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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのTURBOPROP TERROR American Eagle 3379便着陸失敗事故

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1994年12月13日、American Eagle 3379便(BAe Jet Stream32型機)は米国N.Carolina州Greensboro空港からRaleigh-Durham空港へ向けて6pm過ぎに18名の乗客を乗せて離陸した。
Mike Hills機長29歳とMatthew Sailor副操縦士25歳は、Sailor操縦士がMiami基地所属で応援乗務であったため、初めてのペア乗務となった。
目的地の視程は2SMと低下しており、先行するUA1402便(B727型機)の後方乱気流に注意しながらの降下となった。地上の風010°/8ktで、管制塔からRwy 05Lへ着陸許可が降りたので、propレバーをfull forwardへ押して300fpmで降下を続けた。着陸数分前に突如イグニッションに異常を知らせるIGN灯が赤く点灯し、Hills機長は左エンジンが停止したのか?と想像したが、着陸続行をコールした。その数秒後1,500AGLの時点で着陸復行することに変更。着陸やり直しの手順を打ち合わせている間に機速が低下した。機長が右スロットルを全開とした直後、1,400AGLで失速を警報するshakerが作動し、副操縦士が機首を下げるようアドバイスした。機体は左へ傾いて立て直せず、遂には90°左へ旋回しながら滑走路4NM手前の木立の中へ墜落した。機体は分離炎上して、操縦士2名と乗客13名が死亡した。
NTSBのBob Macintosh、Barry Strauch調査官らは実地検分で降着装置が展開され、フラップは着陸態勢にセットされているのを確認。プロペラが前方にひしゃげており、墜落時に回転していたと判定した。UA1404便との垂直パスは600ft超離れており、後方乱気流の影響は否定された。先行機からicingの報告があったので、事故機のCVRからエンジン音の波形解析を試みた。ウワァン、ウワァン、と唸るようなblade-passing revolution soundから、throttle idle下のengine torqueが低い状態で、prop forwardにしてプロペラ回転数を上げる操作を行うと、negative torque状態が発生し、IGN灯が点灯することをBAe社の実験設備で確認した。missed approachの手順を検証すると、gear-up、flaps-up 10°を怠っていた。同社のテストパイロットがシミュレータで飛行状況を再現したところ、この状態で右スロットルを全開にすると、機体が左へ傾斜して墜落した。
乗員の飛行経歴を調べると、Hills機長 (総飛行時間3,499hrうちターボ時間2,294hr)とSailor副操縦士の経歴(総飛行時間3,452hrうちターボ時間677hr)とまずまずであったが、機長は片肺エンジンでの着陸復行が不適格で、Com Airを解雇されていた。その後、同便を運航するFlagship Airに採用されたが、両社間で本人の飛行経歴が共有されることはなかった。同僚パイロットからの聴き取り調査は、問題があるパイロットとか、操縦操作でtunnel visionに陥るとの指摘があり、同乗するのを拒絶する者もいたという。
事故報告書では、これら乗員の情報共有不備の問題が指摘されたが、航空会社間でエアマンの飛行経歴が共有されるべきとの勧告はなされなかった。しかし同様な原因による航空機事故が1988年、90年、93年と続いていたことを鑑み、1996年に連邦航空法で情報共有すべきことが規定された。


コメント(2)

1994年1月に発生したUnited Express 6291便の着陸失敗事故に類似した、ヒューマンエラーによる残念な事故。機長の操縦能力に問題がありながら、会社の杜撰な運航管理によって事故の芽が摘み取られることなく事故に至ったという内容。当時の米国の中小航空会社は、厳しい競争の中で機材増大を進めていたため、相対的な乗員不足に悩まされていた。一部の乗員に操縦技術や人格に問題があることを知りながら、最低限パスすれば良いだろうというexpectation biasがあり、事故発生を許したと云える。つまりは乗員にも会社にも問題があった訳で、Flagshi Airlinesは事故の25日後にRaleigh-Durham基地が閉鎖され、1998年にはSimmons航空とWing West航空に合併されて消滅した。
Mike Hills機長とMatthew Sailor副操縦士は総飛行時間が殆ど一緒ながら、Sailorの同型機による飛行時間が僅少であった。そのことから同世代パイロット同士によるCrew Resource Managementがうまく作用しなかったのかも知れない。そのような関係を機長(Michael Grzejsczak)と副操縦士(Ian Rayburn)役が微妙に演じていた。

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