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詩書きの会コミュの糞みたいな詩人たちへ

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コメント(89)

夢であってほしい


昨日 死んだ夢を見た
どうでもいいと笑う
傍らに青い空
今日も走る どこまでも走ってゆく

流れる雲 見上げる憂鬱
それはあまりにも青ざめた顔で
冷たい風が頬を撫でる
再び笑う 悲しみを殺すために笑う
誰がどこで死んだとか
涙をするたびに忘れるだけのこと
儚いものを知り
そして流れる雲のように理解を深めてゆく

冷たい風は世界を置き去りにして
どこか遠くへ連れて行く
小さな蝶が 小さく揺れながら
終わった世界を浮遊する
そんな当たり前が無くなってしまっても
もうどうでもいいと思えてしまう

色彩の豊かな空に身をはぜる
掌の僅かな熱を 春の風が君の横顔へ届ける
草花がさようならを告げるように静かに
静かに私の口元が緩む
もう帰らない 帰りたくない
時間を忘れて ずっとここにいる
ここにいたいと願う
けれどそれは叶わない願いなのを
理解しながら願い続けている
時間を忘れても 時間は過ぎてしまうこと
今日の空が死んでから思い出しては
嗚呼 何をしているんだと気づく
時間を忘れた手首に寂しい気持ちがほんの少し
ほんの少しの夢だけでよかったのに
ドッペルゲンガー


小学生 自転車 帰り道
信号機 曲がり角 今日はもう

疲れた体を引きずりながら
堕ちた夕陽
同じ顔と影が言う

隣でペダルを漕ぐ君も言った
今日も昨日もずっと一緒なんだな
明日もそうだろう
微熱


僕は突然の雨に打たれて
吐き捨てられたガムのようだ
アクセルを全開にして
この際死ねたらいいのにと思う

雨音は掻き消されてゆく
けれど、冷たい
駄作


傷を作った
手を伸ばすけれど
黒からグレーに変わり
それも無くなる

失ってしまった
涙がこぼれないな
おかしいと気づく時
必然だとも言う


偶然でパズルをする
この美しくて儚い世界に
色をつけたがる
カンナが花を咲かせる空で
ちょうど世界が終わった

世界からの逃亡
それだけを望み
動けずにいる
誰かが逃げ道を塞いでいて
(そして当然それは俺で)
動けずに笑う
けれど俺には顔が無い
笑う顔が無いことに笑いが出る
その笑う顔は誰のものだろう
壊れているのは誰だろう
どうでもよくなって酒に溺れ

今日もまた寝る
煙草


愛しているのか いないのか
問われたとするなら俺は死のう
躊躇わずに死のう
灰皿の中で お前はそう言った

俺も同じ気持ちで
けれど違うのは本当に愛しているということ

そんな嘘を並べたら
嘘じゃなくなったという嘘
あんたにスライディング


そこに電柱があんだろ
俺のギターの音がそこまで届いてるのは
どうやっても見えないだろうけど
そのままでいいと思う

世界が雨でびしょ濡れになって
子猫みたいにダンボールに入っていても
ちっともかわいくは無い
俺が今ピストルを持っていたら
その子猫の頭をぶち抜いて
きっとこう言うだろう
「どの電柱?」
嗚呼、誰に聞いてんだ

ところで洗濯した靴下の数が奇数で
どこを探しても偶数にはならない場合
どこを探せばいい
お気に入りのジッポが行方不明で
いつ無くしたのかわからない時
いつから探せばいい

むしゃくしゃしてしまうこんな夜は
スライディングしたい
ジャックバウアーのようにスライディングして
あんたの懐に潜りこみたい
それに成功したとして
ピストルを持っていない俺は
打たれて死んで終わり

否定できないな
Let Downを聞きながら


退屈な講義から逃げ出して
喫煙所で寒さに震えた

アスファルトの上を行き交う蟻に唾を吐く
透明な世界で手足をばたつかせていた

もう冬が来たのか
肺に入る煙がやけに冷たい
吐き出したそれは空に混じって
雲の一欠片になった

今日の空はなぜだか悲しい顔をしている
そう決めつけて感傷に浸り
これからのことを思う
失った過去はもう戻らないから
これからのことを思うふりをした
そんな俺をトムヨークの声だけが優しく包んだけれど
それも五分で無くなってしまう小さな世界だった

