ダイアおばちゃんの営業日誌コミュの○○年１月９日(晴)

記入者、あたし。

今日は久々に晴れた。さっそくリタを引き連れ、市場で買い物。

あれこれ調味料とやらを買い込んでたな。みんな荷物はあたしが持つんだ。別に構わんが、そう沢山種類を買われても、あたしの腕は２本しか無いことも忘れんでおくれ。

美味そうな鶏肉があったから、沢山買い込んだら店のオヤジが店まで届けてくれるってさ。いい奴だね。これからはここで肉を買おう。

ん？そういえばあいつを忘れてたな。無しのつぶての馬鹿ドバ野郎。もうほっとくしかないね。

店に帰ったら店前にガキが１匹ちょろちょろと。どこのガキだい？と聞いたらあっちとしか答えない。どうやら人間の子らしいね。リタが色々優しく聞いてたが、落ち着きの無いガキなど、人間だろうがドワーフだろうが、がつんと言わないとあちこち沸いて出るぞ。

何だか知らないが、腹を空かせてるらしい。どうせ親なんてあちこちほっつき歩いて躾すらしてないんだろ？ほっとけとリタに言ったが、なんか食べさせてあげましょうよとさっさと店内に入れちまった。どうでもいいがこんなガキからも飯代ぶん取るつもりなんかね？だとすればリタって子は相当“やり手”さね。血も涙も無いな。

ちょうどさっきの鶏肉も届いたことだし、この猪鹿亭初のお客さんにしましょう！とリタが言うので、あんたが作るなら任せるよと言ったら、目を輝かせて喜んだリタ。喜ぶのはいいが、こいつからも餌代取る気かい？と聞いたら、冗談言わないでと笑って返された。金を出すのはあたしだぞって呟いたら、ダイアおばちゃん的には店のメニューの実験台になるから得してるわよ？ってさ。しっかりしてるよ。

しかし。タダ飯はガキの為にはならんとあたしは２階の廊下の雑巾がけを命じたら、クソガキ生意気にもそっぽを向きおったから、がつんと拳骨喰らわせようとしたらリタに止められた。まぁ勝手にしておくれと匙を投げたあたし。でもリタが諭したらしく、素直に拭いていたわ。

やがて店内に漂う良い匂い。腹の虫が鳴いたと思ったらガキの方だった。まあ、腹ペコの気持ちはよく分かるから、ニヤリと笑ったらガキも返してきた。ま、そういうこともあるさ。

出来た料理は鶏肉をキャベツで巻いたなんたら煮付け。舌を噛みそうな名前をリタは言ったが、エルフ言葉みたいな軽薄な名前は要らないね。肉巻きキャベツでいいじゃないかと言ったら、逆だとさ。ふん。

腹ペコ小僧は汗水足らして口にかっ込んでる。意地汚いなと思いつつ、あたしもガツガツ食っちまった。あ～美味かった。

これ猪や鹿肉ならもっと美味いかもね。あたし的にはもっとがつんとした方が好みだけど、柔い人間にはこれくらいがちょうどいいからかもね。

あ、ビール飲むの忘れてた。明日飲もう。