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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのGRAND CANYON DISASTER TWA2便/United718便 空中衝突事故

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1956年6月30日、United航空718便Los Angeles空港発Chicago空港行き(Douglas DC-7型機)は、Robert F. Shirley機長48歳以下、Robert Harms副操縦士36歳、Jerald Fiore航空機関士ら乗員5名と乗客53人が搭乗して9:04amにRWY25Lを離陸した。その2分前にはJade Gandy機長らが搭乗するTWA2便Kansas City行り(Lockheed Super-Constellation L-1049型機)が乗員6名と乗客64人が搭乗してRWY25Rを離陸していた。
飛行計画ではUnited718便はPalm Spring, CA~Needles, CA~Durango, COの経路で南寄りルート、TWA2便はDaggett, CA~Trinidad, COと北寄りルートで飛行することとなっていた。当時の計器飛行は当該機がCompany RadioでDispatcherと交信し、更新内容をCABの航空管制官へ伝えて承認を得る形で行われていた。United718便はFL210で巡航に入り、54分後にNeedleを通過、10:31amにDurangoへ到達予定と伝えた。その後、Lake Havasu, AZ上空で積乱雲に遭遇しこれを避けて飛ぶと送信して音信不通となった。TWA2便はDaggett上空でFL210をリクエストしたが、United718便と同高度のため承認されず、「雲上1,000ft(1,000 feet on-top)」という高度で承認され、その後音信を絶った。Grand Canyonの東側、Bryce Canyon, UTとWinslow, AZとを結ぶ280kmの南北線をPainted Desert Lineと規定していたが、United718便は10:31amに通過予定のところ20分経っても連絡がないため、CABへ行方不明と報告された。直ちに捜索が開始され、Canyon-tourガイドのpilotが2機の墜落を確認した。Canyonの底にはConnieの3枚垂直尾翼が落下しており、その2kmほど離れた谷底から210mほどの渓谷中腹にDC-7が衝突していた。事故現場へ到達するのも困難な渓谷のため、大型ヘリで遺体や残骸の収容が行われた。
米国民間航空局(CAB)のJack Parshal調査官は、TWA機の尾翼部は墜落地点から500m離れていたこと、機体右側後部にはUnited機のものと思われる青色塗料が付着していたこと、両機とも飛行計画を遵守せず、TWA機はGrand Canyonの北側から南下、United機は南側から北上する方向でPainted Desert Lineへ向かっていたという交信記録から、United機がTWA機を視認して、衝突を回避するために右旋回を企てたものの、右後方から追突する形となり、TWA機は尾翼が破断して墜落、United機は左翼先端部を失って操縦不能となって岩壁へ激突したと結論した。
事故後の世論は高度を上げたTWA機に非があるとの論調が多かったが、Parshal調査官らはUnited機に衝突回避義務があったことも報告書に併記した。また両社のDispatcherが相手機の位置情報を伝えるべきであったことも明記した。更には全米の航空管制システムが未熟であったことが、この空中衝突事故の根幹にあることを指摘した。




コメント(3)

1950年代の民間航空は、一部のhigh societyの人たちが利用する贅沢な空の旅であり、初めて飛行機に乗る人も沢山いたそうだ。事故当時、California州には旅客機が117しかなかったという。そのため大空は混雑しておらず、この空中衝突事故は衝撃を与えた筈だ。
この事故原因を調査したCABのJack Parshal調査官(Michael Copeman)は航空機事故調査の魁となった人物だ。彼は操縦士出身ではなかったが、その分客観的な次長調査手法を確立できたのだと思う。機体残骸の散らばり方、残骸の塗装付着や破断面の観察、交信記録の経時的な分析、Cockpit模型を作って操縦席からの視界や他機の視認状況の再現等々、泥臭いが手堅い調査手法は今日まで受け継がれている。
最も偉大であったのは、調査報告書で事故原因を特定するが、悪者を特定することはせず、今後の事故防止のために改善点を強調した点だ。この事故報告は連邦議会へ衝撃を与え、定期旅客便は飛行計画に則ってIFRで飛行することが定められた。また全米を飛行中の航空機がRadarで捕捉できるよう、レーアー網の整備が始まるきっかけになったという。
1950年代の搭乗客は実にオシャレして搭乗しており、ご婦人は帽子を頭にのせ、子供まで蝶ネクタイを締めている。番組内のFlight Attendant(Diana Bentley)もエレガントな振る舞いで好演していて、乗客にタバコを配ったりしていて、往時の様子がよく再現されている。
Jack Parshal調査官(Michael Copeman)も蝶ネクタイにパナマ帽を被って現地調査に臨んでいて、好演している。今日のようにNTSBのロゴをでかでかとプリントしたジャンパーを着ている調査官と比べると、実に上品な感じがある。DC-7とL-1049のミニチュアモデルにマニュキアで塗装を施し、衝突角度を写真に撮らせている様子などは、航空機事故調査の原点はこういうものだったのだと彷彿させる。
Las Vegas, Needles, Winslow, Brayce Canyonで囲まれるGrand Canyonは、恐らく全米で最もSpectacularな空域だ。Painted Desertの意味は上空を飛行すれば一目瞭然。鉄分で赤土の崖に朝日や夕陽が当たる様子は、地球の太古の姿をそのまま残している。ここでは自分の同僚の夫を含め、多くのAirmanが命を落としたので、血の色にも見えたことを思い出す。

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