煙草を吸い終えると黒いスニーカーで蟻を殺してやり
その足で教室へと急いだいつもの夕暮れ
ブランコ


川は流れ始めていた
そこで遊ぶ子どもたちの笑い声は
波のように消えてしまう

フラッシュバックしていく
僕は静かに揺られていた
君の頬に遊ぶ子どもたちの水滴が
優しく触れた
こんな時に僕はどうすればいいのか
わからなくなる
そして何もできず影に潜り込む

嘘をついてみた
それはどんな嘘なのかわからない
誰にとって嘘で 誰にとって嘘じゃないのか
「そんなことはどうでもいいよ」と
僕じゃない僕に肩を押されて
初めて君を見た

その頬から水滴が滑り落ちる
君はいつの間にか子ども達の公園になってしまった

それが一体どういうことなのか
考えながら僕はその公園で一服した
カニバリズム


流動性を持った何かと何かの集合体
君と手を繋いだプラスチックの瞳が
電灯に反応して少し動いた
時計が音を立てて時を刻み続ける
ポスターに印刷された女の裸は
切り取られたきれいなだけの時間
それを見て何かがそこに生まれるのか
生まれはしない 何も生まれはしない

頭の隅で夢が始まり いずれ終わる
夢を見ながら見つめる現実
現実が構成されてしまうのは
夢が世界の存在を肯定してしまうから

満月が輝く夜
君は人形に口紅を塗りたくって遊ぶ

あの時君の手首は
夜が明けるのを恐れていたんだろう
僕は笑ってしまった
カラオケボックス


加藤ミリヤを歌っている君を見ると
首を絞めたくなる
別に君が嫌いな訳じゃないんだ
時代が悪いんだよ

僕はもがいていた
スピーカーがこの部屋の酸素を薄くするから
息苦しくて死にそうになる
けれども、それよりもきっと
はやく曲を入れなくちゃいけない
僕が死ぬよりも大事なことがあると知っていた

「知らない曲歌っても大丈夫?」と僕は聞いた
「うん、皆にその曲のよさ伝えてよ」と君は笑って答えた

生暖かいマイクが僕に届く
気持ちの悪い暖かさだ
ぶっ壊してしまいたい
だけどそれを口元に寄せると
タバコの優しい香りがした


だからハローベイビー、教えてやる

お前らに伝えたいことなんて全くねえ、
だから理解しようとするな。
考えるな。
世界は平和にはならない、
なにも核だけが人を殺せるわけじゃない。
そんなの当たり前のことだって、
お前らそう思うから伝えたいことは全くねえんだ。
エメラルドマウンテンブレンドアドバンスは不味い


だっさいパーカーを着て
紺色のマフラーを首に巻いて
散歩をしてみた

時々、俺はどんなにつまらない人間だろうと
考えたりもする
けれども自販機で買った缶コーヒーのあまりの不味さに
俺の方がマシだろうとか思ってしまうんだ

人のいない早朝というものですら
人ごみにまぎれているような気にさせられた
俺はただ寒かった

壁の色も塀の高さも
うざったくてしょうがない
俺ははやくこの曲のサビが聞きたいだけなのに

早足で駆け込む俺の部屋で
缶コーヒーの後味のなさが胃にもたれた
存在と無


今日、俺はまたくだらない詩を書いてしまった
そんなことを考えながら酒を飲み、踊る人々を眺めていた
さっき吐いたゲロの匂いが鼻の中に残り
この世界がそれで埋め尽くされる
酔った女の乳房を揉みしだく男の顔に雨の日の空の色を重ね合わせて
グラスに注がれたジーマを手にとった
マイクを握り離さない女はそれに歌を歌う
流行りのラブソングをそれに歌う
今この瞬間を俺は生きていて
その光景を見ているだけの俺はもっと酔いたい

長い雨が降るのだろう
遠くの空にも雲がかかったままだ
それはとても黒い雲だ
俺は雨に濡れながら煙草を吸っている
この煙草に雨粒が落ちるまでいったい後、どれくらいだろう
それまではまだ死ねそうにない
灰色の部屋


