川柳月組コミュの11月度　雑詠大会　投句一覧

１　しばらくは人に紛れて人になる　　

２　嘘をつくことから上手くなる遊び　

３　零れゆく今掻き寄せる一の酉　　

４　葉の裏は少し昔を考える　　　

５　簡単な話のなかに落ちてみる　

６　揚羽蝶よそのお庭で遊んでる　　　

７　箸になる木棺になる木倒される　

８　君の背で泣いたヒトコマから雪崩れ　　　

９　日溜りや影絵狐の鳴きどおし　　　

10　せつないねと言ってくれる人がいて

11　レモンパイ笑って済ますことばかり

12　ちょうどよい温度できっと嘘だろう　　

13　冬鴎汚れて渡る海がある　　　　　

14　生き様のかすれ具合を咎めだす　

15　二階から優しい声が降って来る　

16　西日差す部屋からピアノ売りに出す

17　どこまでもどこまでも温燗が往く　

18　一枚の紙に溶けようとするふくらみ　　　

19　怒り鎮めてオリオン座流星群　　

20　反省はしない　銀杏踏んで行く　　　　　

21　母性よりブーツでしょうよピラカンサ　　

22　体温を湿った風に奪われる　　　　　

23　満月を少し傷つけ逃亡者　　　　　

24　風がささやく竹薮通り心まで　　

25　滝壺で痩せ衰えた水を待つ　　　　

26　ひとしきりののしる声は母に似る　

27　明けようとしている空も私も　　

28　問われても困るよ今はコップ酒　　

29　口紅のはみ出た人になじられる　　

30　綿棒で拭う剥製の細部　　　　　　

31　湯気だけがあたたかかった日が終わる

32　もう月がどんなかたちだって平気　　

33　ピンクには子がいるそれも二人いる　

34　１１月真正面から見るつもり　　

35　わたくしが悪かったのか夜鳴蕎麦　

36　どっちみち焼かれてしまう泡立草　　

37　この先は妖しいほうへ灯が揺れる　　

38　チューブから絞り出すのは鰯雲　　
　
39　ほどほどに息をしてますほどほどに

40　もうひとり願うとおちてしまう星　
　
41　揺れながら根を張りながらコスモスと　　

42　深海に引きずり落とす夜勤明け　　

43　童謡が聞こえるようになった耳　　　　

44　生きていた匂いダンボールをたたむ

45　書き捨てるゆるいタイトルをつけて　

46　焼かれたらきみと一緒に消える模様　

47　いつの日まで降り続く雨なのだろう

48　焼き芋あげる星の貧しき街なれば

49　女とや　かがりび花の反り返り　　

50　生きる食うどちらが先か日が暮れる

51　太鼓連打無理やりつけた踏ん切りに

コメント(18)

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[1] mixiユーザー 11月15日 15:12

今月は17名、51句の投句がありました。
（題詠の方が書きやすいのでしょう･･･？）

18日から21日の間に選・選評を入れてください。
メドとして22か23日に作者発表をしたいと思います。

＊抜句数は基本、いつもの題詠の時と同じでいいかと思いますが（3＋特１）
選者一任とします。厳選にして談話室で意見交換するのも良いかな、、、と
も思ったりしますが。

なお、欠句の方でも、選評にご参加大歓迎です。

[2] mixiユーザー 11月19日 16:10

12　ちょうどよい温度できっと嘘だろう　　
　　　　　あまりにちょうど良いのも嘘っぽい。確かに。
　　　　　現実はもっといびつだったりする。

15　二階から優しい声が降って来る
　　　　　そんな家の一員になりたい。　

27　明けようとしている空も私も　
　　　　　終わらない夜は無い。
　　　　　こんな風に朝を迎えられるといいな。　

＜特選＞
40　もうひとり願うとおちてしまう星　
　　　　迷わず特選に決めました。
　　　　奥行きのある豊かな詩情を感じる。素晴らしい。

[3] mixiユーザー 11月19日 18:10

11月度　雑詠大会
　入選
　　12　ちょうどよい温度できっと嘘だろう　　
　　19　怒り鎮めてオリオン座流星群　　
　　27 明けようとしている空も私も　
　特選
　　26　ひとしきりののしる声は母に似る　

