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意味不明小説(ショートショート)コミュの10years

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 ある日、僕は10年後の自分に出会った。

 いきなりこんな突拍子のないことを言うのはおかしなことだけれど、とにかく、僕は“10年後の僕”と出会った。

 それは春の少し肌寒い空気と太陽の日差しが交じり合った3月の午後。僕は、いわゆる就職活動の真っ只中で、その時も家にこもって履歴書に文字を書き並べていた。

 突然、家のインターホンが鳴った。ドアを開けると、ブルーのパーカーと、いつ洗ったんだかわからないジーンズに、黒のコンバースを履いた彼がそこに立っていた。少し肌の艶が悪いが、そいつはまぎれもなく僕だ。僕がその事実に驚く間もなく、彼はしゃべり始める。自分が10年後から来たということ、そして現代に来た理由を――。

「元気そうじゃないか。ん…、元気なのは当たり前か。でなきゃ今の俺はいないんだからな。それにしても華奢な体してるな、少し体を鍛えたほうがいいぞ。まぁ、俺のほうは少し腹がでてきてたんだがな」彼はお腹をさすりながら、へへといった感じで笑った。

「どうでもいいですけど、33歳でその身なりはどうなんですか?」

「今も昔もファッションの傾向なんて大して変わらないんだ。俺の時代じゃこれが流行の最先端だ。ところでお前、年上を敬うということを知ったほうがいいぞ。社会に出た時にそういう態度は通用しないからな」彼は少しムッとした感じで言った。

僕もムッとした。「ところで何しに来たんですか?」

「ちょっとお前に借りたいものがあってな。ほら、あそこに掛けてあるものがあるだろう」彼は僕の部屋の隅の方を指差しながら言った。

そこにはリクルートスーツが掛かっていた。

「今から就職活動なんだ」

コメント(6)

あれから10年も〜この先10年も〜
なんか切ない…(T_T)
この時に出会ったから、就活やる気無くして、10年後も就活するはめになったのかなげっそり

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