戦後の日本では、空母を持つことが2つの意味でタブーだった。法律的な「合憲性」と、政治的な「対米従属」の2つの意味だ。そのため「いずも」は「空母」でなく「多用途運用護衛艦」と呼ばれている。空母は「敵国」の沖合まで行って、そこから戦闘機で敵国の大都市を空爆して破壊して多数の人を殺す「(侵略的)戦争」の道具だ。日本国憲法は「戦争」を禁じており、どこかの国が攻撃してきた時に防衛すること以上の戦闘行為が「法的」に禁じられている。日本が空母を持つことは「違憲性」が高くなる。空母に搭載する飛び道具が、比較的トロい「ヘリ」(固定翼機より、速度も航続距離も大幅に劣る)だけなら、戦争をやりにくいので違憲性が低い。だから、これまで「いずも」は「ヘリ空母」だった。これが戦闘機搭載になると、好戦性=違憲性がぐんと高まる。 (Japan Returns To Militarism)
日本政府は「いずも」を空母化すると同時に、空母になった「いずも」に搭載・離発着する戦闘機である新開発のF35を大量に追加購入することを決めた。F35は超高価なのに失敗作で、同盟諸国の多くや米軍自身が買いたがらないクズものだ。米国の軍産複合体(軍部+諜報界)は、F35の巨額な開発費を、「やらせのテロ戦争」でテロリスト(ISアルカイダ)を支援する資金に流用した結果、実際のF35の開発に回す分が少なくなり、ポンコツを作ってしまった(オスプレイやミサイル防衛も同様)。ポンコツなのだが、売らないと議会や世論から叩かれる。同盟諸国に押し売りしたいが、ポンコツなので買ってくれる国が減っている。 (Only Half of F-35s Available for Flight, Program Head Says) (US Air Force likely to cut F-35 purchases over cost)
そんな中、安倍の日本は、F35やオスプレイをどんどん購入し、米国側(軍産を手なづけたいトランプ)を助けている。この点だけを見ると、日本は米国の言いなりにポンコツ兵器をしこたま買い込む間抜けな対米従属国になる。いずも型の空母化は、買い込んだF35やオスプレイを搭載・離発着させる船が必要だから、というだけの話になる。 (The US Military-Industrial Complex's Worst Nightmare: The S-300 May Destroy & Expose The F-35)
だが、米覇権衰退と多極化が速度して顕在化するのは時間の問題だ。来年には、世界不況と金融バブル再崩壊の可能性が増す。中東覇権は露イラン側に移転している。トランプは米軍のシリア撤退を決めた。東南アジアは、ほぼ完全に中国の傘下に入った。ユーラシアだけでなく、中南米やアフリカでも中国の影響力(覇権)が増している。朝鮮半島の南北は着実に和解の道を歩んでおり、来年には在韓米軍の撤退話が出てきそうだ。そうなると、次は在日米軍をどうするかという話になる。 (Trump Approves Full Withdrawal From Syria, 'Liberal' Media Furious 笑)