映画評コミュの座頭市　

1989年…日本

監督…勝新太郎

cast…勝新太郎　

おすすめ度…★★★☆☆

勝新太郎最後の座頭市で監督脚本もしてる。今現在日本でソフトが売ってない見たいだけどまぁ座頭市は海外では凄い人気だから海外で売ってて当然だと思います。
　勝新太郎の息子も結構いい役で出ててこれを機にビックになっても良かったのにと個人的には思う。
　castは樋口可南子と陣内孝則、内田裕也、ジョー山中、安岡力也のロックンロール軍団と片岡鶴太郎、緒方拳etcと豪華です。
　話はヤクザ時代劇でボンで儲かり過ぎた座頭市がそこの一家に狙われて悪い役人を座頭市が殺してヤクザ同士が抗争してお互いに潰しあって…若い親分の一家が古い内田裕也親分率いる赤べえ一家が仕掛けて来るのを察知して先に殴り込みを掛けて結果赤べえ一家も若親分の一家も悪いお役人さんも座頭市に成敗されて村人は大喜びだけどまた新しい樋口可南子親分率いるヤクザが乗り込んで来るみたいな感じかなぁなんか良く分からないけどこんな感じだと思います。
結局ヤクザはなくならないってアイロニーを伝えたかったのかなぁ勝先生はとも私には感じました。
　時代劇でも内田裕也もジョー山中もなんの違和感なく見せてる何処とどこにセットを組んだかは知らないけど江戸時代の街並みみたく見えました。（本物見たことないけど）東映の太秦が学芸会のセットにしか見えない程のセットで色々拘り（いい意味での）が感じられました。随所にお茶目なシーンがあり娯楽時代劇。労働者が仕事終わってから観る映画だと思います。
　撮影時に大部屋の役者が死ぬ事故があったけどヒットしなくて残念だったと思うがしっかりした映画だしヒットしても良かったって言うかヒットして欲しかった映画です。映画が当たらなければ浮かばないから私は是非大ヒットして次の作品もつくって欲しかったです。
　樋口可南子演じる親分の娘？みたく思わせたりもっと深読みさせれば樋口可南子と座頭市の娘？かなぁと思わせるシーンなど如才ない映画で昨日一昨日観た角川映画と勝映画の差を見ました。もちろん勝映画の方が断然上ですがまぁ知見、経験の差がありますから角川映画も今作ればいい映画作れると思います。
多分…昔の映画ってこんな感じが王道だったんだろうと勝手に思います。労働者が仕事終わって一杯ひっかけて後半寝て次また観たりした映画ってこんなのが最高なんだろうと思います。で深慮すると奥が深いけど上っ面だけ理解しても十二分に楽しめるって大衆娯楽映画ってこれが一つのゴール的な映画だと思います。
　おすすめ度は星三つです。
そうそう最後はもう雇われ先の親分も一家も壊滅してるのに義理堅く用心棒の緒方拳は知人であり友人の座頭市を殺りに行きます。男やね。サムライです。
良く考えれば考える程深い映画です。是非2回3回と観て膾炙して下さい。
あっ私は1回観たからもういいです。
それと本物の役者の中に入ると陣内孝則の拙い芝居の粗が良く目立ってます。勝新太郎の息子は拙いどうこうより初々しいお芝居です。本当にこれを踏み台にいい役者になって欲しかったです。別にファンでも知り合いでもありませんが。倉本聰には書けない脚本だし山田洋次には録れない映画です。
勝新太郎にはもっと映画を遺して貰いたかったのとそれをさせなかった世間やマスコミを私は恨みます。