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象眼ファイナルコミュの056#ガリレオ「真夏の方程式」

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寝かせていたので放送日を過ぎてしまった。残り10/4放映が近い。

 (2025年8月21日)
 『ガリレオ』劇場版
 土曜プレミアムでシリーズ3作品一挙放送決定
 https://www.cinematoday.jp/news/N0150428

まあ、オンデマンドで「いつでも観たい時に」の昨今だから、地上波で放映!
と言われてもなあ、だが、小生のように、まだまだ地上波だけの貧乏所帯wも
少なくないだろう。

放映当時から、ずいぶん経ったガリレオ・シリーズだが、ドラマ1/2は全話
観てる。劇場映画版も3作すべてDVDで観てる。要は・・・ファンwww。
(但し原作は読んでないw)

俳優としての福山に賛否はあろうし、小生も、それほどの思い入れはないが、
キャラとしての湯川は好きだし、なんと言っても!

「渡辺いっけい」が秀逸だ。本作では「コメディ・リリーフ」として、能力を
発揮しているが、名脇役として彼の「怪演」独特なテンポ=演技の間(ま)は
極めて独特だ(まあ、名俳優は皆そうなるが)。彼がいるから湯川のキャラも
映える。
  コレね
  対談/渡辺いっけい
  https://youtu.be/PP9UHpPNn38
  https://youtu.be/ii_Rwd18s3g

  (「福山が渡辺をガリレオにオファーした」との逸話は知らなかった。
   福山は己の技量が(未熟さも)よく解ってるな。ドラマで世話になった
   脚本家が、後述するガリレオ劇場版で監督になってるのも縁だな)

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「夏」ときたらコレ
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さて、「夏に観たい映画」は以前も述べた「異人たちとの夏」などある。
そして「真夏の方程式」だ。

 「真夏の方程式」予告
 https://youtu.be/VWDNmbOM3c4

もし、未体験なら後述を見る前に観てほしい。ストーリーもなにも知らずに
先入観ゼロで(小生がそうだったように)深い感慨を体験していただきたい。
以下ネタバレするので、観終わってから読んで欲しい。

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<真夏の方程式>

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「あの夏」が、どうしても離れない
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(登場人物が面倒なので役者名で)

まず、物語りのすべてを暗示するのが冒頭、福山と少年との出会いである。
(物語りの最後も福山と少年の別れとなる)

テレビドラマから続くキャラ設定として、福山は子供が大嫌いで子供が寄って
くるとジンマシンが出る。理由は「子供は非論理的だから」。しかし、何故か、
この少年にはジンマシンが出ず、福山も不思議に思っている。

そして、海底資源の開発業者と地元自然保護住民の対立が激化している、美しい
入り江の町へやってきた。

宿泊した旅館を経営する家族3人は、他人には絶対明かせない秘密があった。
そして父と母娘の間にも秘密があった。この家族の甥っ子として都会から夏休み
で帰省したのが、最初に福山が出会った少年だった。

そして殺人事件が起こる・・・

(まあ、この手の物語りには共通するが)ともすれば強引とも思える筋書きも、
脚本/監督の繊細な人物描写の説得力で自然である。家族3人の秘密が徐々に
明かされていく過程は静かに淡々と進むが息苦しい。
  (伏線〜回収とか余計なことは考えない方がよい。登場人物と一緒に
   今起こっていることに集中すべきだ)
3人は重い十字架を背負っているが、帰省した少年も、この夏、重い十字架を
背負って生きていくことになる。

すべてが明らかにされたあと、福山と娘は海で泳ぐ。娘は美しく青い海深く、
ダイブしていく・・・このシーンのBGMがサントラ「光る海原」である。

 光る海原
 https://youtu.be/22xucMmvm1Y

小生はこのシーンで何度も泣けてしまう。それは、
・消すことも変えることもできない宿命
・重い十字架を背負って生きる
・なにも解決はしていない
・罪は消えない・・・許されることはない・・・悲しみは在り続ける・・・
・その娘を美しい海が、抱きかかえている
・海はなにも言わない、なにも解決しない
・ただ、優しく包んでいる
・海は受容している

「海の受容」その★慈悲★に泣けてくるのである。

人間の愛をも超えていくモノ、それは慈悲しかない。
ブッダの慈悲の神髄を知りたいなら、真の優しさとは?を知りたいなら、
この映画を、このシーンを観ればよい。何十年もヒマラヤで瞑想しなくても、
アナタにセンスがあれば、この映画を観ただけでブッダの慈悲を会得できる。
小生はウソはつかない。

そういう意味で、本作品は諸行無常であり、慈悲であり、極めてブッダ的で
感性するどい賢者なら映画を観ただけで悟りの境地を得ることができる。

深い深い悲しみ、そして、深い深い海

両者はまったく同じだ。それが真理だ。だから「海の受容」なのである。

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杏の素晴らしい演技
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主人公となる娘役の杏は公開当時27歳。まあ・・・素晴らしい、というか、
こんな演技力があったのか、うなってしまう。
杏だけでなく、本作品の役者はみな名演である。つまり、

