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芸術の日本 美術・評論を中心にコミュの秋に想う・・・

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「たとえば、秋の夕暮れの空の様子は、色もなく、声もない。どこにどのような理由があるだろうとも思われないけれど、わけもなく涙がこぼれるようなものである。」鴨長明『無名抄』(1216年頃)久保田淳訳より

「秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、鳥の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。」清少納言『枕草子』(1001年頃)より


日本人は古来、秋という季節にせつなさとよるべなさを感じてきました。
秋の夕暮れに、わけもなく涙がこぼれ、あはれさを感じる。
あるいは人恋しく想うのも秋でしょう。


写真��

右隻



写真��

左隻



作者不詳 「武蔵野図屏風」 江戸時代前期・17世紀 紙本金地着色 屏風装(六曲一双)140.0×330.0cm(各)島根県立美術館蔵



作者不詳の「武蔵野図屏風」は、金雲の下にススキを描き、更にその下に女郎花、撫子、桔梗など秋の七草の可憐な草花を描き、左隻には満月が輝いている(銀が腐食して黒ずむ)。

秋の夕暮れの寂寥と絢爛の対比が描がかれています。



秋にはもの悲しさだけではなく錦秋の絢爛さがあります。その両義性が秋の魅力だろう。



秋を詠んだ、『三夕の歌』にも寂寥と絢爛が裏表のように詠まれています。




写真��上

土佐光成 「三夕図」 江戸時代・17世紀 77.2×88.4cm 東京国立博物館蔵 左から西行、定家、寂蓮



〈心なき身にもあはれは知られけり鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮〉西行



意味:俗世を捨てて執着を無くしたはずの我が身にも、しみじみとした秋の哀愁が感じられる。鴫が羽音を立てて飛び立ったあとの、沢の秋の夕暮れよ。





〈見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋(とまや)の秋の夕暮〉定家



意味:あたりを見渡しても、春の花も、秋の鮮やかな紅葉もない。ただ海辺の粗末な苫葺き(とまぶき)の小屋があるだけの、秋の夕暮れの寂しい景色よ。





〈さびしさはその色としもなかりけり槙(まき)立つ山の秋の夕暮〉寂蓮



意味:寂しさは、紅葉といった特定の色のせいではないのだなぁ。常緑樹であるマキの木が並ぶ山の、秋の夕暮れは(色がなくても)本当に寂しいものだ。



〜意味∶Gemini参照





秋を想う心は日本人独特の感情だろうか? 



フランス第一の詩人シャルル・ボードレールも「秋の日暮れ(夕暮れ)」の無限の美しさが刃のように心に突き刺さると表現しています。



写真�2�


シャルル・ボードレール(1821―67)



〈秋の日暮れというものの、なんと身に沁みることだろう! ああ! 苦痛にいたるまで身に沁みる! なぜなら、漠としていることが強烈さの妨げとはならぬ、そういう類の甘美な感覚というものがあるからだ。そして、〈無限〉の切先にもまして鋭い切先はない。〉ボードレール 『パリの憂鬱』(1869年)阿部良雄訳より





どうやら「秋の夕暮れ」に対する感性には東西に共通する集合的無意識があると言えるかもしれません。

もっとも、春夏秋冬がない地域には生まれないでしょうが・・・


コメント(2)

秋…良いですよね〜…ぴかぴか(新しい)最近はメッキリ短くなりましたが、それでも金木犀などの薫りが流れて来るとしみじみと秋を想います。
>>[1]
秋が無くなるのではと心配していましたが、10月に入り秋めいてきましたね。金木犀の香りいいですね🥰

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