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徹真斎の妄想徒然草子コミュの仮面ライダーD.V.L vol.20

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ヅーッ! ヅーッ! ヅーッ!
喫茶アミーゴの地下メンテナンスルームで けたたましく鳴り響く警報に一文字隼人は慌ててモニターをチェックする。
赤色のシグナルが明滅して一文字隼人に緊急事態を告げる。
「ふふん やっぱりおいでなすったか」
一言呟いて通信機のスイッチを入れた。
「本郷、樫尾達からの救難信号を傍受したぞ」
すると通信機のスピーカーから本郷猛の返答があった 。
『了解 こちらでもキャッチした これから追跡に入る 』
一呼吸 間をおいて本郷は続けた。
『一文字、さおりをこちらに向かわせてくれ』
「了解だ さおり、救難信号の周波数はアモンに入力してあるな?本郷と合流して追ってくれ」
振り向きながら一文字隼人は背後に立つさおりに指示を出す。
さおりは背筋を正し、最敬礼で応えた。
「ハイッ! 行くよアモン!」
言うが早いかヘルメット片手にアモンに駆け寄る。
「ハイ リョウカイデス」
飛び乗る様にアモンに跨がったさおりはエレベーターに向かった。

「っそいッ! 遅すぎるッ!!」
警視庁の玄関前でミキの苛立ちはピークに達していた 。
「たったあれだけの距離をなにやってんだか…」
左手の腕時計と警視庁前の道路をせわしなく交互に見る口元に舌打ちも出る。
ブルルルル ブルルルル
「ひぁッ!」
突然 胸のポケットに入れていた携帯電話が震える。
公的な会議に出席するという事でマナーモードにしていたのだ。
『アタシだって常識ぐらいわきまえてるし』
とは石倉ミキの言。
「もっしー あ 一文字さん!奴等動き出したんスね! 」
ミキにも事前に発信器の事は伝えてあり、信号追尾用のポータブルナビもミキのバイクに搭載済みであった 。
一文字から連絡が入るという事自体が樫尾達の危機を意味していた。
『どうせお前さんの事だ 勝手に先行して別行動なんだろ?』
「ななな なんで知ってんスか?!」
一文字の鋭い指摘に狼狽を隠せないミキであった。
『フフン だいたいわかるよ ナビの使い方は理解しているな? すぐに追ってくれ』
電話の向こうの一文字の声にミキの表情は輝いた。
「ィよっしゃぁッ! 了解ィ すぐに追い付きまッス!」

地響きの如きエンジンの唸り。
黒地に赤いラインの入った革のジャケット。
フルフェイスのヘルメットから覗く鋭い眼光。
坂田大輔であった。
大輔は50mほど前方の交差点から進入してくる一台の バイクに気付いた。
ー おや?あのマシンはたしか…
大輔はアクセルを開いてスピードを上げた。

ミキは背後に迫る大型バイクに いや その爆音というにはあまりに激し過ぎる爆音に気付いた。
ー あのバイク!アイツ!!
ちらりと覗いたバックミラーに映ったのは あの日 ミキに屈辱を与えたあの男 坂田大輔であった。
ー チッ こんな時でなけりゃリベンジしてやるのにぃぃッ !
ミキは悔しい想いを呑み込んでアクセルを開いた。

「こ… ここは?!」
車が停止したのは 郊外に位置する とある廃工場だった。
樫尾の問いに運転手が小さく答える。
「いつもの廃工場ですよ」
「なんだって?!」
聞き取れなかったのか 聞き返す樫尾であったが 運転手は薄く笑って
「いえ、こちらの事で」
と答えたきり黙ってしまっ た。

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