煙草の最後の一吸いを終え
灰皿に押し付ける
君とは今は遠いところ
灰だけが溜まる

あなたの歌が心に沁みる
けれど僕には傘はいらない
カッパがあればそれでいいんだ
黒い髪を濡らしながら
君の元へと急ぎたくなる

なんでこんなところで歌を聴いているのだろう
なんで帰って来てしまったのだろう
独りで淋しいよ 本当は

あなたの歌は僕にとって何の意味があるのか
歌が終わった後も考えてしまう

こんな僕が何を考えても
世界に雨は降り続ける
それは大した問題でなければいいのだが

左手にまた煙草が歩いてくる
肺の色を想像して笑う
君の事を大切に思う
濡れた


洗濯してから数時間がたって
洗濯機の蓋を開ける
嫌な匂いで埋め尽くされる
その洗濯ものを干してから
どこかで外泊
翌日に雨が降りはじめ
傘がない俺は帰れないから
長居してしまう
そして二人の愛が温まり始めた頃に
ちょうどよく雨が止む
けれど今日は帰らなくてもいいや
そんな気分になってしまっていて
行為の後に近くのファミレスで食事をした
ほら僕らこうやって忘れながら生きていく
このフレーズ誰のだっけと
それは俺が今考えたものだったりする
くだらないこと言うまいと煙草をくわえ
その煙越しに浮かんだ
一緒にテレビを見て
ソファーで膝を抱えて笑う
昨日の俺とお前
春が来て風が吹いて
破れたスカートの傷口から見える
夜の闇が眩しくってさ
目の中にゴミが入ったんだって
ありきたりな嘘をついてみた
ウイスキーの香りに殺されて
(酔った勢いで書いた糞みたいな言葉の羅列)


コップの底だけを眺めてコーラを注いだ
半分入っていたウイスキーがだんだんどす黒くなる
ゴキブリを思い出す色へと変わっていくが
底を見ている俺はカーペットが吸い込む水滴を見て
そっと手を差し伸べただけだった

机に置き去りにされた灰皿
髪の毛が下敷きになって
突き刺さった箸の片輪が電灯に
照らされた
腐った肌を見せた

今日は酒を飲もう
そう決めていた
平生のことなどつまらないものだと思いっていた
でも今日公園で走っていた青年は
肌が白かった
息が荒かった
俺はそれを追い越せたはずなのに

おそらくもう
一つの時代が終わる
それを予感していた

金が欲しい
どうして金が欲しいのだい?
iPhoneが欲しい
今は安いが変えれない
新しい奴が出るんだ
新しい!new!
It's a new world!
あっはっはっは
死ね、死ね、死ねええええ
ぐえっへっへっへw

言論の自由は認められたが
殺すことを書いてはいけないと
知らない内に頭に組み込れた
何年何月何日何時何分何秒に俺は人を殺すと書いちゃいけないらしい
なあ、これをどう思う?
どう思うんだって聞いてんだよ、殺すぞ
って陳腐陳腐
あはは、もう笑うしかないよな
笑わない奴は殺されるんだもん
ネットが普及し始めて言論の自由は撤廃された
もう、今こそ
詩人は立ち上がるべきではないのか
今この文章を見ているお前、
その目は透き通っていて
とてもきれいだ
それ以外に俺から言えることと言えば
もっと酒を飲め、女に溺れろ
お前の目はとってもきれいだ
だから抱きたくなってしまう
あははは、これ以上言いたいことは
あんたを抱いた後じゃないと生まれないってさ
俺が言ってるよ
だから殺させてくれ
俺はそのために生きている
誰かを殺すために生きている
誰かを殺さなきゃずっと子どものままだ
誰かを殺して一人前の人間になる
殺すって何だと思う?
それがわかってりゃ法律なんてないんだっての
なあ、わかるか?

