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めがね または数学コミュの◎ 高校・数学A

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写真は何の関係もないながら、映画「マダムと泥棒」より

コメント(4)

『高校数学A』では、まず「集合」と「順列・組合せ」をやって、それらの考えを使って「確率」をうまく求めていく、という事があります

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

『順列』 nPr : n 個のものの中から r 個を選び、それを横に 1列に並べる方法の総数
『 n の階乗』 n ! :nPn のことで、 n 個のものを横に 1列に並べる方法の総数
『組合せ』 nCr : n 個のものの中から r 個を選ぶ方法の総数

 まず n ! について、例えば
    3 ! = 3×2×1 = 6 ,  4 ! = 4×3×2×1 = 24
 のように計算され、一般に

   n ! = n×( n -1 )×( n -2 )× ... ×2×1 □

■■■■■■

 次に nPr については、例えば
    5P2 = 5×4 = 20 , 7P3 = 7×6×5 = 210 , 9P4 = 9×8×7×6 = 3024
 のように計算され、公式として書くなら

    nPr = n×( n -1 )× ... ×( n -r +1 ) = n ! / ( n -r ) ! □

■■■■■■

  nCr については、例えば
    5C2 = ( 5×4 )/ ( 2×1 ) = 20/ 2 = 10 ,
    7C3 = ( 7×6×5 )/ ( 3×2×1 ) = 210 /6 = 35 ,
    9C4 = ( 9×8×7×6 )/ ( 4×3×2×1 ) = 3024/ 24 = 126
のように計算され、公式としては

    nCr = nPr / r ! = n ! / { r ! ×( n -r ) ! } □ 

◇◇◇◇◇◇◇

上の最後の式で r を n -r で取り替えることで
    nC( n -r ) = n ! / {( n -r ) ! × r ! }
         = n ! / { r ! ×( n -r ) ! } = nCr
 つまり

    nC( n -r ) = nCr (★)

 が成り立ち、これは『組合せ』の計算を簡単にするために使われる。
 例えば 8C6 を計算するとき
    8C6 = 8P6 / 6 ! = ( 8×7×6×5×4×3 )/ ( 6×5×4×3×2×1 )
 と考えていては煩雑になるため、(★)を使って
    8C6 = 8C( 8 -6 ) = 8C2 = ( 8×7 )/ ( 2×1 ) = 56/ 2 = 28
 のように計算すると良い。
問い:10本のバラを A , B , C の三人に、以下の条件で(10本すべてを)分けるとき、分け方の総数をそれぞれ求めよ。
(1) A , B , C のうち、1本ももらえない人がいてもよい。
(2) A , B , C 三人とも、少なくとも 1本はもらう。

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

とりあえずバラを○で表してみる。

 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○   ( 10本のバラ)

これを3人に分けることを考えて、縦棒 | を2 本入れる。例えば

 ○ ○ ○ | ○ ○ ○ ○ ○ | ○ ○  

のように書くと、左から3つ、5つ、2つに分かれていて
バラを A に3本、B に 5本、C に 2本分けられている状態だと考える。
また2本の|で分けられた3つの○のグループを左から A , B , C のバラの本数を表すと決めておくと、バラのどんな分け方に対しても、2本の|の入れ方はただ1つ決まる。

 そこでこうした2本の|の入れ方の総数を数えればよいことになるが
ただ問いの (1) のように、バラを1本ももらえない人がいてもよいとなると

 ○ ○ ○ ○||○ ○ ○ ○ ○ ○

のような場合も考えなくてはならず、これも数えようとすると、結構面倒になってくる。

 これについてはうまい数え方が知られていて、○ が 10個、|が 2本で
計 10 + 2 = 12個の「もの」があると考えておいて、それを□で表すことにすると

 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □   ( 12個の □ )

この14個のうち 2つを指定し、それらを黒色にすることにすると、例えば

 □ □ □ ■ □ □ □ □ □ ■ □ □  

としたとき、A が 3本、B が 5本、C が 2本バラが分けられている状態になる。
この方法だと

 □ □ □ □ ■ ■ □ □ □ □ □ □ □

のような状況も数えやすくなる。つまり 12個のものから 2個 選ぶ『組合せ』の総数を数えればよいので

 12C2 = ( 12×11 )/ ( 2×1 ) = 66(通り)

