月組コミュの8月投句 一覧 

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【峠】
1峠とはとんぼ 峠をふくらます      
2毎日の峠を包む白タオル         
3とんぼと一緒に峠を見にゆく  
4ライバルが峠で昼寝してるらし   
5ちょんまげを解いて峠のわらび餅 

6峠から海へ帰ってゆくカモメ  
7峠越えあとは笑って行きましょう  
8なまぬるい峠の風を見てきたか  
9蝉時雨 峠のビフォーアフター 
10峠から眺める富士の月見草      

11来た道が美しくなる峠茶屋     
12そうだと気づく峠のあたり暗くして     
13八月八日今日は峠のどのあたり  
14美しい罠にかかっている峠  
15悼みつつ峠で蕎麦を食べている  

16蝉の抜けがら  峠は越えました  
17峠まで辿りつけないこの夏は      
18峠には優しい鬼が待っている       

【脆い】
1人情にもろい素材でできている   
2ゆっくりと脆いを突きだしている  
3いけません脆いところを噛んだりしては   
4乱暴に触れてはならぬ脆い愛    
5納豆を食べただなんて脆い嘘  

6脆い菓子こぼして歩く長廊下       
7脆いからだとわかる私になっている    
8ぶつければどちらが脆いかはわかる  
9涙もろい母と二人でいる 晩夏     
10世界地図西も東も脆弱な        


11有名人の名前を出せば脆い石   
12乾杯に脆いグラスを用意する      
13そう脆くないと信じる子の背中   
14脆い前歯だった カチワリ氷だった   
15脆いところが溜まり場になっている 

16わたくしの脆いところが羽化をする  
17ゆれるゆれる脆い絆のブランコが    
18証明は箸でくずされ振り出しに   

【仏】
1身に沁みる仏が少し苦笑い       
2魂をころがし磨崖仏めぐり   
3佛になる一部始終を見せた母  
4ようやっと笑い仏に出会ったよ   
5線香花火囲う掌(手)仏さまの空(くう)  

6同じことなんべんも言うほとけさま     
7洗濯物の陰で仏が揺れている  
8十度目の仏の顔はお母さん     
9相続や洩れなくついたお仏壇    
10仏様の銃がこちらを向いている  

11テキトーを知って仏のよい笑顔   
12石仏や葉っぱ色したよだれかけ    
13手の内に仏をしまってから無口  
14ほとけさまなのでぽつんと立っている    
15長い闇秘仏にされてしまったよ      

16仏前に手を合わせますリスタート   
17満足がゆくまで菩薩様を買う  
18目を閉じて隣り合わせに仏様      




ご確認ください。何かありましたら抹茶まで。なお、投句が少なかったので
今回のみ本日9日中の追加投句受け付けます。


コメント(12)


【峠】

10峠から眺める富士の月見草      
11来た道が美しくなる峠茶屋     
14美しい罠にかかっている峠  
特選
18峠には優しい鬼が待っている       

   10/ 富士の月見草が愛おしいのですね。
   11/ いばらの道を振り返る茶屋のお団子。
   14/ 優しい花、美しい茨道。峠にはほっとした時の罠が待っている。
   特18/ 優しい顔をした鬼が待っている。



【脆い】

1人情にもろい素材でできている   
3いけません脆いところを噛んだりしては   
9涙もろい母と二人でいる 晩夏     
特選
15脆いところが溜まり場になっている 

   01/ この頃特に涙脆くなってきました。
   03/ そんなことされたらもう涙が止まりません。
   09/ 何にでもすぐ泣く母は認知症。残暑が続く。
   特15/ 今にも壊れそうなのにどこか愉快そう。



【仏】

6同じことなんべんも言うほとけさま     
7洗濯物の陰で仏が揺れている  
18目を閉じて隣り合わせに仏様      
特選
14ほとけさまなのでぽつんと立っている    

