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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのDELIVERY TO DISASTER Atlas航空3591便墜落事故

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2019年2月23日、米国フロリダ州のマイアミ空港からテキサス州ヒューストン空港まで26,000Lbの貨物を積載したAtlas航空3591便(B767-375BCF型機)は60歳のベテランRicky Blakely機長と37歳のConrad Aska副操縦士が操縦し、目的地へ移動のためMESA航空のSecond First Officerが便乗していた。積み荷の多くは、同航空が大口引き受けしているAmazonの配達商品であった。
目的地の手前61NMのメキシコ湾上空で、副操縦士が1,000ftで自動操縦を解除して、着陸させることを申し合わせた。レーダー上、前方に厚い雲のセルが現れたため、機長が操縦を交代して、機体を10,500ftまで降下させた。その後、副操縦士が操縦桿を再び握り、ヒューストンのアプローチ管制に雲を避けるため西方へ避けることをリクエストした。管制官はヒューストン空港からの出発機が多いため、3,000ftまで降下したらダイバートを認める旨返答した。副操縦士はスピード・ブレーキを使って雲中を降下していた時、右席のEFIが落ちて真っ暗になったが、再起動させたところ直ぐに回復した。フラップ1段出して、スピード・ブレーキをOFFにしたところ、副操縦士は「Speed!?」と一言発して機首を10°下へ向けた。副操縦士は続けて「We're stalling!」と発したため、無線交信に当たっていた機長はびっくりして、「What's going on!?」と副操縦士に尋ね返した。機体は丁度雲底から抜け出て、目前にはTrinity湾が迫っていた。副操縦士は「Get have mercy!」と祈りながら操縦桿を引いたが、同機は空港から40NM手前の水面に高速で墜落した。
NTSBはBill English、Bill Bramble、David Lawrence調査官らを墜落地点近くのテキサス州Baytownへ派遣し、実地検分を始めた。事故機は比較的水深が深い地点へ墜落したため、調査官らは管制官への聴き取り調査をまず行った。担当管制官は当時の気象条件は問題なく、管制のやり取りにも異変はなかったことを証言した。ただMaydayの発信もないまま6,000fpmもの急降下で墜落したことをレーダー画面のデータ・プロファイルで示した。事故機の残骸で操縦系統、特に水平尾翼を制御するジャッキ・スクリューに異常がなかったことも確認された。
CVRの分析では、副操縦士が失速していると叫んでいたが、残骸からは水面に高速で衝突している点でつじつまが合わなかった。墜落現場近くの刑務所に設置された監視カメラに墜落までの5秒間が映っていたが、機首を大きく下げて高速で墜落していたことが確認された。機内の積み荷が動いて機体の重心が突然動いたため、失速から機首下げに大きく変動したことも想定されたが、積み荷の固定状況を書類審査したところ、その可能性はなくなった。
その後、FDRも水中から回収され、事故直前には279ktと失速速度の2倍のスピードが出ていて、機首が18°下を向いていたことが判明した。つまり副操縦士が、失速していないのに失速と誤認して、大きく機首を下げたことが事故につながったと推測された。
FDRを更に解析すると、その時点でgo-aroundモードが入っていたことが判明した。CVRではgo-aroundのコールはなく、知らぬ間にスイッチが作動した可能性があった。調査官らは同型機でスイッチの配置を確認すると、右席でエアブレーキを操作する際に、go-aroundスイッチが近接しているために、知らぬ間に左手が触れてしまう恐れがあった。この副操縦士のSNS画像を見ると、大きな腕時計を左手にしており、腕時計がgo-aroundスイッチに触れていた可能性が考えられた。
このような状況からFDRに残されたデータを総合すると、副操縦士が知らぬ間にgo-aroundスイッチに触れて機種が上向きとなり、慌てた副操縦士が失速と勘違いして操縦桿を大きく押し込んで機首下げし、急降下したことが考えられた。雲中飛行していた空間識失調に陥っていた可能性が推測された。
調査官らは機長と副操縦士の航空身体検査結果を調べると、二人とも心身に異常は指摘されていなかった。しかし訓練記録を調べると、副操縦士は以前からconfidence problemが指摘されていて、口頭試験や正常運航の手順など基本的な事項で不合格を繰り返していたことが判明した。Atlas航空へ入社するまでの2008年から9年間で6社を渡り歩いていた。直近に所属していたAir Wisconsin、Trans States、MESAの各社で受けた訓練評価は、Atlas航空へ伝わっていなかった。
NTSBは、B767型機のスピードブレーキの位置をgo-aroundスイッチから離すこと。操縦士の過去の飛行訓練記録を、データベースとして航空会社間で共有できるようにすることを勧告した。

コメント(3)

どんな仕事でも、業務内容に自信がない人がいます。パイロットの場合も同様で、自信がないまま操縦していると、本来もっている能力や経験が不安感で圧し潰されてしまい、時に壊滅的なパフォーマンスになってしまう事があります。この副操縦士の場合、37歳で墜落事故を起こすまで自信を付けてくれるメンターに出会えなかったことが最大の不幸だったと思います。航空機の操縦技術はF1レイシングカーの運転とは違って、適切な訓練と経験を積めば必ず上手に出来るようになるものなのです。こういう操縦士が機長になると、今度は副操縦士に対して傲慢になって、United Expressの墜落事故のようになるのです。
chanky metal watch(ゴッツイ金の腕時計)を付けていたのは、そんな自信のなさを補ってくれるアクセサリーだったのかも知れません。そんな心の支えが知らぬ間に必要のないスイッチを入れてパニックに陥ったのです。神にご加護を乞うたものの叶いませんでした。彼は最期まで見放されてしまった訳で、実に可哀そうな話です。
Ricky Blakely機長(Niel Girvan)とConrad Aska副操縦士(Michael Brown)は、事故に至るまでの操縦室内の様子を、それぞれの心理状態までよく表していた。

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