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【資料その１】
（※公開当時に自日記で引用した部分に基づくので、リンクを含め、今改編されているかどうか存じません。）
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『参院3分の2議席で日本でも現実に！安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か？絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証！ 〜岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー（前編） 2016.7.1』
記事公開日：2016.7.2
https:/
＊−−−−引用開始−−−−−＊
ヒトラーのナチズム（ファシズム）は、これまで「民主主義の喝采の中から生まれてきた」と言われてきた。しかし、実は民意で選ばれたわけではないし、ヒトラーが超絶的なカリスマで、彼が主体となって独裁権力を自らの力で簒奪したのでもない。
＊−−−−引用終了−−−−−＊
（注：Wikipedia：
「簒奪（さんだつ）とは、本来君主の地位の継承資格が無い者が、君主の地位を奪取すること。あるいは継承資格の優先順位の低い者が、より高い者から君主の地位を奪取する事。ないしそれを批判的に表現した語。本来その地位につくべきでない人物が武力や政治的圧力で君主の地位を譲ることを強要するという意味合いが含まれる。」）
【考察】
【ヒトラーのナチズム（ファシズム）は、これまで「民主主義の喝采の中から生まれてきた」と言われてきた。しかし、実は民意で選ばれたわけではない】
⇑
この岩上さんの発言は、暗に、「もし、ヒトラーのファシズムが、民意で選ばれたのなら、ｄｅｍｏｃｒａｃｙだ」と言っている。そういう視点を持つ言だ。事実、氏の一連のdemocracyに対する認識には、democracy＝多数決（民意の多数決）という認識が見られる。
このｄｅｍｏｃｒａｃｙの認識は間違っている。
【１】民意で選んでも、democracyとは言えない。
たとえ民意で選んでも、それは多数決を使ったというだけであって、
多数決の結果、もし「人民の自然権を守る」という要素のないものが生まれたのなら、
すなわち、ファシズムが生まれたのなら、
そんな多数決は、democracyとは言わない。
ファシズムが多数決を使ってファシズムを生んだだけだ。
ファシズムでも多数決というツールは使うのだ。
多数決というツールをあやつり、人民の自然権を抑圧する手法はファシズムの常套手段だ。今がそうだ。
ファシズムは三権を一手に掌握し、自分でバンバン法律を作り、自分でバンバン法律を執行し、司法が追い付かない。追い付いても国策判決を下す。
これがファシズムの実態だ。今がそうだ。
ファシズムはいかんなく多数決を悪用する。
ファシズムが使う多数決というツールには「人民個人個人の自然権を守る」という認識目的がない。今がそうだ。
【２】democracyを考える上での重要な視点
【近代社会契約以後の国家に適用させる約束定義（=公理）】は、
「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」
というものです。
日本国憲法は近代憲法であり、この【近代社会契約以後の国家に適用させる約束定義（=公理）】に基づいています。
国家だけではなく、近代憲法、近代立憲主義、近代democracy、人民主権（=国民主権）、これらの用語、概念も、近代社会契約以後の国家の約束定義「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」という国家の約束定義（=公理）を人民がオーソライズして、この国家の約束定義に帰依して、成り立っている。
それが【近代社会契約以後の国家に適用される約束定義（＝公理）】。
この国家の約束定義（=公理）の公理体系上に組み込まれて、近代憲法、近代立憲主義、近代democracy、人民主権（=国民主権）という概念もある。三権分立も、法律（立法）も、法律の運用（行政）も、裁判所の判断（司法）も、近代憲法を頂点とする円錐形の中にあり、この円錐形は、近代社会契約以後の国家の約束定義「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」という国家の約束定義（=公理）
の公理体系上に組み込まれている。
【３】近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の背景
近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の背景は、
「一人一人では守れない個人の自然権であるが、国家になら守らせることができる。
そのために人民は「人民個人個人の自然権を守る」ことを認識目的として、「近代社会契約以後の国家」を定義して国家を作り、その国家に強大な国家権力を信じて託した。」
というものだ。