わかんないなら詩人なんて辞めてしまえ
もう俺は俺じゃなくなる
お前はお前じゃなくなる
たとえそんな時でも
自分の意思で笑っていたいと思えるか?
思えたならあんたは詩人だ
わかるか?
なあ、お前に問いかけてんだ
わかるか?
いったいどれだけ文明が発達してもさ、それだけが大事なんだって
お前はお前でいること
俺は俺でいる事

そう、いつでも正直でいること
何で縛られたっていい
それが無けりゃ
お前ら生きてる意味ねえだろ

漱石はさ、言ったよ
独仙の言葉のように言ったよ
自分の意思を無にして川のように
枯れた木々や
死んだ虫や
コケの生えた石が身体の中で
何気ない顔でそこにあってもさ
それをどけることもせず
それを受け入れることができることが
素晴らしいことのようにね
けど、違うんだ
なあ
違うんだ
例えそれが受け入れられなくても
それがお前なんだって
俺はそう言いたい
なあ、何が言いたいかわかるか
お前はお前のままでいてほしい
自分だけを無くさないで生きていけば
きっといつか歩いていく道の先に
光は見える
その光を一番大切にしなければいけない
そう、例え死んでもだ
その光さえあれば
あんたは死んだとしても生きてる
あんたの中で生きてるんだよ
豚の話


少し脂の乗った、程度で
顔を青ざめて
世界の終わりのように
風呂に浸かり
肉汁を出す

少し食べ過ぎただけ、の話で
死んだほうがいいと
膝に頭をつけようとする
その日だけ

今日は机の上に
ホットケーキミックスが置いていた
まだ封は切られていないが
次 俺が来るまでに
腕や腹につけて泣いていたら
笑える
watch


君に振り向いてほしいから
「あっ」と小さくこぼす
シャッターを押すようにして
一瞬だけ時間が止まる

会いたいけれど
上手く言えない
腕時計の針を見ても
時間が読み取れないほどに
目の前が見えなくなる

不思議そうに覗く顔
頬を赤らめて
知らん振りをした

知ってしまうと
悲しいけれど
僕は腕時計を部屋に忘れていた
「最近、ギターは弾いてないの?」
その問に運転する彼は頷いた
春の草花が絶え間なく揺れている
遠くの山に霧がかかり儚いもののように思う
ツェッペリンが流れる車内で二人同じ方を見つめていた
果てしなく広がる緑とこの道の灰色が長い年月をもって作られたものなのだということを静かに告げる
陰ができていた
人のような形であったり
ただの物差しのようであったり
毛を逆立てた子猫のようであったり様々に形を変えてゆく
ふと右手を向けば剥き出しにされた岩肌が寂しげな顔をしている
それらは俺の知ったことではない
煙草を吸いたいと
はやく眠りたいと願う
そんな願いが積み重なり悪というものへ形を変える
それ以外何か考える必要があるのだろうか
あるとすれば今日の日差しは強すぎる
目を細めて見上げる空に雲が一つもなかった
俺たちはそうやってギターも弾かなくなり
幸せな家庭を築いていく
その未来を二人見つめて目を細めた
「気づいた、気づいたよ」
煙草を吸いながら男は続ける

「嫌煙家ってのも悪いもんじゃない」

「どうして」

「すごいことに気づいたからだよ」

「なあに」

「嫌いの裏には好きがあるんだ」

「それで」

「嫌煙家はどこかしらに愛があるからこそ煙草を嫌いになるのさ」

「それで、愛煙家のあなたは、何がいいのよ」

「それに関してはまだ気づけていないな」
コンビニの喫煙所にて


キャロットというマンションの屋上を見上げて
通行人の数を数えた
通行人の数を数えた
通行人の数を数えた

ふと流れ出すアナザーデイライトのきれいなピアノが僕をきれいな気持ちにさせる
車のライトが僕を照らす
薄着が僕の肌を冷たくさせる
はやく帰りたくさせる
そうさせないでほしかった
失う


目の充血した犬が
遠くを見て吠えている
そのせいで映画の台詞が
少し聞き取れなかった


ある詩人は詩を書く時において
気に入らないフレーズに線を引く
そして一つの詩を書き終えた時
その白い紙は
朝の窓のように見える
とても眩しい陽が射している
美しくて切ない目をこすり
あくびをするのだ
それが詩にとって失われた言葉の成れの果てである