   06/ 何度聞いても教えを全うできない。
   07/ 物干しに揺れる洗濯物の影にちらちらと見えている仏様の真実。
   18/ 目を閉じたとき仏様が横にいてくれる。有り難いことだと思う。
   特14/ 仏様はちょっとみすぼらしくしょんぼり立っている。
       仏様は何でもない所にひょっこり現れるような気がする。
       アタマに「僕の」と付けてみたい。




「峠」

入選
4ライバルが峠で昼寝してるらし   
13八月八日今日は峠のどのあたり
16蝉の抜けがら  峠は越えました  

特選
9蝉時雨 峠のビフォーアフター 

4/ここは一気に抜き去るか。一緒にお昼寝もありです。
13/夏の峠か、人生の峠か・・・。いろいろ考えました。
16/明日への希望がある句。

9/とにかくビフォーアフターが面白かったです。


「脆い」

入選
1人情にもろい素材でできている   
6脆い菓子こぼして歩く長廊下
17ゆれるゆれる脆い絆のブランコが

特選
9涙もろい母と二人でいる 晩夏   

7/合成でなく天然素材。いいですね。
6/マンションなので我が家に廊下はありません。懐かしい景色です。
17/「ゆれる」のリフレイン。恐さがよく表れています。

9/せつなくて美しい時間。晩夏が効いています。


「仏」

入選
3佛になる一部始終を見せた母 
11テキトーを知って仏のよい笑顔 

特選
18目を閉じて隣り合わせに仏様 

3/母親は人生の師。ありがたいです。
11/肩の力を抜いて夏を乗り切ります。

18/眼を閉じればいつも隣にいてくれる。静かな時間です。
【峠】

<入選>
16 蝉の抜けがら 峠は越えました
     蝉そのものでもありますが、
     ここは、峠を越えた
     蝉のぬけがらのような私です。
     と、読ませていただきました。

<特選>
5 ちょんまげを解いて峠のわらび餅
    「解いて」がいいです。
     峠からの景色を眺めながら
     山の水で冷やしたわらび餅を
     いただきましょう。


【脆い】

<入選>
15 脆いところが溜まり場になっている
     脆いから溜まる。
     溜まるから脆くなる。
     どちらにしても人間らしさと出会う
     場所でもあります。 

<特選>
1 人情にもろい素材でできている
    「素材」が新鮮です。
     単純に、紙のような、木のような、
     布のようなを思いますが、
     果たしてどんなものでしょう。


【仏】

<入選>
18 目を閉じて隣り合わせに仏様
     目を閉じて並んでいる
     二体の仏像でもいいし。
     静かにそっと目を閉じると、
     隣に仏さまがあらわれるでもいい。

<特選>
3 佛になる一部始終を見せた母
    「一部始終」が迫ってきます。
     隠すことなくなにもかもなんですね。
     母に見せていた
     作者の幼い頃を思います。


「峠」

入選
5ちょんまげを解いて峠のわらび餅
18峠には優しい鬼が待っている  
12そうだと気づく峠のあたり暗くして

特選  
1峠とはとんぼ 峠をふくらます      

5/「ちょんまげを解いて」に惹かれました。
18/優しい鬼なら大丈夫でしょう。もう少しですね。
12/「そうだ」とは何だろう。「峠のあたり暗く」すると
分かるのでしょうか。

1/よく分からないながらも峠とは何なのか
考えさせられました。

「脆い」

入選  
7脆いからだとわかる私になっている 
14脆い前歯だった カチワリ氷だった 
16わたくしの脆いところが羽化をする  

特選 
9涙もろい母と二人でいる 晩夏

7/自分が脆いからとわかれば
次に進めます。
14/大丈夫と思っていた前歯。悲しいです。
16/羽化をするなら脆いところも
希望がもてます。

9/お母さんとの静かな時間。晩夏に二人だけの世界。

「仏」

入選  
18目を閉じて隣り合わせに仏様  
17満足がゆくまで菩薩様を買う
10仏様の銃がこちらを向いている  

特選
14ほとけさまなのでぽつんと立っている    

18/瞑想すれば仏様はいつも隣に。
17/「買う」の意外性がよかったです。
10/作者の心の中の仏様がしていることでしょうか。
緊迫感があります。

14/確かにそうですね。ほとけさまの捉え方が面白いです。 
「峠」
入選
11来た道が美しくなる峠茶屋   
15悼みつつ峠で蕎麦を食べている 
特選 
16蝉の抜けがら  峠は越えました  

