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モーツァルトの短調曲を愛でる会コミュの短調の意味するもの

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以前、うちの掲示板(BBS Amadeus) http://hpcgi2.nifty.com/kite/ccbbs/kbbs.cgi?bn=010002
に以下のような問い合わせがありました。この学生さん、返事はしたものの、その後のなんの音沙汰無しというものでしたが、結構それなりに考えさせてくれるものでしたので、ここにコピペしてみます。

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宝島    [19/01/07<日>-15:19]
     
失礼します。
ただ今、大学の授業でモーツアルトの各調がもつ意味(調性格)を調べています。(曲中に用いられるものも含め)ニ短調には死の意味があることは分かったのですが、以下の3つの意味合いが分かりません。
*イ短調
*ト短調
*ハ短調
もし、知っていたら教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。

tombi    [19/01/09<火>-23:01]
  
難しいテーマです。少々時間を頂きました。純粋抽象である(器楽の場合は特に)音楽を言葉で表すには少々危険を伴います。ショーペンハウエルは言葉の上に音楽を置いていたと思います。言葉で表せないからこそ音楽だと。しかし我々は例えば何らかの感情を連想もし、又、作曲者もある感情を音楽で表現しようとする。その共通の地点に音楽は存在する。・・・・と考えます。楽譜を再現するのも同じと思います。従ってそこには星の数ほどの考えや解釈があって当然と思います。
しかしながら、ある程度の共通項はそれでもあり、特に鋭く踏み込んだ聞き手からは示唆を与えられることも多いと思います。そんな点を考慮してお読みいただきたいと思います。そして最後は自分自身がどのように感じたかが一番重要な事と思います。

>ニ短調には死の意味があることは分かったのですが、
先ず、これだけではあまり良く分かりません。
ニ短調の曲には
 K.61a ミサ曲第2番ニ短調
 K.173 弦楽四重奏曲第13番(ウィーン四重奏曲第6番)ニ短調
 K.340c 歌曲「私は私の道を」ニ短調または「希望によせて」 
 K.368a キリエニ短調
 K.404a 6つの序奏とフーガニ短調
 K.417b 弦楽四重奏曲第15番ニ短調
 K.466 ピアノ協奏曲第20番ニ短調
 K.527 オペラ「ドン・ジョバンニ」
 K.626 レクイエムニ短調
がありますが、例えば弦楽四重奏曲 第15番ニ短調、第3楽章は長男出産の最中に作曲されたと伝えられています。恐らくはモーツアルトが意識的になったのはK.466ピアノ協奏曲第20番からだと思われます。この前年、モーツアルトはフリーメーソンに入り、ピアノ協奏曲にしても聴衆を喜ばせるためのものではなく自分自身のために書くようになったと言われています。短調が基調となった初めてのピアノ協奏曲であり、しかもそれは後の「ドン・ジョヴァンニ」や「レクイエム」と同じニ短調。はっきりと「死」を感じさせるのは「死」で始まり「死」で終わる「ドン・ジョバンニ」父親レオポルドの死を挟んで作曲も進められました。又、レクイエムにおいては今度は自己自身の死が投影されてきます。しかし、ピアノ協奏曲に「死」を感じられないことはないにしても、それ以前のニ短調の曲目総てに「死」の意味を求めることはできないように思えます。勿論、ニ短調には悲壮感や激昂・恐怖などの感情を表すのに適しているとは思いますが。