映画にとって失われた言葉を考えてみたいと思う
映像と音によって構成されているそれは
私の意志には関係なく
頭の中に刻まれていく
股を開いた女の気持ちはこんなものだろう
ペニスがヴァギナの中で勝手に動き回り
快感というものを覚える
それではそのペニスが早漏である場合に女はどう思うのか
自然、記憶の中の快感に満足する時間というものがあるはずであり
それに達さず快感の間に空白が生まれたならば
その男の首を絞めたくなるはずである


俺の両手が充血し始め
犬の目のそれが失われたのは
ある種運命のようなものだから
とりあえず蛇口をひねり
丁寧に手を洗った
腐った人


なんだお前気持ちわる
死ねば良いのに
他人を覗いて生まれた言葉
口からほろりと吐息のように零れた

あなたの趣味とか
性癖とか
押し付けないでください
何も喋らないでください
だから死んでくださいとも
言って欲しそうに
淋しそうな目をする

ジレンマの中で椅子に腰掛けている
死体の中で自分を探している
カーテンで遮られた光を求めているのに
それを開けようとはしない

オイルの切れたライターがポケットにあっても
意味がないように
だって冷徹で腐りきった人間なんだもの
人間という生き物なんだもの
あなたは口を開いて何か欲しそうにしているから
首に鎖を繋いでなきゃ不安でたまらないの
何もかも手放してしまえば楽だろうけど
それはできないことなのわかっているから
手を伸ばして
その上から手を差し伸べてほしいと
言わんばかりの汚れた手を私の前に出すならば
死んでくださいと言うしかないじゃない
思いふける


ウイスキーをロックで飲み下した後
煙草を吸いながら
小説を読んでいた
どうせ内容なんて無いようなもので
その行為に意味を求めている
落としても壊れない物が少なくなった今の世界で
俺は手の中にある美しい横顔にキスをして喜んだ
アパートの三階からアスファルトを眺め
道端で轢かれた猫の死骸が
カラスに突かれていた昨日の光景が
鼻から通り抜けるアルコールの匂いのように
ふとした瞬間に思い出す
ガラスの破片を拾い集めて
それで作った小さなグラスに
ちょっと肌寒い汗ばんだ下着
ここから落ちてしまえば
俺だって死んでしまうのに
どうしてそれと別の物のように
考えてしまう
街並み


シュールレアリズムの定義なんてものを
考えていたら日が暮れた
細い腕に虫が飛んできて
はらったら小指が無くなった
それを探して街を歩いているんだが
なかなかどうして何処にも無い

歩く街 なげく公園のベンチ
フレーズを並べて手を叩いたなら
セルマがダンスをしそうなものだけど
彼女がいないんじゃ泣きたくもなる
街灯が点く前にこの街を去りたい

街灯が点くまでの時間
陽が沈むのが怖かった
だから走り出した
見つからないものって何だろう
叫びたくなった

どこに向かって探せばいいんだ
胎内にいる時に初めて小指がないことに気がついた
だからこんな街には無いんだってわかっているのに
母がよく歩いた街だから
何処かに落ちてるんじゃないのかって
そんな淡い希望を抱いちまう
汗ばんだ手をジーパンで拭いたら
握りしめた小指が斜面に落ちて
転がり始めた
潰えるメタファ


久しぶりに飲む頭痛薬は
穴の開いた肺を埋めてくれるだろうか
喉元を通る時に一度だけ死んでみた

モノトーンな時間
頭を掻きまわす疑いの無い欲望
飽き飽きして欠伸が出る

火を灯す下着姿のバラバラ死体
通りすぎる嘘と忘れてしまった真実
机上で眠る価値の無い心象風景
オレンジに揺れる日差しが静かに歩みより
ため息で消えた時小さな瞳から零れ落ちた

蜜のような深い闇へ小指をつけ
二度とは戻らない深い闇へと
深い闇へと続いた
暴力と教育のカクテルをがむしゃらに掻き混ぜるバーテンダーの袖の取れたボタンの行方について