コメント
11)辛かったんだけど、峠の茶屋で一服するとすべて美しくなる。
15)誰を悼んで食べる蕎麦・・・。峠は越えられたのだろうか。
とくせん16)脱皮したのですね。「峠を越えました」がいい。

「脆い」
入選
12乾杯に脆いグラスを用意する
18証明は箸でくずされ振り出しに 
特選   
7脆いからだとわかる私になっている

コメント
12)フフフ・・と笑って、怖いよう。。
18)徒労に終わりましたか。
特選7)苦労しましたね。わかる私がしみじみ・・・・

「仏」
入選
6同じことなんべんも言うほとけさま     
11テキトーを知って仏のよい笑顔 
特選
10仏様の銃がこちらを向いている 

コメント
6)ほとけさまというよりも、仏様に近づきつつある・・・
11)そうなんです。なんでもテキトーが肝心。
特選10)ギョッとして、ああ、やっぱりと思う・・・。
【峠】
入選
8なまぬるい峠の風を見てきたか 
16蝉の抜けがら  峠は越えました  
特選
2毎日の峠を包む白タオル

8/峠の生温い風も感じず、通り過ぎてしまいました
 なまぬるい風にたちどまりました。
16/抜け殻になってしまって、でもなんとか峠を越えたワタシ。

特選
8/峠に立ち向かう日々、大切に大切に白タオルが効いている

【脆い】
入選
1人情にもろい素材でできている   
17ゆれるゆれる脆い絆のブランコが
15脆いところが溜まり場になっている 
特選・なし

1/素材がいい。
17/ゆれるのリフレインが絆のあやうさを表している。
15/共感です。溜まり場になっています。

【仏】
入選
6同じことなんべんも言うほとけさま 
特選
10仏様の銃がこちらを向いている     

6/何度言われても聞き入れないわたし。
 ほとけさま のひらがな表記が優しい。

特選
10/ドキリとさせられた。
         
ふと思い返すに昨年8月の兼題にも「峠」がありましたね。
1年がはやいような遠いような。
そして今年も「峠」はむずかしかったです。

【峠】

11来た道が美しくなる峠茶屋 
14美しい罠にかかっている峠  

11/ほっと喉うるおすや汗もひき、険しかった道も美しい記憶になってゆく。
14/こちらは美しい罠。で峠に出没する美しきキツネの化身など想像。ちょっとベタですが。

【脆い】
 
2ゆっくりと脆いを突きだしている
15脆いところが溜まり場になっている

特選
8ぶつければどちらが脆いかはわかる

2/脆いの一途にはっとする。
8/脆いところでたむろする脆い者たち。いたいたしくも青春。
特選/どちらが強いかではなくどちらが脆いかを確かめるための一発勝負。誰かとめなければ。

【仏】

8十度目の仏の顔はお母さん
10仏様の銃がこちらを向いている
15長い闇秘仏にされてしまったよ

特選
6同じことなんべんも言うほとけさま

8/仏の顔も三度、お母さんの顔は十度? はて「仏の顔は」の「は」に立ち止まっている。「仏の顔の」だとわかりやすくはなるが。
10/神様でなく仏様の銃のインパクト。
15/ほったらかしをオツに言い換えるとこうなるのか。吐息まじりのユーモア。
特選/なんべんも言ってくださるのである。心して拝聴。
【峠】
入選
2 毎日の峠を包む白タオル         
5 ちょんまげを解いて峠のわらび餅
12 そうだと気づく峠のあたり暗くして 