以下の3つの意味合いが分かりません。
>*イ短調
>*ト短調
>*ハ短調
>もし、知っていたら教えていただけないでしょうか。
>よろしくお願いします。

♭の少ない順に並べていきます最初は♭1つでニ短調でした。
♭2つ
ト短調
 K.20  モテット「神はわれらが避難所」ト短調
 K.173dB交響曲第25番ト短調
 K.374b ピアノとヴァイオリンのための6つの変奏曲ト短調
 K.472 歌曲「魔法使い」ト短調
 K.478 ピアノ四重奏曲第1番ト短調
 K.516 弦楽五重奏曲第3番ト短調
 K.550 交響曲第40番ト短調
有名なト短調。モーツアルトと言えばト短調と言われるくらいに有名な訳ですが、K.550 交響曲第40番ト短調とK.173dB 交響曲第25番ト短調が最も有名でしょうか。ト短調は「運命」の調性と言われています。K.478 ピアノ四重奏曲第1番ト短調の荒々しい第1主題をアインシュタインは「運命のモチーフ」と呼んでいます。又、「死」を予感させる調性とも言われています。しかし、こうした言い方にしても、例えばK.472 歌曲「魔法使い」ト短調は男に出会った初な女の子が「魔法使い」と感じたという訳ですから「死んでしまう・・・」というよりは「運命」と捉えた方が良いかも知れません。

♭3つ
ハ短調
 K.47a ミサ曲第4番「孤児院ミサ」ハ短調
 K.382a カノン「彼女は死んだ」ハ短調
 K.382b カノン「ものみな幸いなり」ハ短調
 K.384a セレナード第12番ハ短調「ナハトムジーク」
 K.417a ミサ曲第16番ハ短調
 K.426 2台のピアノのためのフーガハ短調
 K.457 ピアノソナタ第14番ハ短調
 K.475 ピアノ幻想曲ハ短調
 K.491 ピアノ協奏曲第24番ハ短調
 K.516b 弦楽五重奏曲第4番ハ短調
 K.520 歌曲「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき」ハ短調
 K.546 弦楽四重奏のためのアダージョとフーガハ短調
 K.617 グラスハーモニカ五重奏曲アダージョとロンド
この調性は「悲劇」でしょうか。アインシュタインはK.384a セレナード第12番ハ短調「ナハトムジーク」で「ト短調がモーツァルトにおける宿命の調性ならば、ハ短調は劇的な調性である」と言っています。ピアノ曲においてもそれは同様で、K.457:ピアノソナタ第14番ハ短調、K.475:ピアノ幻想曲ハ短調はベートーベンのソナタを予兆させるものですし、 K.491:ピアノ協奏曲第24番ハ短調は第20番ニ短調よりさらに激しい感情を吐露したものです。モーツアルトにとってト短調が特別な調、「宿命」・「運命」の調であったとすればベートーベンにとってハ短調は特別な調、「運命」の調でした。

フラット4つ
イ短調
 K.73s ミゼレーレイ短調
 K.300d ピアノソナタ第8番イ短調
 K.511 ピアノのためのロンドイ短調
 K.552 歌曲「戦いの門出に」イ短調
 K.555 カノン「われは嘆き悲しむ」イ短調
これは歌曲の題名からもそれと知れる「絶望」の調性です。このことが一番良く分かるのがピアノ・ソナタ 第8番イ短調K.310 (300d)でしょうか。そしてそれが、K.511:ピアノのためのロンドイ短調になると一層深まります。

以上、いづれにしてもこういう傾向があるというくらいに留めておきましょう。私にしてみても、今回総てを検証したわけではありませんので。それにしても良い課題を与えていただきました。私自身、もう少し、聴くことによって深めていきたいと思います。有り難うございました。<_o_>

tombi    [19/01/09<火>-23:26]
     
追記
大学の先生が念頭に置かれているのは恐らくはアインシュタインだと思われるのですが、一番は「これらの曲を聴いて欲しい、そしてそれに対して君は何を感じますか。」ということだと思います。だから上記に掲げたことは正解だとしても先生にとっては、面白くも何ともない答えだと思います。「この曲(調性)から、こんなことも、こんなことも感じられたのか」というのが面白く、又、貴重なデータにもなりうると思います。宝島さんもたくさん聞いてみてください。それが一番のねらいでしょうね。

tombi     [19/01/10<水>-00:36]
     
訂正
勢いあまって♭4つイ短調なんて書いてしまいました。イ短調は平行調がハ長調ですから、♭も♯も何も無し、0でした。0から♭3つまでを並べると
イ短調→ニ短調→ト短調→ハ短調
絶望→死→運命→悲劇
となりますね。
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さて、皆さんはどのように感じておられますか?

コメント(1)

ホ短調もありました。Kv.304は絶品です。

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