以前にもそういう議論がありましたが、専任の理系研究者と文系研究者では文系の方が、研究者の生の質(quality of life)は高いです。文系の方が幸せです。これは企業でも同じで、理系は、人事と予算を文系に握られ、数の上でも劣勢に立たされ、文系に奉仕します(生涯賃金でも有意な差がある)。理系自身にも反省点はあるでしょう。マルクスとかの社会思想を知らないので、労働条件の切り崩しに対抗できないというか、本能的にそのヤバサを察知できないんです。もちろん、製品に付加価値を付けているのは理系です。しかし、この辺の話は、誰もが知っている話であり、いまさら、小学校や中学校の理科の教育がおかしいから、理系進学者が減っているのだ!などと理科の先生のせいに八つ当たりしてもみっともないというか、かえって社会情勢オンチなことを曝け出しています。
とにかく、現時点では結論が出ています。もし、親として子供がいるなら、子供は文系に進学させるべきです。というのも、理系は損しますから。大学だったら、大学幹部に尻尾振って、いち早く任期制を導入するのは、薬学部とか理系の学部からです。自分が病院を開業経営していて、子供を医学部に入れて、勤務医ではなく、開業医の院長になることが決まっているのではない限り、あるいは、難関大学の薬学部に進学して、将来は、大手製薬会社の研究員になれそうな確率が高いのでない限り、子供を理系に進学させるのは、非常に危険でしょう。QOLが文系よりも低いです。商業高校の先生として、簿記でも教えている方が、幸せだと思います。