　入選
　　12　「嘘かも知れない、だけど本当であって欲しい。」と思っているうちに目が覚めた。
　　19　　星空浴の勧め
　　27 希望があるので良い。
　特選
　　26　　この句色々にとれる。?子にののしられている母である私。?私は私の母親が私にした様な声と態度で人をののしっている。人間の性というか哀しい句。

[4] mixiユーザー 11月19日 18:10

12　ちょうどよい温度できっと嘘だろう
夢の中で時々出くわす。いつだって過不足なく、ですから。
31　湯気だけがあたたかかった日が終わる
　　湯気が気になって仕方ない。何の湯気だったのか？　
44　生きていた匂いダンボールをたたむ
　　猫、犬、ひよこまでかぎわけることができたが、人間の匂いは気づかなかった。
特選
５　簡単な話のなかに落ちてみる
　　落ちてみるのは自分の意思だから、落ちてから何が待っているのか楽しみです。

[5] mixiユーザー 11月19日 18:48

≪入選≫

32　もう月がどんなかたちだって平気
　　　何があったのか？こう言い切るまでの心境の
　　　表現に「月」を持ってきたところが素敵だ。
　　　
41　揺れながら根を張りながらコスモスと
　　　弱そうに見えても実は芯のあるコスモス。しっかり
　　　生きている様子がいい。　　　

43　童謡が聞こえるようになった耳
　　　やさしさにあふれた句だと思います。
　　　
≪特選≫

44　生きていた匂いダンボールをたたむ　
　　　ダンボールの中には、それこそいっぱいの思い出があった
　　　のでしょう。「生きてきた匂い」が万感の思いを感じさせる。
　　　

[6] mixiユーザー 11月19日 19:48

入選
　２７　明けようとしている空も私も
　　　　　　すっきりした、すがすがしい句。
　　　　　　エールをもらったようで、うれしくなりました。

　３４　１１月真正面から見るつもり
　　　　　　今年もあと一月半。１２月になる前に真剣に向き合うのは、
　　　　　　やはり自分自身でしょうか。

　４４　生きていた匂いダンボールをたたむ
　　　　　　すごく不思議な句。いろいろに想像できて、とても魅かれました。

特選
　３２　もう月がどんなかたちだって平気
　　　　　　この心境になるまでのことを思うと、胸が締め付けられます。

[7] mixiユーザー 11月19日 22:07

５　簡単な話のなかに落ちてみる
　　　わざわざ落ちていく自虐にある、幸せに似たもの。
　　　人間の複雑さ、おもしろさ。

26　ひとしきりののしる声は母に似る
　　　激昂の真っ最中に気づく戸惑い。
　　　娘なら誰しも、母のようになりたくて、なりたくなかった。

36　どっちみち焼かれてしまう泡立草
　　　悩んだって、頑張ったって焼かれちゃうんでしょ？
　　　立ち枯れるよりはよっぽどいい。
　　　新しい扉を開くためのこんな諦め方。

特撰
１　しばらくは人に紛れて人になる
　　　「わたし」の名前を失くして、ただ「人」になる暗い安堵。
　　　　人波に呑まれる寂寥感は題材として新しくはないが、下５に強く惹かれた。
　　　

[8] mixiユーザー 11月19日 22:31

１３　冬鴎汚れて渡る海がある
　１　しばらくは人に紛れて人になる　　　　　　　　　　　　　　
３１　湯気だけがあたたかかった日が終わる　

＜特選＞
　５　簡単な話のなかに落ちてみる
　
１３　汚れてから初めて、行くべき場所に気がついた鴎。
　　　汚れることにも意味があると思いたい。
　１　隠れ場所は、人混みの中にしかない。
　　　人混みの中に、人でないものがいる風景。　
３１　あたたかい湯気も水滴に。あたたかい今日ももう終わり。