【４】国家の認識目的は、「人民個人個人の自然権を守る」にある。
【５】しかし、国家がその強大な国家権力を「人民の個人個人の自然権を守ると」いう認識目的から逸脱して強大な国家権力を暴走させては困る。
【６】近代憲法
そこで、近代憲法というものを作り、人民が国家を縛った。人民が国家に認めさせた。
「絶対に国家は、この憲法に縛られて国家権力を使え！」と。
これが憲法の目的。
近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の公理体系上に組み込まれた概念。
【７】近代立憲主義
国家は、「この強大な国家権力を、絶対に、主権者人民の自然権を守るためにのみ、使わせていただきます。」という誓約と引き換えに、強大な国家権力を信託された。
これが立憲主義。立憲主義の目的。
近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の公理体系上に組み込まれた概念。
【８】人民主権（=国民主権）
人民主権（=国民主権）というのは、「国家 対 人民」という構図の上で成り立つものであり、
「主権（＝政治を最終的に決定する権利）は国家ではなく人民にある」というもの。
これも、近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の公理体系上に組み込まれた概念。
【９】近代democracy
democracyという用語の語源は、デーモス（民衆）によるクラトス（支配；権力）。人民主権と表裏一体の概念だ。
「democracy ≡ 多数決」ではない。多数決は、democracyを実現する可能性を持つ一つのツール（道具）に過ぎない。多数決はファシズムでも使うのだ。
近代democracyもまた、近代社会契約の国家の約束定義（公理）の公理体系上に組み込まれた概念。
【１０】総括
今我々が近代憲法の下で継承している、国家、人民主権、近代憲法、立憲主義、近代democracy等の用語、概念は、近代社会契約の国家の約束定義（公理）に基づく公理体系上の概念である。
以上【１】〜【１０】でご覧の通り、【近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）】が最も重要な視点だ。そこが起点。源泉。
では、今度は【前提とそこから導出される結論】という、別の角度から見て見よう。
国家の認識目的＝「国家は人民の自然権を守る為に人民が作った。」この視点が前提にないと、結論にもこの視点が含まれえないのだ。
「人民の自然権を守る」という要素が前提なかったら、そういう認識目的がなかったら、「人民の自然権を守る」という要素が結論にも出現し得ない。
というのは、
およそいかなる演繹的推論においても前提のいずれにも含まれていない要素は結論にも含まれえない。これが論理上の一般準則のコロラリー（注：論理的に自然に導かれる帰結）と考えられるからである。
「人民の自然権を守る」という認識目的のない前提からは、人民の自然権を守るという要素をもつ結論は導出し得ない。
前提にない要素は結論にも含まれ得ないのだ。
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【資料その２】
（※公開当時に自日記で引用した部分に基づくので、リンクを含め、今改編されているかどうか存じません。）
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『参院3分の2議席で日本でも現実に！安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か？絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証！ 〜岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー（後編）2016.7.1』
記事公開日：2016.8.4
https:/
＊−−−−引用開始−−−−−＊
民意で選ばれたのではなく、大統領内閣という伝統的な保守と新右翼の利害が一致した合作のヒトラー独裁国家
石田「ナチ党は、正式名を国民社会主義ドイツ労働者党といいます。『国家社会主義』という表現は、現在は使いません。ナショナルという語の訳し方ですが、ナチ党の場合、国家主義ではなく、国民主義、民族主義が基軸にあるので、ナチズムは国民社会主義ないしは民族社会主義と訳すのが正しいです。『労働者党』を名乗っていますが、労働者の利益代表ではなく、共産主義やマルクス主義から労働者を守る、という意味です。
それまで泡沫政党だったナチ党は、世界恐慌が有利に働き、1930年9月の国会選挙で第2党（得票率18.3％）になります。1932年に第1党（得票率37.4％）になるが、ナチ党のピークはここまでなんです。
ナチ党は、選挙で第1党にのし上がったのは確かですが、1932年11月の国会選挙で得票率は33.1％に下落します。第1党を維持しましたが、200万票を失う。ざっくりいって有権者の4人に3人は、ナチ党には投票していませんでした」
