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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのPILOT VS. PLANE Air Fance 296便ローパス失敗事故

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1988年6月26日、Airbus社の組立工場から2日前に納品されたA320(F-GFKC)にAir Franceの査察機長であるMichael Asselineと副操縦士のPierre Magiereが乗務して、AF296便はBasel空港RWY16からHabsheim空港で開かれていた航空祭へ参加するため、130人の乗客を乗せて正午過ぎに離陸した。乗客の多くは地元銀行や新聞社の招待客であり、操縦室のJump seatにはAsseline機長の妻が座っていた。同機は北西に低空で飛行して高速道路沿いにあるHabsheim空港を目視した。当日のAir showには5,000人ほどが参加しており、機長は同機をRWY上100ftでNose upしてαmaxと呼ばれる低空低速飛行を観客へ披露しようとしていた。機長は20回やったことがあると自信があったので、QNH29.84をセットし、Auto pilotを解除して、αmaxを実施した。すると機体はRWY先の森の手前で上昇せず、そのまま森へ吸い込まれるように墜落して炎上した。機体は破壊されなかったが、火災のために逆方向の非常口から脱出した。Asseline機長は顔面を負傷したMajiere副操縦士を操縦室から引きずり出して脱出させ、自らが最後に機体から離れた。しかしSeat beltが外せなかったり、座席に挟まって女性1名の幼い男女1名ずつが焼死した。
BEAのClaude Bechet調査官が中心となって事故調査が開始された。"Was it pilot or plane?"という疑問が調査の中心にあり、現役機長でもあるBechetはNYCから呼び戻されて調査リーダーとなった。
会社から用意されたHabsheim空港のマップでは当初RWY02をLow passする予定いたが、観客がGrass Runwayに集まっていたため、急遽そちらへアップローチしたこと。その地図にはGrass Runwayの先に森があることが記入されていなかった。この書類は会社から2日前に渡されたため、準備万端でなかったことも判明した。
墜落現場の実地検分すると、樹木は40ftの高さで切断されていて、回収されたFDRではRWY上を112ktで通過し、30ftまで低下していたことが確認された。
調査当初は協力的であったAsseline機長は、Local QNHはアプローチ時に補正しており、高度計の異常であったと主張した。CVRで電波高度計の高度Callが録音されていたが、機長はよく聞こえず、森を見た時にエンジンが反応しなかったと意見を述べた。Airbus社の内部文書では同型機は低高度では加速が悪いとの記録があったが、墜落を録画していた音声分析ではエンジンのrpmは正常であったことが確認された。これらの齟齬からAsseline機長は事情聴取に非協力艇になっていった。
機首を上げようと操縦士はSide stickを引いているが、elevatorが反応せず機首を下げようとした点について、事故機は着陸モードになっていたため、機体が操縦士の意図通りに反応しなかった可能性が高まった。Bechetらは同型機を事故現場へ飛ばしてαmaxを再現したところ、失速防止のためコンピュータが上書きして機首下げ姿勢をとり、いわば森へ着陸する形となった。
BEAの事故調査に不満を頂いたAsseline機長は、一部メディアが主張したBlack boxがすり替えられたという噂を取り上げて、調査手法の不正を主張した。また英国AAIBのRay Davis調査官はFDRのデータ分析などから推力全開となったのは墜落5秒前ではなく、9秒前であった筈と自論を公表した。いずれにせよ、BEAは事故報告書でデモ飛行での乗客搭乗禁止、使用マップの適正化、高度計について公式な法規制について勧告した。
Asseline機長は業務上過失致死傷で刑事告訴され、10か月間懲役に服し、その後も自らの汚名を晴らすべく、調査の不正を追及した。

コメント(2)

Airbus社の機体は人間はミスするのでコンピュータがそれを補正する設計思想が取り入れられているが、中華航空の名古屋空港墜落事故でも見られたような着陸前のGo around modeの誤作動や、今回の曲技飛行的なLow passでは、操縦士の意図を誤解してしまう欠陥があったようだ。いくつかの事故を教訓にこれらの欠陥はプログラミング補正され、A320型機はそのご10年間で750機が製造されるベストセラー機となった。今回の事故調査のメインテーマであった"Was it pilot or plane?"はどちらか100%欠陥であったのではなく、人間とコンピュータのインターフェース意思疎通が不良であったということだったのだろう。
この事故でAsseline機長の名声は地に落ちたが、実際Magiere副操縦士はどういう意見であったのだろう。番組ではAsseline機長は自論を展開する好機であったから雄弁に反論していたが、Magiere副操縦士は沈黙は金を貫き通すのがベストと思ったのかも知れない。
Bechet調査官も毅然とした態度で調査内容を説明していたが、パイロット同士で非を論じるのは苦痛であった筈だ。本人はその点について具体的に何も語っていなかったが、番組内の演出で盛んにコニャックがグラスに注がれていた演出がそれを伝えていた。

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