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徹真斎の妄想徒然草子コミュの格闘小説(笑)

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俺の名は猫島直太朗 28歳。
若い頃はずいぶん暴れもしたが今はしがないサラリーマンだ。
今日は職場の飲み会。
特に何が楽しい訳でも無かった飲み会だったが たまたま運良くあの娘の隣に座れた。
あの娘… わが社のマドンナ 秘書課の月島さんだ。
「へぇぇ 猫島さんて空手やってるんですかぁ あたし強い人好きなんですよォ」
お! こりゃついに俺に追い風か?!
と思ったのもつかの間
「えー そうなんだ! じゃボクシングインターハイ出場の俺なんてバッチリじゃない?」
チッ 入って来んじゃねぇよ クソ野郎が。
高田亮平 俺と同期なんだがとにかく鼻につく。
俺はコイツが嫌いだ。
「わぁすごーい♪」
憧れの月島さんはボクシングと聞いて瞳を輝かす。
まぁ しゃあねぇか 素人目にゃボクシングのが派手に映ろうよ。
半ば呆れ 半ば落胆しながら俺は二次会への移動に巻き込まれた。
次の店に向かう途中の事だ。
「ッてめぇなにしやがんだ!!」
月島さんの肩がスナックから出てきたヤクザ者とぶつかったのだ。
と よせば良いのに高田がしゃしゃり出る。
「そっちがよそ見してたんだろうが!」
あー もぅヤクザと揉めんじゃねぇよバカ。
「あぁ? うちの店の前でなに騒いでんだコラ?」
「あ アニキこいつらが…」
店の中からもう一人ヤクザ者が現れた。
あ コイツは…
俺は咄嗟にそいつの胴に食らい付いた。
「!」
「ぅわぁぁぁぁ ごめんなさぁぁぁぁいぃぃぃぃ」
大声で謝りながら俺はアニキと呼ばれたヤクザを路地に押し込む。
「サイテー」
俺を蔑む月島さんの声を背中に聞きながら狭い路地を通りから見えない所まで押し切る。
「ちょっと猫さん! なにやってんスか?!」
ヤクザはそう言って俺を引きはがした。
そう このヤクザは知り合いだったのだ。
暴れてた若い頃 通っていた道場の後輩なのだ。
「よォ 久しぶり」
手短に経緯を話した俺に後輩 安田は苦笑を見せた。
「しかし あの頃 鬼猫、悪魔猫、残虐悪魔超人とか言われてた人がねぇ ククク」
「っせぇ 俺ァ今は平穏無事に暮らす、しがないサラリーマンなんだよ お前らヤクザとは関わり合いたかぁねんだよ」
「5年振りの再会だってのにずいぶんな言い種っスねぇ まぁ猫さんらしいっちゃらしいスけどね じゃぁ今度うちの店に飲みに来て下さいね」
そう言って安田は立ち去ってしまった。

コメント(3)

