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意味不明小説(ショートショート)コミュの青空に口紅

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__青空に口紅__pipi


 藝術の秋に近所の会館で写真展の手伝いを頼まれたことがあって…

 その催事には濃いめの化粧をした仲良しお姐さんが鑑賞しに来てくれて…

 鑑賞し終えても所在無げに会場内をうろうろしていて…

 突如ズシンと鈍い音がして「痛っ」と彼女の抑えた叫び。見知った電気店の旦那が奥の物陰で口に手をあてながら身体を“く”の字にして笑いを堪えている。

 キレイに磨かれた窓ガラスに気づくことなく外に首を出そうとして顔面を強打した。「痛かっただろ」と労わると頬骨を押さえて「あったり前じゃん」と泣き笑いが返ってきた。

 うずくまる彼女の背に手を添えながら窓外を仰ぎ見れば天高く晴れ渡った抜けるような青空には口紅の跡がぽっかり浮かんでいた。

 日も落ちかけたころ、女子大生に受付を譲り店まで同伴した。

 あくる休日は昼近くになって会場に出向くと芸術科系の学生を中心としてごった返していて難しい言語が飛び交い、熱気あるサロンと化していた。多くの展示作品の、そのうち六点はやがては秀逸な連作として大手出版のページを文添して飾ることになったのだが。

 しかしながら熱気ゆらぐ人々の狭間から窓ガラスに目を行かせると相変わらず孤独そうな口紅が秋風に吹かれながらぽつんと残されていて如何にも不憫である。ボクは「あそこにジアーツがあるじゃん」と独りおもった。「アクションペイントだっつうの」
 

コメント(3)

 事実をそのまま書いたのですが詩文風になってしまいました。

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