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めがね または数学コミュの〇複素関数論

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函数論、関数論などとも呼ばれますが、自然科学・工学でも広く応用されているため、〇印のトピックとしました。この分野に思い出などあるかたはどうぞ

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*
 少しまとめてみたのですが 誤りなど指摘していただけると幸いです

 おかしな記法ながら、表示上の制約から
 複素数全体の集合を CC, 実数全体の集合を RRで表す。
 
 複素数 z に複素数 w を対応させる関数

  w = f (z)

を考える。f は複素平面 CC上 の領域 D で定義されているとする。
(細かいことながら「領域」とは弧状連結な開集合のこと)

 α ∈ D に対して、値

 lim [ z→α ] { ( f (z) -f (α) )/ ( z -α ) }  (☆)

が存在するとき、f (z) は点 z = α で微分可能であるといい、(☆)の値を f '(α) と表す。
f (z)が Dのどの点でも微分可能であるとき、f (z) を Dで正則な関数という

■ f (z) を領域 D で正則な関数とする
 D の閉曲線 C があり、C の内部は Dの点だけからなっているとき
・C に沿う f (z) の複素積分は

 ∫c f (z) dz = 0   (コーシーの積分定理)
 
・また C の内部の点 zについて

 f (z) = ( 1/2πi ) ∫c f ( ζ )/ ( ζ -z ) dζ (コーシーの積分公式)

■ f (z) が Dで正則のとき、D の点 β に対し、β のある近傍の点 z により

 f (z) = a_0 + a_1 ( z -β )+ a_2 ( z -β )^2 + a_3 ( z -β )^3+ ...

とテイラー展開され、a_m = ( 1/2πi ) ∫c f ( ζ )/ ( ζ - z ) ^( m +1) dζ .

■今 g (z) が 0 < | z -γ | < r において正則、| z -γ | < r で正則でないとすると
(つまり g (z) は z = γ においては微分可能でないとき)
 円周 Γ : | z -γ | = r に対して

 g (z) = Σ [ from k = 1 to ∞ ] a_(-k ) /( z -γ )^k
     + a_0 + a_1 ( z -γ )+ a_2 ( z -γ )^2 + ...

と「ローラン展開」され、a_m = ( 1/2πi ) ∫Γ g ( ζ )/ ( ζ -z ) ^( m +1) dζ .
とくに a_(-1 ) = ( 1/2πi ) ∫Γ g ( ζ ) dζ は g (z) の γ における留数とよばれ、
これを Res ( γ ) と書き、関数の定積分の計算にしばしば利用される。

 たとえば g (z) が γ_1, ... , γ_n を極に持っていたとすると、それらを内部に含む大きな閉曲線 C を取ると

 ∫C g(z) dz = 2π i Res ( γ_1 ) + ... + 2π i Res ( γ_n )

コメント(2)

大学院の入試に出ると聞かされていたので、その頃は熱心に勉強し
(試験に通ってからじきに出来なくなりましたが汗)
たとえば

 ∫ [ from x = 0 to ∞] { 1/ ( x^4 + 1 )} dx

のような、実数の範囲の積分でも、関数 1/ ( x^4 + 1 ) を実数の範囲でだけ見ていたのではなかなか上手くいかず困るようなとき

 x を複素数の範囲をも動く複素関数 1/ ( z^4 + 1 ) で考えてみるとこの場合上手く計算できる、という例です(神保道夫『複素関数入門』岩波書店、より)

 f (z) = 1/ ( z^4 + 1 ) とおき
[1] の図のように、実軸上 -R から R まで進む経路を C1 ,
R から 0 を中心に半径 R の半円を描いて-R まで戻る経路を C2
として、C1, C2 の順に進む閉曲線上で f (z) を積分する :

 f (z) の極、つまり z^4 + 1 = 0 となる z は、 ω = e^(πi/4) として
 ω、ω^(-1), -ω , -ω^(-1)  (*)
の4つで、このうち実軸の上にあるのは ω と-ω^(-1) の2つで、
上の閉曲線がこの2つを含むように R はあらかじめおおきくとっておく。

 すると C1, C2 の順に沿った f (z) の積分は、留数の性質から

 ∫c1 f (z) dz + ∫c2 f (z) dz = 2πi Res (ω) + 2πi Res (-ω^(-1)) (**)

となるはずである。左辺の第1項は R → ∞ のとき

 ∫c1 f (z) dz = 2 ∫ [ from x = 0 to R] { 1/ ( 1+ x^4 )} dx (∵ f は偶関数)
       → 2 ∫ [ from x = 0 to ∞ ] { 1/ ( 1+ x^4 )} dx

(**)の左辺の第2項は、z = R e^(iθ) とおけて
 dz/dθ = iR e^(iθ) に注意すると

 ∫c2 f (z) dz = ∫ [ from θ= 0 to π] [ iR e^(iθ) / {R^4・e^(4iθ) + 1 }] dθ

 絶対値を取ると

 | ∫c2 f (z) dz |
 ≦∫ [ from θ= 0 to π] | iR e^(iθ) / {R^4・e^(4iθ) + 1 }| dθ
 ≦ ∫ [ from θ= 0 to π] { R / ( R^4 -1 )} dθ
 = { R / ( R^4 -1 )}π
 → 0 ( R → ∞ )

(**)の右辺については、このときの留数は
 Res (ω) = lim [ z →ω] ( z -ω) f (z) = -ω/ 4,
 Res (-ω^(-1)) = lim [ z → -ω^(-1)] = ω^(-1)/4
と計算できて
結局(**)の右辺は

 2πi (-ω/ 4 + ω^(-1)/4 ) = π/√2 (ア)

R → ∞ のとき(**)の左辺は

 2 ∫ [ from x = 0 to ∞ ] { 1/ ( 1+ x^4 )} dx (イ)

に等しいので、(ア)と(イ)を見比べて、求めたかった値は

 ∫ [ from x = 0 to ∞ ] { 1/ ( 1+ x^4 )} dx = π/ 2√2


■すみません読むのしんどいですよね
「留数定理を使えば [1] の図から計算できる」とだけ言えばいい話かも知れません

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