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徹真斎の妄想徒然草子コミュの仮面ライダーD.V.L vol.29

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竜崎龍蔵が喫茶アミーゴを訪れ、大輔達の間にピリピリとした空気が充満していた頃 藤堂博士と一文字隼人はアミーゴの地下メンテナンスルームに居た。
一文字は手術台に横たわり、脇に置かれた椅子にかける藤堂となにやら話していた。
「…つまりこのブラックボックスが駆動系の心臓部ということでしたよね」
「ああ この役立たずの足だけじゃなく便利な両腕もそいつが無いと動かないらしい 前にも話したように一度そいつを外して本郷お手製の駆動回路を取り付けたんだが、足はおろか腕まで動かなくなっちまった」
体内に取り付けられた駆動回路とおぼしきパーツについて一文字は過去に本郷との試行錯誤の中で知り得た情報を伝えていた。
本郷や一文字の体の中には同じ駆動回路が取り付けられている。
そのブラックボックスは本郷の頭脳をもってしても解析不能だったのだ。
一文字は解析の為に己の駆動回路を分解するよう本郷に依頼した。
しかし それを分解する事で回路自体が破損してしまえば一文字の体は現状より酷い状態になってしまう。
もしも仮に回路の解析が出来たとしても果たして複製が可能なのか 更には分解、修復に失敗したら一文字は二度と動けない体になってしまう。
本郷はそれを恐れたのだ。
本郷のIQ600の超天才的頭脳をもってして一文字の脚の快復を不可能と諦めた理由がそこにあった。

「本郷さんのデータを参考に 新たに作成した駆動回路を取り付けました 無論 これまでとは違う経路での… つまり駆動回路を増設したわけですが…」
神妙な面持ちで話す藤堂に一文字が声を掛ける。
「あとは、俺が動けるかどうか か」
「はい 成功していれば普段の生活には困らない程度、あ つまり車椅子が必要なくなるぐらいには回復が見込めるはずです」
「普段の生活には か」
「はい、上手くすれば走れるようになれるかも知れませんが…」
「以前の様に戦う事は不可能… そういうことか」
「はい 恐らくは しかしご心配なく そのことについては対策が」
「お じゃついに完成したのか?!」
「いえ あと少しなんですが… どうも出力がイマイチで…」
「調整が必要ってことか いいだろう この足さえ動けばテストぐらい出来るさ」
一文字の明るい声が藤堂の気持ちを少し楽にさせた。

「あれから、あの電撃解散記者会見から既に2ヶ月… 奴らはおとなしくしている」
眉間にシワを寄せながら喫茶アミーゴのカウンターで滝和也はコーヒーを啜る。
「特に目立った動きは無い と?」
顔をこちらに向けずカップから立ち昇る薫りを楽しみつつ応える本郷に滝は続ける。
「あぁ、無論あれだけの団体だ 解体後の事務的処理や信者のケア、やることは山ほどあるが 犯罪やテロに繋がるような動きは無い」
言い終えてカップのコーヒーを飲み干し、滝は明日香に声を掛ける。
「明日香ちゃん おかわりを頼むよ」
「いいんですか?こんなとこで油売ってて」
セリフとは裏腹な笑顔で明日香は滝のカップにコーヒーを注ぐ。
「日々激務に追われてるんだ たまにはかまわんさ 今言ったように奴らの動きも無い事だし それに樫尾のヤツも毎日ここでサボってるんだろ?」
笑いながらコーヒーのおかわりを受け取る滝の背後で軽やかな鈴の音。
キリンコロンカラーン
「毎日ではないですし、別にサボってるわけじゃないですよ」
仏頂面で樫尾大介が店内に入ってきた。

「海外?」
本郷が眉間にシワを寄せたまま樫尾に聞き返す。
「ええ、まだはっきりしたことはわかりませんが一部の幹部連中がどうやら海外の支部に移るという計画があるようです」
樫尾は使い古した黒い手帳の頁をめくりながら答える。
「どこの国、或いは支部なのかはわかっていません どうやらトップシークレット扱いのようで」
困ったように言う樫尾に本郷が賛辞を送る。
「そのトップシークレット扱いの情報をよく掴めたな」
「いえ まぁ蛇の道は蛇というヤツで…」
右手のボールペンの尻で頭を掻きながら樫尾は言葉を続けた。

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