2 この峠は何のことを言っているのか、想像の域が大きかった。
5 本当にちょんまげを解いたのか、解く頻度は?と思うとおかしい。
が、なんだか男二人の珍道中が連想された。
12 これもなかなか不思議な句。
その、なんだか連れまわらされる感じを採った。

【脆い】
入選
2 ゆっくりと脆いを突きだしている 
6 脆い菓子こぼして歩く長廊下       
7 脆いからだとわかる私になっている    
特選
1 人情にもろい素材でできている

2確信犯なのですね。
6なんでもないように書かれているが
こういう昼下がりの時間を知っている。
7川柳でこんな風にも書けるのかと納得した句
特選 
1素材という言い方が出色。人もパーツなのですね。

【仏】
入選
10 仏様の銃がこちらを向いている
17 満足がゆくまで菩薩様を買う
14 ほとけさまなのでぽつんと立っている

10シュールというか怖い
17わかります。この心理。
14ほとけさまなのでの「なので」にさまざまな理由が浮かぶ。
読み手がその句をわかるわからないよりも、読み手を遊ばせて
くれる句に惹かれる。
みかんさんのコメントにあった「昨年の峠」をこちらに。全く「峠」は初めてだとばっかり思って
おりましたが、やはり8月という月のせいかな。ま、ご自分の句を見比べてくださいませ。

「峠」

1  峠まで来てまたその先に峠        ★ Ryuuko
2  いま峠越したとわかる膝の裏       ★ Ryuuko
3  蕎麦を喰う峠に死んだ人も来る      遊飛
4  退屈な車窓に見えてくる)峠        遊飛
5  暑気払い今は峠のどの辺り        あやめ

6  峠までニンニク・ゴーヤ・スクワット   ☆★ あやめ
7  峠道父の背中が遠ざかる         ☆★ 祐輔
8  最後には一人で上る峠道         ★★★ 祐輔
9  プラトニックラブ峠が欲しくなる     ★★★★★ シアラ
10 峠という峠を越えて飲むビール     シアラ

11 峠からそろそろ下りる星抱いて    ☆☆☆ ききょう
12 月を待つ峠できっと会えますね    ★★ ききょう
13 恨むのが趣味だ峠は越せぬまま     りりー
14 やわらかい峠を食べている巨人     ★★ りりー
15 なにもないここが峠と思います    ☆☆★★★★★★★ きなこ

16 たわいない話 峠を越えながら     ★★★★ きなこ
17 いつだって峠の茶屋に母はいる     ☆★ コアラ
18 繰り返す「今が峠」という呪文     ☆★★ コアラ
19 峠までかすかな鳥のかたちして    ☆☆★★★★★ 抹茶
20 峠にて全細胞の深呼吸        ☆★ 抹茶

21 峠から転がす忘れたいものを     ★★★★ 紺
22 峠にはたっぷりのカラメルソース   ★ 紺
23 見送った峠ふたつに手を振られ    よしの
24 出現したそうな峠のなりゆき     よしの
25 妥協点なし別れるときが来た峠    半蔵門

26 村の掟は分水嶺で決められる     半蔵門
27 弟も峠を過ぎたように言う      ★★ キリン
28 静かです母が峠になっている     ☆☆★★ キリン
29 蜻蛉もどこから流れきて峠      ★★★ みかん
30 ここで夏終わる峠の停留所      ☆★★★ みかん

31 アイスクリームの峠を舌で嬲りつつ   ルイ
32 夏風邪の咳のしつこさ峠道       ルイ

抹茶さん、先月に続いての取りまとめ、早速ありがとうございました。
昨年の「峠」一覧もアップいただいて、こういう見比べもおもしろいですね。
一度読んで選までしていたのに「へえ」「ほほう」と目新しい感じ。
懐かしいお名前にはしみじみです。
>>[10]
いちねんまえの「峠」に会えて懐かしくもあり、興味深くもありです。
忙しいのに再掲していただいてありがとうございました。
本当に懐かしいお名前についほろりです。

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