岩上「これって、今の自公政権と同じだ！ よく『民主主義の喝采の中からファシズムが生まれる』と言う人がいるが、そうではない」
石田「そうなんです。ヒトラーは民意で首相に選ばれていない。国民が愚かだったからと責任を押しつけるが、事実は違うんです。1932年末にはヒトラーのナチ党は選挙資金もなくなり、暗たんたる状態。第2の指導者、グレゴール・シュトラッサーが党を分裂させるかもしれないという噂も立ちました。
そういう状況の中で1933年1月30日、ヒトラーが首相になり、『国民総決起政府』を打ち上げたが、それもナチ党の単独政権ではなく、保守派のドイツ国家人民党との連立政権でした。ヒトラー政府は実は少数派政権で、ナチ党196議席、国家人民党は52議席の合計248議席。与党は全584議席の過半数に満たなかった。
ヒトラーが政権を獲得できた理由は、落ち目になったヒトラーとナチ党を利用しようとする、ヒンデンブルク大統領などの権力者がいたからです。ヴァイマル共和国末期の首相（ブリューニング、パーペン、シュライヒャー）は、どれも国会に基盤らしい基盤を持たず、大統領の大権に依存し、政権運営にあたっていました。こうした少数派政府は『大統領内閣』と呼ばれ、ヒトラー政権もそのひとつでした。
これを理解しないと、ヴァイマル共和国の末期のドイツ政治はわかりません。つまり、ヒンデンブルク大統領がキングメーカー。これは、議会が多数派を形成できなかったことから生じた内閣です。『大統領内閣』とは、ヴァイマル憲法に明文規定されたものではありません。憲法が定める大統領の三つの大権、�ー鸛蝓Τ嬶叔ぬ噺◆↓�国会解散権、�９餡閥杁涕◆並�48条：非常時の緊急命令権）を組み合わせることで可能になったものです。
大統領は非常時に緊急令を発令できる。それは法律と同等とみなされました。なので、大統領を動かしてこれを発令できれば、首相は国会から独立して国政にあたることができた。」
＊−−−−引用終了−−−−−＊
【考察】
問題点は、【１】と同じく、
この発言は、もし、ヒトラーのファシズムが、民意で選ばれたのなら、ｄｅｍｏｃｒａｃｙだと言っている。
このｄｅｍｏｃｒａｃｙの認識は間違っている。
「人民の自然権を守る」という要素のないものが、多数決を使って、人民の自然権を守る」という要素の欠落したもの（＝ファシズム）を生んだだけだ。
多数決は、democracyでもファシズムでも使うのだ。
多数決は、democracyを実現する可能性のある一つの方法に過ぎない。
多数決＝democracyではない。
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【資料その３】
（※公開当時に自日記で引用した部分に基づくので、リンクを含め、今改編されているかどうか存じません。）
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（出典：日記「岩上さん、国家社会主義を国民社会主義だとする東大の歴史学ではナチスを防げない。」
2016年07月05日23:41
http://
（※公開当時に自日記で引用した部分に基づくのでリンクを含め、今改編されているかどうか存じません。））
＊−−−−引用開始−−−−−＊
●【今日のツイートより：「岩上さん、国家社会主義を国民社会主義だとする東大の歴史学ではナチスを防げない。」】
（https:/
＊−−−−編集後−引用開始−−−−−−−−＊
23:04 - 2016年7月5日
アステローペ・リーフ ：@reef100
岩上さん、国家社会主義を国民社会主義だとする東大の歴史学ではナチスを防げない。
QT:http://
「参院3分の2議席で現実化する！世界の常識では絶対悪「ナチス」の手口。ヒトラー独裁政権を徹底検証！ー岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー 2016.7.1」
（ナチスの手口 石田勇治・東京大学教授インタビュー
の１：２５：００〜）
石田氏：
ヒトラーが率いる政党は国民社会主義ドイツ労働者党と言います。
よく国家社会主義と言いますよね。
今、私はと言いうか、歴史学では、国家社会主義という言い方はしません。
日本ではやたら言われてるんですけれども僕は完全な誤訳だと思ってます。
ナショナルソーシャリズムの訳なんですが、
その時のナショナルをどう訳すか、
国家社会主義と言うとやっぱり国家中心主義でしょ。
国家主義でしょ。
ナチズムというのは国家は民族に従属するものなんです。
民族、あるいは国民というのが主役。
ここがやっぱり恐ろしいところでもあるんです。
だからここは国家社会主義と訳さない方が今は適切なのです。
岩上氏：
逆に言うと国民主権を奪おうとしているような人たちがいるけど、国民主権を守っても、
その解釈次第では、国民主権の中からナチズムが生まれるということなんですね。
石田氏：
そう、出てくる。
それだけつまり民衆の権力の上に自分たちは有るんだと意識しているんで
寧ろ国家は敵だというような感じですね。
＊−−−−引用終了−−−−−＊
【考察】
問題は、「国民主権を守っても、その解釈次第では、国民主権の中からナチズムが生まれる」という認識だ。