　５　こんなに簡単なことだったのかと、落ちてから思うだろうか。
　　　わたしも落ちてみようか。そんな深い深い穴に。

[9] mixiユーザー 11月19日 23:07

入選
29 口紅のはみ出た人になじられる　　
33 ピンクには子がいるそれも二人いる　
40　もうひとり願うとおちてしまう星
特選
45 書き捨てるゆるいタイトルをつけて　

コメント
２９）あんたにだけは詰られたくない！
３３）あの可愛げな娘が子持ちだった。それも二人も…。白い子と赤い子かな？ピンクが何とも絶妙なジョークを醸しだしている。
４０）願われる星もはかないのだ。蜘蛛の糸みたいに…。
特選４５）ゆるいタイトルそのものの内容は、書き捨てるより外はないだろう。けれど、あなたも、私もやっているかもしれない。
十六音字の破調だから、書き捨てるで一字空ける、というのもありかな…？
それでもあえて特選にいただいた。

[10] mixiユーザー 11月20日 12:01

入選
20　反省はしない　銀杏踏んで行く

朝ですね。昨日の夜何かがあったようです。
立ち向かう姿勢が良く出ています。

37　この先は妖しいほうへ灯が揺れる

その通りです。制御できません私も。

49　女とや　かがりび花の反り返り

よくわからないのですが、言い切ってしまって
いるので入選です。

特選　　
32　もう月がどんなかたちだって平気

強烈な開き直りを感じます。いろんな修羅場を
くぐってきたのでしょうね。遠く及ばぬ経験に
敬意を表して特選です。

[11] mixiユーザー 11月20日 14:01

　今月は投句の締め切り前後に風邪を患い、にもかかわらずすべきことが山積し亭他結果、このコミュに参加させていただいて以来始めて投句をさせていただくことが出来ませんでした。淋しい限りです。
　幸い風邪も悪性ではなく、ほぼ完治致しましたので、せめて選だけでも参加させていただきます。
　まことに申しわけありません。

＜入選＞
１　しばらくは人に紛れて人になる
　　　　　他者に紛れることで自分の単独者性が際立つ瞬間があるものです。　

５　簡単な話のなかに落ちてみる　
　　　　　これも多少、前句に似ている。日常性への意識的埋没と回帰。

37　この先は妖しいほうへ灯が揺れる　
　　　　　｢この先」とはどの先か。怪しい方が秘めるアンビバレンツな魅力。　

＜特選＞
　　12　ちょうどよい温度できっと嘘だろう　　
　　　　　世の中、ちょうどよい温度などそんなにあるものではない。
　　　　　「心地よさシンドローム」がしばしば陥る境地の虚妄性。

＊迷った結果採用しなかったが、とても気になった句
　　26　ひとしきりののしる声は母に似る
　ウ～ン、今も迷っています。作者の方ゴメンナサイね。

[12] mixiユーザー 11月20日 21:41

20　反省はしない　銀杏踏んで行く
32　もう月がどんなかたちだって平気　　
33　ピンクには子がいるそれも二人いる

特選　
44　生きていた匂いダンボールをたたむ

20／アハハ。たちこめる臭気と一種清清しさと。
32／有無をいわせぬ張りつめた感覚。
33／淡いピンクかショッキングピンクか。たっぷりと「女」のしたたかさを感じさせるピンクに同性としてどきり。
特選／ダンボールの中はなんだったのだろう。今は亡き人の所持品、小さな生き物、あるいは、めいっぱい青春を生きていたあの頃の自分のなにか・・いろいろ想像させつつ、表現がウェットすぎないところがいい。かしんとダンボールをたたみながらどれほど途方に暮れていたとしても。

