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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのHIGH RISE CATASTROPHE El Al 航空1862便 離陸後墜落事故

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1992年10月4日、NetherlandのAmsterdam空港からIslaelのTel Aviv空港へ向かってB747貨物機が164tonの貨物を積載して出発した。Yitzhak Fuchs機長、Arnon Ohad副操縦士、Gedalya Sofer航空機関士の3名が乗務し、Ohad副操縦士が操縦していた。Skipol管制からFL210までの上昇を承認され、離陸から7分後に突然boomと大きな音がして、機体は右へ旋回した。若い副操縦士は"What's a hell!"とビックリして、Fuchs機長が操縦を代わった。引退間近のベテランSofer機関士がエンジン#3と#4がいずれもOutとなり、それぞれの油圧システムもDownしたとcallした。機長は左Rudderを一杯に踏み込んで機体を立て直し、副操縦士はMaydayコールを宣言した。Skipol空港へ引き返すことを要求し、磁方位360°で飛行を続けた。#3に火災警報が出たため、消火装置を作動させてE/Gを停止した。Fuchs機長はRWY27が最長と知っていたためか、そちらへ着陸することをリクエストした。RWY27から7NMの地点で高度が高かったので、機長は旋回しながら高度処理して滑走路へ正対した。Gear down、Throttle down、Flap-2を入れたところ、機体は再び不安定となり、右へ旋回し始めた。管制官は310°を指示したが機体を保持できず、副操縦士がcontrol problemを伝えた。その後真っ逆さまに降下し始めEl Al1862 going downとの交信を最後に空港近くの11階建てアパートへ墜落した。L字型のアパートメントの曲がり角部に機体が突っ込んで、その衝撃と火災でアパートは2つになった。乗務員3名とアパートの住民ら40名が死亡した。
Netherland航空機事故調査委員会のPim van Santenは救出活動が終わるまで事故調査が行えず、まずATCの交信記録を確保した。米国NTSBから派遣されたBob Benzonはごみ処理施設へ赴いて、アパートと機体の残骸を分別する作業を見守った。事故現場からの残骸は膨大な量で、その中からFDRを何とか見つけ出すことが出来た。FDRはNTSB本部へ送付され、その中に納められていたtapeを丹念に修復する作業が進められた。
事故機が墜落する前に2つのエンジンと思われる部品が空港の北東部AlmerehavnにあるGooimer湖に落下したとの目撃情報があり、直ちに捜索が行われた。#4エンジンと右翼前縁が引き上げられ、爆発による破壊がなかったことを確認した。#3エンジンは直ぐに見つからなかったため、海軍の協力でソナー探査を行って発見した。当時空港周辺に沢山の鳥の群れがいたことからBird strikeがなかったか検証したが、動物の体液や有機物に反応する緑色の蛍光は確認されなかった。#3の火災警報は恐らく誤作動であったのだろう。#3エンジンに塗料が付着していたため鑑定したところ、#4エンジンのCorn spinnerのものだった。これらの事実からvan Santen調査官らは、何等かの原因で#3エンジンが脱落し、それが#4エンジンに衝突して2つとも落下したと推測した。何故#3エンジンが脱落したのかについて、ごみ処理場の残骸からエンジンを固定するFuse pinが発見され、これには4mm長の金属疲労によるひび割れが見つかった。そうなるとエンジンを懸垂するPylonが壊れて、翼前面を破壊して油圧が抜けた可能性が考えられた。機長がFlap-2を入れた際に、左側のFlapだけ作動して、機体が再び右へ旋回して操縦不能となったものと理解された。機体は時速350マイルでアパートメントへ激突したと考えられた。
van Santenら事故調査委員会はBoeing社に対して、Fuse pinの強度不足を指摘し、B747型機Pylonの再設計を勧告した。Boeing社は直ちに強度を上げたFuse pinをB747オペレータへ供給し、Pylonの設計も後年変更された。

コメント(2)

Mayday!の中でも代表作の1つである本番組は、本当に驚くべき原因で起こったジャンボジェット機の墜落事故だ。首都空港から離陸直後の事故ではあったが、何と高層アパートに164トンの貨物とジェット燃料を満載したB747が突っ込んだため、大惨事となった。その残骸の山からFDRや問題となったfuse pinを探し出したのは奇跡に近かった。他方、事故原因究明の鍵となったジェットエンジンは水深数mほどの湖に水没したため、#3エンジンが#4へ衝突したと推測する決定的な証拠を得ることが出来たのは幸運だった。現代のジェット機には各所に高性能カメラが設置されているので機体の異状が発見しやすいが、当時のB747貨物機ではそれは困難なものだった。
Fuchs機長は左rudderを一杯に踏み込んで機体を何とか水平に戻せたのだったのだから、Flapを展開せずにForward slippingで高度処理していれば、遭難機は何とかRWY27まで辿り着けた可能性があったと思う。#3火災警報の語法が余計だった。
この事故からの教訓として、理由が分からない機体制御不能の際には、余計な操作はせずに現状の制御をうまく修正しながら着陸するのが賢明だということだ。
fuse pinの強度の問題やpylon設計の重要性について、この事故が後世に伝えた課題は実に大きかった。
この番組が見ごたえる内容になった一因は、Yitzhak Fuchs機長(Jedah Katz)、Arnon Ohad副操縦士(Alen Delan)、Gedalya Sofer航空機関士(Eric Fink)の好演がある。特にJedah Katzは番組の常連で事故調査官役で出演することもあるが、今回は若手のOhad副操縦士とのペアでの操縦の様子が良く分かった。Ohad副操縦士が墜落の直前まで"We're going down...El Al Eighteen Sixty-..."と実況して途絶しているところは、何とも心が痛む。

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