これも同じだ。「民主主義」が「国民主権」に置き換わっただけだ。
すなわち、「democracy」が「人民主権」に置き換わっただけだ。
この人民主権（＝国民主権）の認識は間違っている。
人民主権は、「資料１」の【考察】で述べた通り、
「国家 対 人民」という構図において、政治を最終的に決定する権利は人民にある、国家にない
というものだが
この人民主権という概念も、近代社会契約以後の国家の約束定義「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために人民が国家を作った。」という公理の公理体系上の概念だ。
「人民の個人個人の自然権を守る」という認識目的を持つ。
もし「人民主権」から「人民の自然権を守る」という認識目的のないもの（すなわちファシズム）が生まれたのなら、それは、そんな「ファシズムを生んだ人民主権」は、「正しい意味での人民主権」ではないのだ。
「ファシズムを生んだ人民主権」に、「人民の自然権を守る」という前提要素、その認識目的がなかったら、「人民の自然権を守る」という要素は結論に含まれえない。
すなわち、ファシズムがファシズムを生んだだけだ。
たとえ、人民と称するものが最終的に政治を決定する権利（主権）を発揮したとしても、
そこに、「人民の自然権を守る」という認識目的（要素）がなければ、
それは、【近代社会契約以後の国家の約束定義（=公理）】という公理体系上の「正しい意味での人民主権」ではない。
「人民の自然権を守る」という認識目的のない前提からは、
「人民の自然権を守る」という要素をもつ結論は導出し得ない。
「人民主権」が「ファシズム」を生んだのではなく、「ファシズム」が「ファシズム」を生んだだけだ。
【近代社会契約以後の国家の約束定義（＝公理）「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」】という要素をもたないファシズムが、「人民主権」という用語の皮だけかぶって、ファシズムがファシズムを生んだだけだ。
（了）
【追記】
要点：
「democracy＝多数決（民意の多数決）」という認識(勘違い、洗脳、自己抑圧、縛り、疎外）が両氏、並びに、日本国人民の脳に通底しているということ。
「脳」という資源、「論理」という資源が、日本人民に解放されていないということ。
【近代社会契約以後の国家の約束定義（＝公理）「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」】という公理体系上に、
⇩
人民主権も、democracyも、近代憲法、近代立憲主義、法律（立法）、法律の運用（行政）、裁判所の判断（司法）、公務員（天皇も憲法上、公務員）等(etc)、
組み込まれた用語、概念であるということ。
⇩
換言すれば、左記公理を頂点とし、
人民主権も、democracyも、近代憲法も、近代立憲主義も、法律（立法）、法律の運用（行政）、裁判所の判断（司法）、公務員（天皇も憲法上、公務員）等(etc)、
「円錐」を形成しているということ。
【資料その１】
（※公開当時に自日記で引用した部分に基づくので、リンクを含め、今改編されているかどうか存じません。）
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
『参院3分の2議席で日本でも現実に！安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か？絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証！ 〜岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー（前編） 2016.7.1』
記事公開日：2016.7.2
https:/
＊−−−−引用開始−−−−−＊
ヒトラーのナチズム（ファシズム）は、これまで「民主主義の喝采の中から生まれてきた」と言われてきた。しかし、実は民意で選ばれたわけではないし、ヒトラーが超絶的なカリスマで、彼が主体となって独裁権力を自らの力で簒奪したのでもない。
＊−−−−引用終了−−−−−＊
（注：Wikipedia：
「簒奪（さんだつ）とは、本来君主の地位の継承資格が無い者が、君主の地位を奪取すること。あるいは継承資格の優先順位の低い者が、より高い者から君主の地位を奪取する事。ないしそれを批判的に表現した語。本来その地位につくべきでない人物が武力や政治的圧力で君主の地位を譲ることを強要するという意味合いが含まれる。」）
【考察】
【ヒトラーのナチズム（ファシズム）は、これまで「民主主義の喝采の中から生まれてきた」と言われてきた。しかし、実は民意で選ばれたわけではない】
⇑
この岩上さんの発言は、暗に、「もし、ヒトラーのファシズムが、民意で選ばれたのなら、ｄｅｍｏｃｒａｃｙだ」と言っている。そういう視点を持つ言だ。事実、氏の一連のdemocracyに対する認識には、democracy＝多数決（民意の多数決）という認識が見られる。
このｄｅｍｏｃｒａｃｙの認識は間違っている。