色の無い退屈な絵、
誰かが遠くから地球を見ているような気がしてならなくなる時、犯罪者が生まれ、腹を抱えて妊婦が笑い転げる。
サイレンの音と追いかける俺、捕まえた消防車、道を塞いだ消防車、通れねえ、困った、
「困ったのは私だよ」言い放つ火の気の無い家々の中、
飛び出す血管、衝動、心臓、水を放つ消防車、影に隠れた憂鬱な朝、
這い出した黄金色の虫、道端に煙草を捨てる政治家、それを捉えた週刊誌、
ドラッグをやりまくる老人、今日は太陽がやけに大きい、黄ばんだ壁、全部気のせいだ、這いずり回るウジ虫、
「焼け野が原に生まれ育ったんだ私は」、
煙の無い火事、音の無い歌、誰もいない世界、
そこには川が流れているが行き着く先は水の無い場所、
英語を教える教師はケツに脂肪がのっただけの手足の無い子ども、
灰皿に青いシートをかけられた喫煙所、
嘘をついたという嘘、真実という名の嘘、嘘は感染型ウイルスだ、マスクを大量に買い込んだがもう感染しちまってるから着けても意味なんてねえ、
光る星を捕まえようと手を伸ばすけれどその星はもう何万光年か前に消滅していたなんて誰が発見したんだ、糞野郎、
永遠が永遠に無いことだけがこの世界で信じることができる唯一のことであるならば、
何故あんたは妊娠なんかした、と俺は叫びたいが声をまだ持っていない、無くした、わからねえ、ああもう死んでくれ、俺は歌いたい、腐った奴らに聞いて欲しい、何も無い世界、寝転んでテレビを見る椅子、内容がないドラマ、ゴキブリが張り付いた朝食、白の無いオセロ、だから鳴らす口笛、腰を振らないセックス、下水道に流れた香水、黒い鏡、エンディングの始まり、まるで終わりを感じさせない美しい命、どこが美しいかなんてどうでもいい、殺してくれ!、と影の無い言葉がこの世界の誰の鼓膜に届くこともなくシャボン玉のように弾けて地上を少し湿らせた
ショートホープの言い分


グループディスカッション第4回
本日のテーマ:『希望とは』

H「すぐに無くなってしまうものだ」
O「いやいや、色眼鏡で判断すな!短く太くあるものだよ」
P「兎にも角にも二箱買うべきだ」
E「見た目に反して、タール数が高い場合があるのでご注意を」
O「セッターとタール数が同じだけでなく同じ味だよな」
(司会「ん?タール数?セッター?煙草の話みたいになってるじゃねえか」)
E「通常のものと燃焼時間が違わない、意外に」
(司会「おいおい、ズレてるって三馬鹿トリオ」)
P「だから別に吸っても損はしないが他人に好奇の目で見られることが多々ある」
O「短く太い姿にロマンを感じる人を哀れに思う、だよな?」
(司会「糞してこよっかなー」)
E「吸いやすくてそして吸いにくい」
O「まあ女性でも手に取りやすいかわいいデザインではあるよな」

H「だがその可愛いパッケージの希望の矢はどこに向いてると思う?口にくわえたあんたらだよ
 その矢が何を意味するのかって?10年後のあんたらの肺に聞いてみな」


(OPE司会「か、かっこいいこと言いやがる!」)
時として風はトマトジュースかビール


原付から降りてすぐにレポートを取り出した
その時に風が強いことを忘れていて
優しく握った手から羽ばたいていった
いつから鳥になったのだろう

長い滞空時間を経て視界から消え失せたんで
重い身を引きずり探しに行った
地面に落ちていくのだけは見てたんだよな

それで俺は初めて知ったんだけど
こんな隙間に用水路があんだって
誰か教えてくれたならきっと
走ってでも捕まえに行っただろうに
ビショビショになったレポート拾いあげて
どうしようか途方に暮れちまった

そんな中で俺を救ってくれたのは
字が滲んでいなかったことと
この風で前を歩く女の白いスカートが捲れたこと
きれいな水玉だった
広葉樹林


巣を作ったかどうかは別として
例えばその枝には草があったりする
そこにとまった鳥は空を見上げて青を青だと感じれずにいた

壁掛け時計の電池が切れていたとしたら
それをそのまま放っていると生活が乱れてしまう
(これはある種、わからないなら何処かへ消えてしまえと突き放す詩です)
壁掛け時計を持っていない鳥にとって
そのことを深く考え込む必要は無いのだけれど