という答えになる




 
(2) の、10本のバラを「A , B , C の3人とも、少なくとも 1本はもらう」という分け方だと

 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

に縦棒|を2本入れるとしても、同じ場所に 2本並んで入るという事はないのだから

 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
  ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^

と各バラの間を表す 9つの ^ から 2つを選べばよいことが分かる。
その選び方の総数は

 9C2 = ( 9×8 )/ ( 2×1 ) = 36(通り)

が答えとなる。

!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

 しかしボリュームのある問題集を持たされて、試験前に覚えることが多くて頭がいっぱいいっぱいになっている生徒は、せっかく上の (1) のような解法を骨を折って覚えたのに、(2)でまた別の解き方なんて考えたくない、という気持ちにもなるようだ。

 そうした生徒が「では (2)では、A , B , C の3人は最初からバラを1本ずつ持っていることにしましょう」と言ってきた。
 つまり、10本のバラのうちの3本を、A , B , C に最初に1本ずつ持たせて、残っている7本を改めて3人に分配しようというので、この7本からの分配だと A , B , C のうち改めてもらわない人がいても、その人は「すでに1本持っている」ことになって題意に沿っていて、(1)と同じ解き方ができる
。今度は 7本のバラだから

 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○  (7個)

に(1)と同じ要領で 2本の縦棒|を入れる。
7 個の○と2本の縦棒|があるから、7+2 = 9個の場所 □ を用意して

 □ □ □ □ □ □ □ □ □  (9個)

の中から2つ指定し、そこを2本の縦棒の位置と考えればよいいから

 9C2 = ( 9×8 )/ ( 2×1 ) = 36(通り)

と、正しい答えが出る。

!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

 しかし「バラ」のような具体的なものは問題文には出てこない

問い2
 x , y , z は整数とし
 
  x + y + z = 10

を満たすとき、次の条件下での ( x , y , z ) の組の総数を求めよ。
(1) x ≧ 0 , y ≧ 0 , z ≧ 0
(2) x >0 , y >0 , z >0

のような問題になるとどうなのか。これは上の 10本のバラの問題と、問われている内容は全く同じで、A , B , C がもらうバラの本数がそれぞれ x , y , z になったのである。

(1)はバラの問題と同じように考えて、2本の縦棒|を考え、10 + 2 = 12 から

  12C2 = ( 12×11 )/ ( 2×1 ) = 66(組)
  
 が答えでよい。

しかし(2)で 3本のバラを3人に最初に 1本ずつ渡す、ということはここではどうなるのか。

 それをここでやるとすると
 
 x + y + z = 10 を

 ( x - 1 ) + ( y - 1 )+ ( z - 1 ) = 7  (#)

と変形し、(2) では「 x >0 , y >0 , z >0 」という条件だが、x , y , z は整数だから、この条件は

 x ≧ 1 , y ≧ 1 , z ≧ 1

と同じである。これはさらに

 x - 1 ≧ 0 , y - 1 ≧ 0 , z - 1 ≧ 0 (##)

と書き換えられる。(#)と(##)を併せて見て、7個のものと 2本の縦棒|を想定し
計 7 + 2 = 9 から

 9C2 = ( 9×8 )/ ( 2×1 ) = 36(通り)

と答えが求められる。

◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇ー◇

しかしバラの問題 (1)(2) を考えるのに既にいっぱいいっぱいの状態だと、問い2の
「 x + y + z = 10 」を「 ( x - 1 ) + ( y - 1 )+ ( z - 1 ) = 7 」のように変形するのは困難に感じるようで、またバラのほうの(2)では「まず A , B , C が 1本ずつもらう」だったのに、こちらでは「 ( x - 1 ) + ( y - 1 )+ ( z - 1 ) 」のように「 ー1」が出現しているのがどうも腑に落ちない。

「結局(2)のような問題はどう解けばいいんだ」と困惑していたから、「どういう方法が一番良いのかはその時の状況による」と伝えたが、あまりに多くの問題の解法を短期間に教えられている身としては、頭の中を整理するためにも問題の対処法をパターン化しておきたい、という気持ちにもなるようだ。



 しかし大学受験が迫っている場合はやむないとしても、決まったパターンを覚えればよいとか、うまく作戦を立てれば良い結果が出せるなどということはあまり言いたくない。実際にそんな攻略法はどこにもないのである。

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