【１】民意で選んでも、democracyとは言えない。
たとえ民意で選んでも、それは多数決を使ったというだけであって、
多数決の結果、もし「人民の自然権を守る」という要素のないものが生まれたのなら、
すなわち、ファシズムが生まれたのなら、
そんな多数決は、democracyとは言わない。
ファシズムが多数決を使ってファシズムを生んだだけだ。
ファシズムでも多数決というツールは使うのだ。
多数決というツールをあやつり、人民の自然権を抑圧する手法はファシズムの常套手段だ。今がそうだ。
ファシズムは三権を一手に掌握し、自分でバンバン法律を作り、自分でバンバン法律を執行し、司法が追い付かない。追い付いても国策判決を下す。
これがファシズムの実態だ。今がそうだ。
ファシズムはいかんなく多数決を悪用する。
ファシズムが使う多数決というツールには「人民個人個人の自然権を守る」という認識目的がない。今がそうだ。
【２】democracyを考える上での重要な視点
【近代社会契約以後の国家に適用させる約束定義（=公理）】は、
「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」
というものです。
日本国憲法は近代憲法であり、この【近代社会契約以後の国家に適用させる約束定義（=公理）】に基づいています。
国家だけではなく、近代憲法、近代立憲主義、近代democracy、人民主権（=国民主権）、これらの用語、概念も、近代社会契約以後の国家の約束定義「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」という国家の約束定義（=公理）を人民がオーソライズして、この国家の約束定義に帰依して、成り立っている。
それが【近代社会契約以後の国家に適用される約束定義（＝公理）】。
この国家の約束定義（=公理）の公理体系上に組み込まれて、近代憲法、近代立憲主義、近代democracy、人民主権（=国民主権）という概念もある。三権分立も、法律（立法）も、法律の運用（行政）も、裁判所の判断（司法）も、近代憲法を頂点とする円錐形の中にあり、この円錐形は、近代社会契約以後の国家の約束定義「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」という国家の約束定義（=公理）
の公理体系上に組み込まれている。
【３】近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の背景
近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の背景は、
「一人一人では守れない個人の自然権であるが、国家になら守らせることができる。
そのために人民は「人民個人個人の自然権を守る」ことを認識目的として、「近代社会契約以後の国家」を定義して国家を作り、その国家に強大な国家権力を信じて託した。」
というものだ。
【４】国家の認識目的は、「人民個人個人の自然権を守る」にある。
【５】しかし、国家がその強大な国家権力を「人民の個人個人の自然権を守ると」いう認識目的から逸脱して強大な国家権力を暴走させては困る。
【６】近代憲法
そこで、近代憲法というものを作り、人民が国家を縛った。人民が国家に認めさせた。
「絶対に国家は、この憲法に縛られて国家権力を使え！」と。
これが憲法の目的。
近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の公理体系上に組み込まれた概念。
【７】近代立憲主義
国家は、「この強大な国家権力を、絶対に、主権者人民の自然権を守るためにのみ、使わせていただきます。」という誓約と引き換えに、強大な国家権力を信託された。
これが立憲主義。立憲主義の目的。
近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の公理体系上に組み込まれた概念。
【８】人民主権（=国民主権）
人民主権（=国民主権）というのは、「国家 対 人民」という構図の上で成り立つものであり、
「主権（＝政治を最終的に決定する権利）は国家ではなく人民にある」というもの。
これも、近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）の公理体系上に組み込まれた概念。
【９】近代democracy
democracyという用語の語源は、デーモス（民衆）によるクラトス（支配；権力）。人民主権と表裏一体の概念だ。
「democracy ≡ 多数決」ではない。多数決は、democracyを実現する可能性を持つ一つのツール（道具）に過ぎない。多数決はファシズムでも使うのだ。
近代democracyもまた、近代社会契約の国家の約束定義（公理）の公理体系上に組み込まれた概念。
【１０】総括
今我々が近代憲法の下で継承している、国家、人民主権、近代憲法、立憲主義、近代democracy等の用語、概念は、近代社会契約の国家の約束定義（公理）に基づく公理体系上の概念である。
