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芝田進午の人類生存思想と現実コミュの「7月に85%接種完了」は「絵に描いた餅」 たられば調査のカラクリ

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毎日新聞 2021/5/21 06:00

記者会見する菅義偉首相=首相官邸で2021年5月7日午後7時25分(代表撮影)
 新型コロナウイルスワクチンを巡り、菅義偉首相が目標として掲げる7月末までの高齢者接種の完了について、政府は全国自治体の約85%が「7月末に完了できる」とする調査結果を12日に公表した。しかし、この数字には「たられば」の前提を積み重ねたからくりがあり、国や自治体に取材すると、現状と乖離(かいり)している実態が浮かんだ。菅政権は東京オリンピックや衆院選を間近に控え7月末の完了に躍起だが、接種の現場を担う自治体からは「このままでは絵に描いた餅」との声も漏れる。

「体制さえ組めば」の調査
 「接種をできるような体制さえ組めば、全て(の市町村で)7月末までには終えることができる」。菅首相は7日の記者会見でこう述べた。この「体制さえ組めば」というのがポイントだ。菅首相はこの会見で全国1741市区町村のうち約1000自治体が7月末に完了できるとの報告内容を示し、聞き取り調査をしている段階だとした。約1000自治体は4月下旬段階の数字で全体の57%にとどまる。だが、政府が12日に発表した調査結果は85・6%にあたる1490自治体まで膨れ上がった。


札幌市で5月19日から始まった高齢者向け新型コロナワクチンの接種予約に並ぶ高齢者ら=勤医協もみじ台内科診療所提供拡大
札幌市で5月19日から始まった高齢者向け新型コロナワクチンの接種予約に並ぶ高齢者ら=勤医協もみじ台内科診療所提供
 北海道では、その割合が20ポイントアップした。毎日新聞が関係者から入手した文書によると、道の担当部局は10日、4月下旬段階の状況として全179市町村のうち57%にあたる102市町村が7月末完了見込みだと道議会自民党会派に示した。しかし、鈴木直道知事が13日の臨時道議会で明らかにしたのは77%にあたる139市町村の完了見通しだった。その際、鈴木知事は「医療従事者の不足やワクチン配送スケジュールが明確になっているという前提で」と補足した。ここにからくりがある。

 政府は各都道府県を通じた全国市町村への調査で、「7月末完了」と答えた自治体の中に「ワクチン配布が予定通りだったら」「接種を担当する医療従事者を確保できれば」といった条件付きの回答もカウントしている。調査の関係者によると、4月下旬に「ワクチン接種地方支援本部」を設置した総務省は、職員が全国の市町村の首長らに直接電話をかけ、こうした条件付きの回答を促していた。道の担当者も「自治体に課題を整理し、再考するようアドバイスした結果、増えた」と話す。


 総務省と調査を進めた厚生労働省の職員は「『現時点で確定していなくてもいい』という条件で計画を作成してもらっている。例えば『医療従事者があと何人いれば7月末に完了できる』という自治体があれば『完了』にカウントしている。国としても医療従事者の派遣などに関し『何かしら支援する』と伝えている」と明かした。だが、具体的な支援をその場で確約しているわけではないという。

自治体「計画は無謀」「信じられない」
5月24日から始まる高齢者向け新型コロナワクチン接種の予約の電話を受け取る診療所スタッフ。19日は朝から夕方まで予約の電話が鳴り響いていた=札幌市厚別区の勤医協もみじ台内科診療所で2021年5月19日午後4時32分、土谷純一撮影拡大
5月24日から始まる高齢者向け新型コロナワクチン接種の予約の電話を受け取る診療所スタッフ。19日は朝から夕方まで予約の電話が鳴り響いていた=札幌市厚別区の勤医協もみじ台内科診療所で2021年5月19日午後4時32分、土谷純一撮影
 実際、北海道第2の都市、旭川市には総務省職員から複数回電話があり、医療従事者不足を理由に7月中の完了は難しいとする市側に対し、医師の派遣など体制強化の提案があったという。市は8〜10人程度の派遣があれば8月中に完了できると伝えたが「分かりました」と言うだけで、「派遣されるかどうかや具体的な時期については何も決まらなかった」(市担当者)。


 札幌市は当初、完了時期を8月末と見込み接種計画を立てていたが、政府の調査に「医療従事者が確保できれば」との条件付きで「7月末までに完了」と当初計画を繰り上げる形で回答した。しかし、市内では13日に過去最多となる新規感染者499人が確認され、病床使用率が100%近くに迫るなど医療提供体制は非常事態で、ワクチン接種を担う医療従事者を市単独で確保するのは難しい状況にある。

 他県でも同様の事態が起きている。静岡市は当初、完了時期を8月中旬と見込んでいたが、国の要請を受けて7月末に前倒しすることを決定。ただ、医療従事者を確保できておらず、田辺信宏市長は14日の記者会見で「マンパワー」を課題に挙げた。


 群馬県渋川市は7月末までに終える見通しを示しているが、高木勉市長は「ワクチンがいつ、どのくらい供給されるかが分からない。7月末の完了はワクチンが平準化し、きちんと供給されるという見通しが前提」と話す。医療従事者の確保とスケジュールの明確化は、接種を担う各自治体にとって重大な要素だが、政府の調査はこれらを棚上げする形で上積みされていた。ただ、政府は「自治体に課題を率直に話してもらうため非公表を前提に調査した」などとして条件付きの回答をした自治体数を明らかにしておらず、どの程度上積みされたかは不明だ。

 ある自治体の担当者は「国は現場のことを何も分かっていない。ワクチンの供給や人員の確保、予約状況など全てがうまくいくという前提での計画は無謀だ。全国の85%が7月中に終わらせるなんて信じられない。全国同時に医療従事者を派遣でもしない限りあり得ない」と憤る。

 秋田県の佐竹敬久知事も13日、政府の調査で7月末までの完了が県内56%と全都道府県で最低だったことに「あれが正直(な数字)」と発言。国側から圧力があったといい「『何でもいいから7月だ』と。ひどいよ。めちゃくちゃだ。上に報告するのに、何でもいいからまず7月だって。(要するに)総理の顔を立てろということだ」と不満をあらわにした。

 一方、加藤勝信官房長官は19日の記者会見で「大事なことは、いかに接種体制を構築し、(ワクチンを)打てる人をどう確保していくかだ。迅速かつ効率的な人材確保が確実に行われるよう、自治体と調整を行っていきたい」と話した。厚労省は歯科医師による接種を認めており、河野太郎行政改革担当相は18日の会見で薬剤師にも注射行為を認める案について「検討の対象になる」と述べ、マンパワー不足を補おうと必死だ。

 首相官邸によると、全国の高齢者約3550万人のうち、18日時点で、接種を完了したのは3・5%にあたる約125万人。2回目を終えたのは0・3%の約10万人。【米山淳、源馬のぞみ】

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