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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのNIKI LAUDA: TRAGEDY IN THE AIR Lauda航空4便空中分解事故

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1991年5月26日、Bangkok発Wien行きのLauda航空4便(B767-200型機)は、Welch機長がFlying、Thurner副操縦士がMonitoringで乗客213名、乗員10名を乗せて巡航態勢に入っていた。突如機体が右側へ傾いて、機首が真っ逆さまになり、空中分解して、6:01UTCにBangkokから110NM北西のジャングルに墜落した。B767では初めての大事故であったため、NTSBはBob MacIntoshらを直ちに現地へ派遣して、タイ航空機事故調査委員らと実地調査を開始した。
彼らがまず苦心したのは、山岳民族が機体の残骸を勝手に持ち去るのを止めさせることだった。同時に、空中分解して墜落したことが明らかとなったため、乗客名簿には国連の麻薬管理担当の高官が搭乗していたこともあり、機体が爆破もしくは撃墜された可能性について調査を進めた。墜落地点近くのDan Changの街にKevin DarcyらBoeing社の技術者も終結し、Niki Lauda氏自身も現場に入った。Baggage Compartment付近を中心に爆発物に対する化学反応が出るかどうかを調べたが、いずれも否定的であった。
Black Boxは改修されたが、FDRはひどく焼け落ちており、NTSBで解析を行うため、Washington D.C.へ空輸されたが、結局分析不能であった。Criticalityが最も高い左エンジンがなかなか見つからなかったが、後日ジャングルに落下しているのが見つかった。驚くべきことに、そのエンジンのthrust reverserが展開していた。Boeing社が型式証明を取得する前に高度1万ftで行った飛行実験では、片方のエンジンでreverserが展開しても、揚力が10%ほど下がる程度で、飛行制御は可能であった。
CVRは分析可能な状態で、左reverser valveの警報が表示されたことが副操縦士の発生で確認された。機長は湿度によるものか?と誤表示を疑ったが、その5分後にreverserが展開して、"Reverser deployed! Dum it!!"と叫び声が録音されていた。その22秒後には機体が分解して音声は途絶していた。FDRが解析不能な状態であるため、MacIntoshらは改修された左エンジンのElectric Control Unitを切り離して、SeattleにあるBoeing本社の検査室へ送付した。操縦士らはエンジンをほぼ全開でsettingしていたが、reverserが展開されたや否や直ちにidleへ落し、燃料shut-downも行ったが、機体は音速を超えて落下したため、空中分解して墜落したと分かった。Niki Laudaは"My airplane, my crash!"と主張して、Boeing社のsimulatorで状況を再現し、何も出来ずに墜落したことを再確認した。reverser deploymentの原因として、directional control valve #2が誤作動した可能性が高く、現地では懸賞金をかけて部品を探した。金色の箱で誰かが持ち去った可能性が高く、9か月後に提供された。しかしネジは緩み、一部の部品が欠落して、泥も入っていたため、何者かが再度組み立てて手渡したものと思われた。Boeing社では様々な条件で2つのバルブが同時に開いてしまう可能性を模索したが、原因はなかなか突き止められなかった。最後に束になっているwireを短絡させたところ、simultaneous short circuitが作動してバルブが誤作動して2つとも開いた。後日NASAが実機で試したところ、B767のような大型のエンジンで巡航高度にて同様な事態が発生すると、揚力は25%減少して、機体は9,000fpmの速さで高度を失うことが実証された。
タイ航空機事故調査委員会とNTSBは、大型エンジンのreverserには複数のhookを取り付けることとして、バルブが誤作動してもなおreverserが開かないような安全システムを装備するよう勧告した。
Lauda航空は事故機を失った後、直ちにFranceで休眠していた同型機を借り入れて運航を継続したが、事故から9年後の2000年にAustria航空に吸収合併された。

コメント(2)

wide bodyのジェット旅客機に大型のエンジンを換装すると、その逆噴射推力も相当になる筈で、それを水平尾翼前ではなく主翼の下方で行えば、揚力に多大な影響を及ぼすことは明白だ。B767には二重のバルブを装備して誤作動を予防していたのだが、電線の束が短絡すると何を起こすか分からない事が事故を通じて明らかとなった。Swiss航空の火災墜落事故でもそうだが、電気系統の短絡や発火は、複雑な操縦系統を有する今日の大型ジェット機の弱点と云える。高温多湿の日本などで運航する時、どのように整備していくべきなのか、更なる調査研究が必要だ。
Niki Laudaは自ら出場したF1レースで大火傷を負って九死に一生を得た経験から、この事故原因はづしても自ら納得できる形で解明したかったのだろう。自身も操縦できるRatingを保有していたようだから、Boeing社での事故検証でも技術的な詳細まで協議できた筈だ。
Daveed Louzaが頭部の火傷ケロイドを特殊メークして好演していたが、LaudaがLouzaになった以上に本人の心情が乗り移ったかと思う位だった。

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