「いやー 誠意をもって謝ればちゃんと許してもらえ…」
言いながら路地から出てきた俺は月島さんはおろか高田すら居なくなってる事に気付いて言葉を失った。
まぁ そらそうだわな ケッ
俺は気晴らしに近くのBarでクダを巻く事にした。
しばらくいい感じで飲み散らかした俺は店を出てコンビニで買っ缶ビール数本を持って駅裏の公園に向かう。
この公園 夜ともなれば人通りも無く 夜風を肴に独り呑むには最適なのだ。
街灯の明かりの届かないベンチに陣取り 1本 また1本と空けてゆくと向こうから足音と共に人影がやって来た。
どうやら人影は2つ 男と女のようだ。
チッ 終電逃してたからって公園に来んじゃねぇよ ラブホ行けよ ラブホによ。
2人が街灯の明かりが届く所に来てようやく気が付いた。
月島さんと高田のバカだ。
高田の野郎 この公園に人通りが殆ど無い事知ってやがんな クソが
しばらく見物していい所で邪魔してやろうかと思案していると 暗闇の中から声がかけられた。
「ヒューヒュー 俺達も仲間に入れてくれよ」
現れたのは3人 見るからに素行の悪そうなガキ共 高校生か? ニヤニヤしながら近づいて来た。
「なんだてめぇら」
そう言って高田は月島さんを後に庇う。
「俺達もそのおねーさんと仲良くしてもらいたいなぁ」
「仲間に入れてよ ねぇおっさん」
クソ生意気な口をきくガキに腹を立てたか それともおっさん呼ばわりされたからか 高田はゆっくりと拳を上げてファイティングポーズを取った。
「あれ? このおっさんヤル気満々だぜ?」
「しょーがねぇなぁ おっさんヤっちまうか」
言いながらガキ共は二人を囲む様に広がる。
さすがに危機を悟った高田が月島さんを後に突飛ばして三人の囲みから出す。
高田の正面に立つニットキャップを被ったヤツがポケットからナイフを出して構える。
左後ろの坊主頭は特殊警棒 右後ろのロン毛はスタンガンか なかなか厳しい武装だな 頑張れインターハイ。
ジリジリと間合いを詰める高田ではあったが どうやら正面のナイフがどうしても気になるようで なかなか手が出せない。
気が付くと坊主頭の特殊警棒が前に移動している。次の瞬間ナイフの残虐な閃きが高田に襲いかかる!
ナイフに反応する高田に背後からスタンガンの一撃!
ナイフは囮だったのだ!
スタンガンの電撃に一瞬体の自由を奪われた高田に特殊警棒の重い一撃。
薄れゆく意識の中で高田は何を思ったのか。
気絶した高田を放り出した三人は残虐な視線を月島さんに向けた。
「フヒヒ おねーさん 俺達と遊ぼうぜぇ」
月島さんはと言えば さっさと逃げりゃいいものを 事の次第を見守っておられた。
ナイフのニットキャップが月島さんの腕に手を掛けた瞬間 弾かれた様に逃げ出す!
しかし一瞬早く坊主頭の手が月島さんのシャツを掴んでいた!
ビリリリッ!!
シャツが裂けて月島さんの柔肌が露になる。
おほ♪ もう少し見とくかな
しかし状況は緊迫し 暢気にもしていられない。
仕方がねぇ 助けにいくか。
「悪いな少年達 その娘は知り合いなんだ 勘弁してやってくれや」
いきなり闇の中から現れた俺にガキ共も月島さんも一瞬呆気に取られたものの ガキ共はすぐにその凶気を見せた。
「なんだおっさん?! てめぇもやられてぇのか?!」
おい ひらがなで喋るな 頭悪そうだからやめろ って あぁ 頭悪いのか。
てな事を考えてたら囲まれた。
同じ囲み 同じパターン うん 芸が無い。
やはり同じようにナイフが閃く。
改めて対峙してみるとフェイント丸出しなのがわかる。
高田のバカこんなのに引っかかりやがったのか。
俺は次に来るであろうスタンガンに先んじて動く!
振り返ってスタンガンを蹴り上げ、返す足でロン毛の水月に足刀をぶち込む。
と同時に坊主頭の膝にに向けて後ろ蹴りを放つ。
これが綺麗に坊主頭の膝を砕いた。
数年振りだがいい感覚だ。
一瞬たじろいだニットキャップだったが すぐその目に凶気を取り戻し ナイフを構え直した。
「ちくしょうてめぇぶっ殺してやる」
今度は囮ではない 本気の殺意がナイフにこもる。
「ッしぇあぁぁぁぁッ!!」
ニットキャップは呼吸とも叫びともつかない声と共にナイフを振り回す。
あれ? こいつまるでド素人だ。
ナイフのスピードも遅けりゃ体勢もなっちゃいない ずぶの素人だ。
チッ だりぃなぁ。
はじめは右に左に避けていた俺だったが ニットキャップが真っ直ぐ突いて来た瞬間 ナイフを往なして脇に挟むように腕を捕る。
そのまま腕を引きながら肩を押して地面に叩きつける!!
ま゛に゛
「ぎゃッ!!」
鈍い音と共にニットキャップが短く悲鳴を上げる。
肩が外れたのだ。
「ぁぐぅぅぅ」
肩を押さえて苦痛に顔を歪めるニットキャップの拳を踏みつけナイフを取り上げる。
「おぃおぃ〜 ガキには過ぎた玩具だよなぁ こんなのはよぉ」
取り上げだナイフをニットキャップの頬にゆっくり押しあてる。
「ひッ ヒィィィィィッ!!」
血が滲み ゆっくりと頬に突き刺さるナイフと動けない状況にニットキャップは震え上がり実に情けない悲鳴を上げた時 誰かが俺に声をかけた。
「もうその辺で勘弁してやっちゃもらえませんか」
振り向くとそこには安田と 月島さんに絡んだヤクザ者が立っていた。
「猫さん そのガキ共こいつの舎弟なんスよ さっさと起きろコラ」
ゴッ
スタンガンを拾いながら安田はロン毛の頭を蹴る。
結構な勢いだなおい。
「あぁ? てめぇんとこの身内くらいしっかり教育しとけよ」
面倒臭そうに言い放って俺は高田が着ていたジャケットをひっぺがして月島さんの肩にかけた。
「安田 そいつらさっさと片付けろよ じゃ月島さん また月曜にね」
そう言って俺は背中を向けて右手を上げた。

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