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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのTYPHOON TAKEOFF Singapore航空6便 離陸失敗事故

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2000年10月31日、台風Jansen接近中の台北の中正国際空港から離陸を試みようとしていたSingapore発Los Angeles行きSIA6便(Boeing747-400型機、Tropical Megatop塗装機)は、Fong Chee Kong機長とLatiff Cyrano副操縦士の操縦で、乗員乗客179名を搭乗させてRwy05Lへ向けて離陸滑走していた。15:02時点の風向風速は020°より24kt、G43ktと暴風が吹き荒れており、同機の運航では横風30kt超では離陸できないこととなっていた。
15:15管制塔より風向風速が020°25kt、Gust<50ktとの報告を受け、Fong機長は離陸を決断し、290km/hrまで増速した際、右翼へ何かがぶつかって出火し、機体はスピンして破断。乗員は乗客に対して退避を命じ、乗員らは緊急時の手順もそこそこに機外へ脱出した。83名が死亡し、71名が重軽傷を負った。
台湾航空機事故委員会(ASC)のThomas Wang調査官は、まず台風の暴風で機体が滑走路から逸脱したと想像した。生存した3名の乗員へ問質したところ、機長は「何かが滑走路上にあり、操縦桿を引いて回避しようとした」と答えた。実地検分では、機体の残骸はB747の1機のみであった。
同空港にはRwy6、5R、5Lの3本があるが、当時5Rは工事中で、事故機のタイヤ痕から5Rより離陸しようとした可能性があった。機体後部のblack boxは、殆ど損傷なく回収された。
機長はRwy 5Rが工事中であるとの文書を受け取っているとし、他の2名と共にRwy05Lから離陸しようとしたと主張した。但し、予備役のNg Kheng Len機長は、視程が600mしかなかったこと、taxi経路を変更されたことを伝えた。調査官らは実機で同じ経路をtaxiしてみたところ、滑走路5Rの表示はよく見えたが、滑走路上に緑色灯火が点灯していた。
CVRでtaxi中の会話を解析したところ、混乱した様子はなく、9ktで慎重にtaxiしていたことも確認された。しかし事故機が滑走路端で正対した際に、副操縦士がILS LocalizerがRwy 5Lにあっていないことを機長へ進言したが、機長は取り合わなかった。
事故発生当時の風向風速は020°から28kt、突風50ktであったが、Ng機長が横風成分<30ktを計算して確認し、確証バイアスに陥った機長は離陸操作に入ったものと結論づけられた。
機体は80ktを超えV1に達していたが、機長が懸命に操縦桿を引き上げたものの、工事用コンクリートブロックに衝突し、バランスを崩してクレーン車に衝突して墜落したものと結論づけられた。

コメント(3)

台風接近中の僅かな間隙を縫って離陸を試みようとしていた機長は、副操縦士がlocalizerの指示が合っていないことを指摘されるも、離陸することに執着して却下してしまったことが大事故の分かれ目になってしまった。このような状況では、「localizerが会合していない」と伝えるのではなく、「Runway05Rに誤侵入している可能性がある」とより直截的な伝え方をしないと、確証バイアスに陥っている機長には取り入って貰えないのだろう。
Fong Chee Kong機長(Richard Tse)とLatiff Cyrano副操縦士(Jonde Leon)それに予備役のNg Kheng Len機長(Richard Lee)は事故の状況を彷彿とさせる好演だった。因みに、これまで無事故を誇っていたSingapore航空の評判は、この事故を境に失墜し、機長は失職した。
航空機事故の座席位置からみた死亡率は、通常機首に近いセクションの方が高いものだが、この事故では前方49%、中央56%、後方69%と逆であった。また窓側より通路側の方が生存率が高かったという。これは事故の衝撃によるものではなく、太平洋横断用の大量のジェット燃料による焼死や窒息死であったためと考えられた。

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