[13] mixiユーザー 11月21日 09:19

＜入選＞

１　しばらくは人に紛れて人になる
　　　　なんであの人たちはみんな幸せそうにしているのだろう。
　　　　あの中へ入っていけば、わたしもそう見えるのだろうか。

４　葉の裏は少し昔を考える
　　　　表と裏は一体にして一体にあらず。
　　　　表は今を思い、裏は過ぎ去った日を思う。

20　反省はしない　銀杏踏んで行く
　　　　誰に何を言われようと反省などするものか。
　　　　銀杏だって時が来れば潔く落ちてゆくのだ｡

＜特選＞

49　女とや　かがりび花の反り返り
　　　　かがり火に身を反り返らせる女の怨念、情念。
　　　　そのすさまじさを言い表して見事。
　　　　思わずたじろぐ。

[14] mixiユーザー 11月21日 15:36

入選
　　
　２　嘘をつくことから上手になる遊び

　　　　　　『遊び』ってコトバで逃げる　ヤバイ君が好き

　１１　レモンパイ笑って済ますことばかり

　　　　　　　笑って　流さねば　女がすたることばかり

　２９　口紅のはみ出た人になじられる

　　　　　　　よくマワル口ですゥ・・

特選

　２０　反省はしない　銀杏踏んで行く

　　　　　　　わたしはわたし　これでイインダ・・だけど　ズルリの感触
　　　　　　　鼻に来る匂い・・自己嫌悪も・・
　　

[15] mixiユーザー 11月21日 21:36

＜入選＞
10　せつないねと言ってくれる人がいて
　　　　　　さみしいでもかなしいでもない「せつない」
　　　　　　いのちある言葉を交わす関係に惹かれる。

20　反省はしない　銀杏踏んで行く
　　　　　「銀杏」の黄色がいい。
　　　　　　とどまるよりも進む。季節をくぐりぬける元気がいい。

32　もう月がどんなかたちだって平気
　　　　　　男には書けないと思う「平気」
　　　　　　また、この世であるようなないような
　　　　　　この「月」をどう読むか。

25　滝壺で痩せ衰えた水を待つ
　　　　　「痩せ衰えた水」が新鮮。
　　　　　　情景を重ねる作者自身を想像すれば
　　　　　　味わい深い。

30　綿棒で拭う剥製の細部
　　　　　「細部」が迫ってくる。
　　　　　　また、「綿棒」と「剥製」
　　　　　　日常からのいのちを意識させてくれる。

44　生きていた匂いダンボールをたたむ
　　　　　「たたむ」がいい。
　　　　　　日常を描きながら教えてくれる。
　　　　　　生きることは過ぎてゆくことだと。

[16] mixiユーザー 11月21日 23:24

38チューブから絞り出すのは鰯雲
　秋ですよと空に搾り出す鰯雲。私も絞ってみたい！
25滝壺で痩せ衰えた水をまつ
　　打たれても打たれても、自分の探している水をじっと待っている作者。
40もうひとり願うとおちてしまう星
　　たくさん願い事をきいた星。次を願うと落ちていしまうことがわかっていても願わずにはいられない。もうひとり。
特
31湯気だけがあたたかった日が終わる
　　誰とも話すことなく、携帯も1度も私を呼ばず、温かい紅茶の湯気を抱きめ、さあもう眠ろう。また、明日はくるからね。

[17] mixiユーザー 11月21日 23:48

12　ちょうどよい温度できっと嘘だろう　　
32　もう月がどんなかたちだって平気　　
特選
27　明けようとしている空も私も　　

12）足りないか、多すぎるか。確かにちょうどよいものって、現実には少ない。
32）月の満ち欠けと心の揺れというこれまでを、スパッと断って凛々しい。
27）なんときれいな現在進行形でしょう。

[18] mixiユーザー 11月23日 11:40

（入選）

１　しばらくは人に紛れて人になる

　　人になれるための人中、索漠とした感じがよくわかる。

５　簡単な話のなかに落ちてみる　

　　余裕を持っているのか、かなり不安定なのか、捨て鉢なのか、この人の
　　心理をいろいろと考えられるところが面白い。

27　明けようとしている空も私も

　　予感がある、その奥には意志もあるように読めた。同時に「時間」というものも
　　感じられた。

40　もうひとり願うとおちてしまう星

　　「星に願いを」なんて歌もありましたが、願いも定員制。
　　　川柳らしい目。

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