俯いて口笛を吹き始めた目の死んだ男
目が死んでいるとは具体的にどういうことなのかわからない
毎朝鏡を覗き込んで呟いていた

手を叩いたら音が鳴ると知った生まれたばかりの赤ん坊
布の中に包まれていては景色など何も見えない
なぜそんな状況で涙を流せないのか
久しぶりに煙草を吸いたくなった

木々が生い茂る森林の中に深く足跡を刻み込んでいた
特に意識をして行った行為ではない
だけどどうしてなのか右耳に触れると
淋しい歌が聞こえた

男は背中の赤ん坊を埋めるためにこんなところまで来たのだろうか
正しいことをしているようなため息を吐いて
――はやくこれが終われば
戦争をしているように原爆の爆風が肩を掠めた昨日のことは
あまりよく覚えていない
無感覚に近い形での懺悔


ファミレスの電球の形が
女性の胸の形に酷似している
非喫煙者の隣に座る喫煙者が
紫煙を天井に吐き出すような形でそれを見た

メニューで頭を叩かれる音が聞こえて
笑い声と怒鳴り声が混じった液体がテーブルにこぼれる
何か拭くものを探すようにして股間をまさぐる
どうしても春の匂いを感じずにいられないのは
窓の外の景色がいつまで経っても同じ色をしているからだ

やがて店内の音が無くなり
秒針さえも動きを止め
誰の声も聞こえなくなる
そうすると全ての物事がここで一旦、区切りをつけようとしている錯覚が襲う

けれどそれはほんの刹那の出来事であるのは知っていた
次の瞬間には赤ん坊が生まれた時の悲鳴が聞こえてくる
なりふりを構わない居心地のいい声だ

テーブルの方に目をやると正面にフォークを右手に持ったまま伏せになった男がいた
その口からは内臓がいくつか痙攣しながら出ていた
それを夥しい量の血液の池が包み込み
そして右にいた男のゲロが少しその赤を侵食して茶色くなっていた
糸を引くようにしてまだその口の中に繋がっている内臓は後どのくらい体内に残っているのか

一吸いの煙を肺に入れて吐き出す時にまた天井を見上げた
すると鳩が一匹電球に止まり乳首の部分を咥えていた
皆考えることは一緒だなと鳩にメロンソーダで一人よがりな乾杯をした
テーブルにコップを置くときに心臓のような赤紫の塊を潰してしまったから
新しいコップを探しに喫煙者は席を立った

死にかけの老婆の煙草の銘柄


彼女はよく昔の話をした
戦時中は地面に落ちた芋の皮を食べていたらしい
今は犬と共に幸せそうに暮らしている

俺はいつの日か忘れたが煙草を吸い始めた
彼女の夫は肺がんで死んだらしい
だから彼女の前で俺は一度も煙草を吸わなかった

犬の名前はシロとクロ
二匹ともセンスの無い名前をつけられていつも憂鬱そうにしている
フローリングの上で寄り添い合うようにして寝ているのを見ると
もう一匹白か黒の犬を隣に置きたくなる

土曜のよく晴れた午後に火事が起きて
そのシロとクロも死んでしまった
彼女は漫画のように涙を流した
俺はもう一生彼女の前で煙草を吸うことはないだろうと思った
「私の煙草の不始末だわ」と彼女が言うまでは本当にそう思った

俺は胸ポケットからラッキーを一本取り出して火を灯した
彼女も紙の包みから草を取り出してリズラに巻いて吸った
その香りはハーブに似ていて少しすると彼女は涎を垂らし始めた

白い犬を見つけることができたがもうシロとクロは死んだのだ
けれどそのことを少しも悲しいと思わない
こんな汚れた世界から消えることが出来た
それはきっと素晴らしいことだから

生まれた
(雑草がアスファルトに寄りかかり風に棚引いてその肌の色が失われていくのを見た。そんな朝、嘔吐しながら歩き続けたいと思ったのにオレンジに染まりつつある東の空に偏頭痛持ちの俺は目を細めてしまったのだ。冷え切った朝に向かい側からやってくる初老の女が嘘のように大きなため息をつく。その時にも感じたし、女の右手から伸びた赤い紐が犬の首を繋ぐものと理解し、その首の先をこの細めた目でしっかりと信じることができた時にも感じた。)