 ★ 脚本/監督が、役者にヘタな演技をさせない ★

これは今の映画業界においては、相当に珍しいことだ。繰り返し観ると解るが
セリフを言う、ほんの一呼吸の間(ま)や、目線など(まったくの想像だが)
細かく指示している。しかし、(演技の)やり過ぎはさせない。

細かな演技力の連続が自然な物語りを作る、これは「目からウロコ」である。
演技し過ぎ=芝居臭い=リアリティが無くなる、これがテッパンだが、それは
大根役者、大根監督だからで、ホントの役者と脚本/監督の技はリアリティの
ため、徹底的に演技をする、それが映画という世界の映像美と演技力であると
再認識する。
つまり、
我々は、いかに多くのニセ映画を観させられているか、ということである。
ニセ映画の大根揃いの役者/脚本・監督の作品をあまりに観続けているので
ホンモノが解らなくなっている。
また、我々は軽々に役者をアレコレ批判するが、実は多くのプロ役者は脚本と
監督がホンモノなら、名演技ができることを、本作品は再認識させてくれる。

過日、本作品で杏のクランクアップ時の裏映像なる動画があったが、最後の
シーンを撮り終え「杏さん、これでクランクアップです」で花束を渡され、
周囲の拍手となるところで、杏が感極まって涙を流していた。それほど撮影に
配役の娘に感情移入していたのだろう(ググったが見つからなかった)。

映像における杏の日焼けした浅黒い、たたずまいは、しかし、とても凛々しく
美しく、それが重い十字架を背負って生きることとの対比が鮮やかである。

その他の役者すべて、繰り返し観るごとに細かい素晴らしい演技の連続で
何度観ても再発見がある。

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もうひとり、重い十字架を背負う
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そして、少年・・・である。彼も重い十字架を背負って生きることになる。
少年は感受性鋭く、それを察知まではするが、理解までにはない。
それを理解する福山は別れのとき、少年に「僕も一緒に考える」と言う。

「一緒に考える」・・・「共に在る」

アナタの苦労/不幸/悲しみ、私にはそれを解決できない。
私にできるのは共に在ることだけ。

ココにも「海の受容」がある。共に在る、ソレがどれほど慈悲深いことか。
どれほど多くの人が、共に在ろうとしないことか・・・

少年は成長し、ずっと「この夏のできごと」を想い続け、杏に問い続け、
そして、オトナになって、いつの日か福山に再開するのだろう。
その時がとても楽しみだ。

そして、杏と一緒に美しい青い海へと深くダイブしていく・・・
そこが2人だけのサンクチュアリ=聖域なのである

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<容疑者Xの献身>

一応、コッチも名作なので。

ガリレオ初の劇場版が「容疑者Xの献身」である。

「献身」は興行的にも作品自体の評価でも大成功になった。

天才ガリレオの福山が唯一の数学天才と認める堤真一、出会いは大学時代。
大学で物理学助教授として物理研究をする福山とは対照的に、堤は真価を発揮
できず、しがない数学教師として独身アパート暮らしの日々。
隣に引越してきた母娘との出会い/交流を通じ、秘かに母に恋愛感情を持つ。

その矢先、乱暴悪党な前夫がアパートにあらわれ、口論の末、はずみで母娘は
前夫を殺害してしまう。堤は隣の物音で異常を察知、母娘から殺害の事実を知る。
自首するという母に、堤は数学天才の頭脳を使い、凡人には考えも及ばない、
トンデモないアリバイ工作によって、母娘への嫌疑のすべてを予測、警察の捜査
から母娘を守る。

そこへ物理天才・福山があらわれ、堤の工作を崩していく。福山によって母娘の
アリバイが崩されるのを察知した堤は、最後の切り札として自分が殺ったと自首、
これには福山も打つ手無しとなる・・・が、堤がすべての罪を背負って刑務所に
収監される瞬間・・・すべてが明らかになり、堤は泣き崩れる。

何故、堤がそこまでに(己の生涯を捨ててまで)母娘をかばったのか?

単に母への恋愛感情を超えた、堤だけしか知らない真の理由が、母娘と最初に
出会った過去の回想シーンで描かれる。

堤の魂と命は母子との出会いによって救済された・・・
堤こそ、母娘に魂と命を救ってもらった・・・
堤には、もう、それ以上に望むことは無かった・・・

堤に感情移入すれば、決してシアワセな人生とは言えないが、魂は救われ、
生涯刑務所で暮らすとしても後悔はないだろう。

ネタバレしないよう、一応配慮した。

「献身」も良かったが、個人的にはソレを超えるのが「真夏の方程式」だ。

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