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徹真斎の妄想徒然草子コミュの仮面ライダーD.V.L vol.13

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キリンコロンカラン
喫茶アミーゴのドアチャイムが鳴り終わるのを待って 樫尾大介は口を開いた。
「やはりここでしたか 」
店内奥側のテーブル席に目を遣る。
「あら いらっしゃい」
明日香の声に微笑み返す樫尾大介であったが 爽やか な"ニッコリ"ではなく どこか下卑た雰囲気のある"ニ ンマリ"であることに本人は気付いていない。
そんな樫尾大介に気付いた藤堂明彦は口に運びかけた コーヒーを置いた。
「これは樫尾さん、もしや例のお話ですか?」
藤堂の正面の席に腰を降ろした樫尾はカウンターの明 日香に向かって
「ホット」
と一言簡潔に注文すると藤堂に向き直った。
「えぇ 先日お話した件について 上の方からのGoがよ うやく出ましてね」
「ほう、では帰ったらデータをまとめておきましょう 」
言い終えて藤堂はコーヒーを啜る。
「いや、それが、ですね… なんと申し上げたものやら …」
樫尾はバツの悪そうな顔で言葉を濁す。
「お待たせしました」
明日香がトレイからホットコーヒーをテーブルに置い た。
「何か問題でも?」
藤堂の怪訝そうな目が樫尾に注がれる。
コーヒーを熱そうに樫尾は一つ啜って続けた。
「これからすぐ研究室の方に行っていただけませんか ね? あ いえ 無論車でお送りしますが…」
しかし藤堂はにこやかな顔を崩さずに答えた。
「おや ずいぶん急なお話ですね えぇまぁ 良いでしょ う まずはうちに寄って頂く事になりますが」
「良かったぁ じゃ善は急げだ コイツを飲んだら行き ましょうか」
そう笑って樫尾はまた一つコーヒーを啜った。

丁度その頃、城南大付属病院の応接室。
そこで二人の男が向かい合う形で小さなテーブルを挟 んでソファーに腰を落としていた。
一方は白衣、結城丈二である。
「うーむ… 生身でこんな数字を叩き出すのか…」
結城は数枚の書類を睨みながら眉間に皺を寄せていた 。
「変身後の本郷さんには及ばないでしょうが… 変身前なら互角、いや 内容によっては凌駕している部分すらある… これがナノマシンの影響によるものなのか… 」
「うむ だからこそ悪の手に渡るような事があっては ならない あの二人は世界の、そして人類の未来なのだ」
結城の対面に座した本郷猛は憂う様な表情で応えた。

「はぁぁぁ〜 だりぃぃぃ 疲れたぁぁぁ」
病院内のカフェでミルクティーのカップを前に石倉ミキはうなだれた。
そんなミキに優しげな眼差しを送りながらさおりが言う。
「でも 体力測定みたいで楽しかったじゃん」
「いやまぁ そーなんだけどさぁ なんつーかこう、どーもアタシ 病院ってトコが苦手なんだよねーなんか消毒臭いっつーか…」
「それはしょーがないよ 病院なんだから」
「デスヨネー」
二人はそんなとりとめの無い話でコロコロと笑っていた。
「よし 待たせたな二人とも」
カフェの入口に本郷の姿を見たさおりとミキは慌てて立ち上がり二人声を揃えた。
「「やっと帰れる〜」」
そんな二人を見ながら本郷はにこやかに答える。
「何を言う?まだ帰らんぞ」
「「えぇぇぇぇ〜」」
声を揃えてあからさまに嫌がる二人を急かして本郷猛はヘルメットをかぶって苦み走った笑みを見せた。
「安心しろ 次は病院じゃない」

「本郷!」
警視庁の玄関で呼び止める声に本郷達が振り向くとそこには滝和也が立っていた。
「わざわざのお出迎えとは御大層だな」
そう言って笑う本郷達三人を促し、警視庁地下の一室に案内した。
警視庁 という言葉が持つ独特の響きにどぎまぎするばかりのさおりとミキであったが この地下の部屋に来ていよいよその緊張はピークに達していた。
「ちょ さおりさおり アタシ達どうなんの?どうなん の?」
「わかんないわよそんなの!袖引っ張んないでよ!」
その時、勢いよくドアが開いた。
「室長 ただいまお連れしまし…あれ?もういらしてたんですか」
樫尾大介が藤堂昭彦を伴って部屋に入って来るなり気の抜けたような声を上げた。
「いや 結城のところが思いの外早く済んだのでな」
本郷の言葉にうなずきながら藤堂は滝に会釈した。
「滝さん 先日はどうも 例の件、うまく行きそうですよ」
「例の件?」
本郷の疑問を待っていたかのように間髪を入れず滝が答えた。
「あぁ お前には話してなかったな 実はさおり君のベ ルトを、いや ベルトのレプリカとでも言うか そいつ を汎用化して量産しようと今 水面下で動いていてな 」
「汎用化?量産だと?」
「はい 警察や自衛隊、或いは消防といった危険を伴う現場で活躍する特殊防護服の開発プロジェクトがあるんですよ」
更なる本郷の疑問に樫尾が答える。
「…」
樫尾の答えに本郷は眉間の皺を深くした。
「で 開発責任者として私が任命されたわけですよ」
胸を張る藤堂を他所に本郷の眉間の皺は浅くならない 。
「ぬぅ… 大丈夫なのか?」
不安な疑問を口にする本郷の肩を滝が笑って叩く。
「心配するな 悪用される様な事は無い これは警視庁内でも一部しか知られていない極秘プロジェクトだからな」
「それに さおりのベルトに比べて1/3ほどのスペッ クに抑えてあります …というか 実のところ 様々な条件の下、それ以上の性能が引き出せなかったわけなんですがね」
申し訳なさそうに頭を掻きながら藤堂が言う。
「で?そんな話をするために俺達を呼んだわけではあるまい?」
本郷の鋭い眼光が藤堂を樫尾を そして滝を射抜いた 。

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