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詩書きの会コミュの言葉の森

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行き場の無い言葉たちです。

気楽に読んで頂けたら幸いです。

コメント(9)

ねえ ゆっくり歩こうか
行き先なんてないけれど
君の生まれた町を見せてくれないか
そう言って僕ら突然歩きだしたんだ
君のポニーテールが隣で揺れている
そういうのってまんざらじゃないんだ

風の流れる美しい夕暮れだった
裏町は灯りが揺れて
長い路地を二人ですり抜けていく
たまゆらに町の遠くまで歩いた
角の暖簾は醤油の匂いがした
きっと胸を張って誇らしいんだろうな

小学校の校庭で遊んだ
夜の校庭でシーソーをしたんだ
君の育った小学校
校舎は影をたたえて立ちすくんでいる
成績は良かっただとかプールは楽しかっただとか
色んな話をしたな夜の小学校で

ねえ ゆっくり歩こうか
僕たちいつだって悩みを抱えていたな
だけどこんな夜は黙って歩いてみないか
君の育った町を見せてくれないか
学生時代の短い夢の間
その時君はもう悩み始めていたんだけど
"Echoes"

一人になりたいとき
私はここに言葉を置いていく
気の利いた言葉ではない
なんの飾り気もない 稚拙な言葉たち

ビルの隙間を滑っていく車の群れ
走っていく西の空の雲たち
その雲の中を蟻のように這っていくジェット機
そんな小さな景色が 言葉となってノートの上に落ちる
夕暮れの雲は どうしてあんなに神々しいのだろう
もう居なくなってしまった人たちを思い出させる

長い長い旅路 私たちはいつだって歩いている
そして夜になりやがて立ち止まり 鵺(ぬえ)が啼き始める
暗い夜は 魂をたった一人にする
しかし その暗い空には おれたちを見守る何かが見える
希望の歌が聴こえてくる
戸惑うことしか出来なくても 明日は必ずやってくる
そんな気がして 枕の上で目が覚める
"歳月の記録"

あの狂った幻影を見たか
西の空に浮かぶ 積雲のうねり
いや、それだけではない
ビルの隙間を抜けていく鰯雲の行進
茜色の空は何もかもを微動だにしない

道を溢れんばかりに流れていく人々の群れ
流れ 消えていく 
その繰り返し
悲しいかな その繰り返し
今でもうまく信じられないよ
君が居なくなってしまったなんて
それが一体何を意味しているのか
よく分からないんだ
儚い命がまた一つ 消えた
その上に立って 我々はまだ生きている
最期の日はいつかやってくる
その時僕は 一体何を思い出すのだろう
それとも疲れ切って 眠ってしまうのだろうか

綱渡りのような人生が ある日ふと終わる
生と死の境目で サイコロは振られる
人生なんてそんなもんだったよ と
ある人は言うかもしれない
だって君は まだまだ元気だったから
人生の幕引きは 呆気ないものだった
それを一体どうやって とらえたらよいのだろう
命なんて儚いもんだよ と誰かは言うのだろうか
たそがれたい

無闇にたそがれたい

一人きりでやってきた喫茶店で

窓の外をずっと眺めていたい

鳩たちが飛んで 人々が流れていく

街はまだ動いている

何十万人ぶんもの絶望や喜びを空が吸い込むとき

黄昏という名の感銘が 満足感と絶望をないまぜにする

ふとした潜水を終えて スツールに沈み込み動けなくなる


辺りはようやく暗くなり初めて

通勤電車はすし詰めみたいになって西に向かう

隣のスモーカーの煙りに必死になって耐える

やがて店が空いてきて

私と街の風景だけがそこにぽつんと

取り残されたとき

否応もなしにたった一人になったみたいな気がして

私はようやく重い腰を上げる


タフなビバップが いやに高い天井で響き

大きな黒い窓が店を囲む

夕暮れ時のちょっとしたショーは終わった

まだ生きてるぜ

この先何度も黄昏がこの魂を揺すぶっても

君の事は忘れないだろう

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