死んだ
(ヘッドライト。信号機。ビルの明かり。コンビニエンスストア。塾。スカート。笑い声。月。さようなら。飛行機。俺は手を振った。けれど地上からは彼らがそれに気づいたのかどうか、確かめる術がない。だから煙草に火を点けた。真実とは何なのか、目に見えることだけが真実なのだろうか、そしてこの道はどこなのかわからなくなった。煙を吐いてもどこまでが煙で、どこからが息なのかがわからない。息が白くなくなるまでずっと吐き続けた。ずっとずっと吐き続けた。吐き続けてからもまた吐き続けた。吐いた、吐いた、吐いた。そして苦しくなってやめた。)


息は白いままだった。白くなくなったと思ったら俺はもう吐く息を無くしてしまっただけだという事に気づいた。季節は冬で、その中で息をしている。その事に何の疑いもなく人々は生きている。そして死んでいくのだ。何の疑いも無いさ。
押し花


電灯、日常に溢れかえる書き留める必要の無い灯り
白い壁はヤニで黄色を食らって汚れたぞ、俺は汚れたぞと、目を合わせたまま逸らす事はしないで皺を寄せ笑う
でも綺麗だから、ワイングラスの底に残る安いワインが全てを見透かしているように在るから
この世の全ては美しいと、その瞳を覗いて綴りたくなる


首を括ろうと思った。本当に思った。でもあのハンガーはどう見ても俺の体は支えられないくらい華奢だから、預けるには少し心許ない。震える肩を抱き寄せる為には細い手首では無理なんだ。どうして無理なのかって。ドアの鍵を開ければ広がるアスファルトとその上を散歩する人々と車輪を鳴らす車。数多に満ちる目と鼻と口がある動物の一人が財布に適当に入れていた会員カードや、レシートや、名刺などをまき散らしてしまい赤面した夏の終わりの青い信号機の前で、その他の者が変わらぬ内にと歩を進めて熱を帯びた鉄の塊に頭を垂れる上空のLEDにばかり反応し、もう少し先へ、あとちょっとと、息を切らす交差点を見ながら煙草を吹かしていた時に感じた。灰皿に半分以上残ったラッキーストライクを投げ捨て、ポケットに手を入れ、何食わぬ顔でその交差点に向かった時に、まだ道路を挟んで向こう側にいる一人に対して感ずるものがあった。自転車を押している体中に脂肪を蓄えベージュの帽子を深く被った(恐らくは主婦であろう)女の群れが砕け散った自尊心の側を通るのを見た。その時の表情、仕草、目線、顎の高さ、空の色、音響装置付信号機が示す音色、枝毛に覆われた耳に届くまでの時間、届いた後の会話、顎の高さ、笑い声、誰一人として彼の落とした物を拾おうとする者はなかった。存在しなかった。悲しくてしょうがなくなって、走ってでもその場所に行き、「大丈夫ですか?」と聞こえるように囁いて小さな花を咲かせたかった、その花はいずれ枯れ果て茶色く水気の無い老婆の咳のように散り散り、あの調子ではきっと俺ぐらいしか咲き誇った無類の美しさを見る事は出来ないだろう、だけどここに何にも代え難く呼吸をし、生え、感情を有す俺が、見届けることが出来るのならばそれでいいのではないか、そう思った。すると眼前を、頬を差し出しながら車が通り過ぎ俺の行く先を遮るように、見上げるとジャンプをしたとしても手の届か無いところにある人の形の絵柄が何時しか赤い姿になっていることに気づいた。嗚呼、そして逆流する感情。崩壊する流動。そこには既に流れなど存在しておらず、思い返すという行動に至り”思った”ことを恥じる動物。”思ってしまった”と思えば終わってしまい、存在すら否定するように、息を凝らした後に現れるもう終わりなんだという声に縛られ調教されてしまい、屈して、青くなるまで待つ一連の、いつもの、いつもの、いつもの、いつもの流れがそこで生まれ、忘れ去られるんだって。君はとても美しくて触れたくなるような肌をしているから、少し胸が小さくても、構わないと俺は首を括る。紫陽花が零す尊い紫を腕の中へ。混じり合う色は何も無い。思い出す。思い出してしまう、その前に。

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