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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのTURNING POINT North West 航空85便 緊急着陸事故

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2002年10月9日、米国Detroitから成田空港へ向かっていたNorth West 航空85便(B747-400型機)は、乗務員18名、乗客386名を乗せて、Bering海上空FL350を巡航していた。シニアキャプテンのJohn Hanson機長とDavid Smith副操縦士は操縦をFrank Geib機長とMike Fagan副操縦士へ交代したところだった。機体が突然左へrollingして、35-40°bankし、yawingがかかった。Geib機長はauto-pilotをOFFにして、操縦桿を逆にきって姿勢を水平に立て直した。前年の9/11事件の直後、American航空587便がrudder操作で垂直尾翼が外れて、NYCのQueens地区へ墜落した事故があったばかりで、Geib機長は同様なトラブルが起こったのだろうと直感した。B747は垂直尾翼が上下に分割されており、油圧システムに異常がないことから、lower rudderが17°左へ曲がって固着する(hard-over)可能性は以前から知られていた。Hanson機長とSmith副操縦士は休憩室から呼び戻され、Hanson機長が操縦を交代した。成田まではあと6時間もかかり、Anchorageへdivertすることを決めた。Anchorage管制センターは遠すぎるため、付近にいたNW19便に要請をリレーして貰い、ゆっくり右旋回して北東方向へ戻った。Geib機長は客室通路に立ち、乗客に緊急事態でAnchorageへ向かっていることを告げた。事態の進展を説明するので、冷静でいて欲しいとお願いした。Hanson機長はNWA本部を通じてMineapolisの自宅で寛いでいたFleet Training CaptainのJohn Dohertyへ連絡を取った。Dohertyにとっても訓練でやったこともない状況であることを悟り、まずFL350から空気密度が高い低空へ降下するのが得策と助言した。やっとAnchorage管制センターと直接交信できるようになり、FL140への降下を要請したところ、付近にtrafficが多いから否認された。Hanson機長は緊急事態であるので改めてFL140をリクエストし、Rwy6Rへのapproachを承認された。右脚でrudderを一杯に踏み込んでいるため、操縦は10分ごとに左右席で交代して継続させていたが、10分持たずにcrampが起こりそうだった。Flap5°でgear-downし、右主翼を下げながら滑走路14へ正対させた。Doherty査察機長は固着したrudderとnose-gearが連動しているから、接地した後の滑走路逸脱に注意するようアドバイスして、後は電話を切って無事の着陸を祈った。Geib機長は乗客にBraceポジションを取らせて接地に備えた。接地前後の操作が難しいため、Hanson機長は左ハンドルでnose-wheelを、Geib機長はyokeを、後席からSmith副操縦士がthrottleを分担して操作し、機体を滑走路上で制止させた。乗客は冷静に機外へ退出し、全員が無事に到着した。
NTSBのCarolyn Deforgeは、尾部から油が滴り落ちていたので、rudderを制御するPCMシステムにつながる直径2.5インチの油圧系統のcapが外れているのを確認した。このシステムは油が抜けるとrudderが一方へ全曲する設計になっていたので、飛行中に17°左へhard-overしたと考えられた。このアルミ製部品にはマンガンなど複数の合金で出来ており、結晶化して成型しているため、亀裂が入ることがあり得た。どれ位の耐用年数があるかは不明であったが、同機はB747-400型機のテスト機でもあり、事故発生時点で総飛行時間55,000時間余り、7,000回超の離着陸をしていた。
結局、事故原因は解明できなかったが、このシステムにはfail-safe systemとしてpinが組み込むこととなり、改修のdirectiveが発出された。

コメント(2)

新しい型式の旅客機が導入された時には、想定されていなかった何らかの故障が発生する可能性が高い。この事故に遭遇したcrewは、AA587便の事故からB747-400でもlower rudderに不調が起こり得ることを想定していたというのは凄い。Geib機長が回想していたように、もしもBerging海で墜落していたら、事故の概要は全く分からなかっただろう。
それにしても、PCMシステムの油圧が抜けるとrudderがhard-overする設計になっていたのは、何ともお粗末な話だ。rudderが中立に固着するのであれば、エルロン操作で機体をslipさせながら、安全に操縦を継続できただろう。fail-safeという前に、設計ミスであったのではなかろうか?
Hanson機長(Chris Gillett)、Geib機長(Peter Maxwell)、Fagan副操縦士(Philip Shepherd)と堂々と役割分担して危機に対処していた好演者に並んで、Smith副操縦士の代役の名前がなかった。着陸の時に何か重要な操縦分担を任されていたら、クレジットが出たのだろうか?そんなに沢山の手足は要らなかったということか。客室乗務員のKathy Brecklinは冷静で居ながらも不安を抱えてAnchorageへ向かっていた機内の様子を回想していたが、代役のKarin Coulter McPhersonの容姿と雰囲気が随分違っていた。

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