以上【１】〜【１０】でご覧の通り、【近代社会契約以後の国家の約束定義（公理）】が最も重要な視点だ。そこが起点。源泉。
では、今度は【前提とそこから導出される結論】という、別の角度から見て見よう。
国家の認識目的＝「国家は人民の自然権を守る為に人民が作った。」この視点が前提にないと、結論にもこの視点が含まれえないのだ。
「人民の自然権を守る」という要素が前提なかったら、そういう認識目的がなかったら、「人民の自然権を守る」という要素が結論にも出現し得ない。
というのは、
およそいかなる演繹的推論においても前提のいずれにも含まれていない要素は結論にも含まれえない。これが論理上の一般準則のコロラリー（注：論理的に自然に導かれる帰結）と考えられるからである。
「人民の自然権を守る」という認識目的のない前提からは、人民の自然権を守るという要素をもつ結論は導出し得ない。
前提にない要素は結論にも含まれ得ないのだ。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
【資料その２】
（※公開当時に自日記で引用した部分に基づくので、リンクを含め、今改編されているかどうか存じません。）
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
『参院3分の2議席で日本でも現実に！安倍政権が「学ぶ」「ナチスの手口」とは何か？絶対悪ヒトラー独裁政権の誕生過程を徹底検証！ 〜岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー（後編）2016.7.1』
記事公開日：2016.8.4
https:/
＊−−−−引用開始−−−−−＊
民意で選ばれたのではなく、大統領内閣という伝統的な保守と新右翼の利害が一致した合作のヒトラー独裁国家
石田「ナチ党は、正式名を国民社会主義ドイツ労働者党といいます。『国家社会主義』という表現は、現在は使いません。ナショナルという語の訳し方ですが、ナチ党の場合、国家主義ではなく、国民主義、民族主義が基軸にあるので、ナチズムは国民社会主義ないしは民族社会主義と訳すのが正しいです。『労働者党』を名乗っていますが、労働者の利益代表ではなく、共産主義やマルクス主義から労働者を守る、という意味です。
それまで泡沫政党だったナチ党は、世界恐慌が有利に働き、1930年9月の国会選挙で第2党（得票率18.3％）になります。1932年に第1党（得票率37.4％）になるが、ナチ党のピークはここまでなんです。
ナチ党は、選挙で第1党にのし上がったのは確かですが、1932年11月の国会選挙で得票率は33.1％に下落します。第1党を維持しましたが、200万票を失う。ざっくりいって有権者の4人に3人は、ナチ党には投票していませんでした」
岩上「これって、今の自公政権と同じだ！ よく『民主主義の喝采の中からファシズムが生まれる』と言う人がいるが、そうではない」
石田「そうなんです。ヒトラーは民意で首相に選ばれていない。国民が愚かだったからと責任を押しつけるが、事実は違うんです。1932年末にはヒトラーのナチ党は選挙資金もなくなり、暗たんたる状態。第2の指導者、グレゴール・シュトラッサーが党を分裂させるかもしれないという噂も立ちました。
そういう状況の中で1933年1月30日、ヒトラーが首相になり、『国民総決起政府』を打ち上げたが、それもナチ党の単独政権ではなく、保守派のドイツ国家人民党との連立政権でした。ヒトラー政府は実は少数派政権で、ナチ党196議席、国家人民党は52議席の合計248議席。与党は全584議席の過半数に満たなかった。
ヒトラーが政権を獲得できた理由は、落ち目になったヒトラーとナチ党を利用しようとする、ヒンデンブルク大統領などの権力者がいたからです。ヴァイマル共和国末期の首相（ブリューニング、パーペン、シュライヒャー）は、どれも国会に基盤らしい基盤を持たず、大統領の大権に依存し、政権運営にあたっていました。こうした少数派政府は『大統領内閣』と呼ばれ、ヒトラー政権もそのひとつでした。
これを理解しないと、ヴァイマル共和国の末期のドイツ政治はわかりません。つまり、ヒンデンブルク大統領がキングメーカー。これは、議会が多数派を形成できなかったことから生じた内閣です。『大統領内閣』とは、ヴァイマル憲法に明文規定されたものではありません。憲法が定める大統領の三つの大権、�ー鸛蝓Τ嬶叔ぬ噺◆↓�国会解散権、�９餡閥杁涕◆並�48条：非常時の緊急命令権）を組み合わせることで可能になったものです。
大統領は非常時に緊急令を発令できる。それは法律と同等とみなされました。なので、大統領を動かしてこれを発令できれば、首相は国会から独立して国政にあたることができた。」
＊−−−−引用終了−−−−−＊
【考察】
問題点は、【１】と同じく、
この発言は、もし、ヒトラーのファシズムが、民意で選ばれたのなら、ｄｅｍｏｃｒａｃｙだと言っている。
このｄｅｍｏｃｒａｃｙの認識は間違っている。
「人民の自然権を守る」という要素のないものが、多数決を使って、人民の自然権を守る」という要素の欠落したもの（＝ファシズム）を生んだだけだ。
多数決は、democracyでもファシズムでも使うのだ。
多数決は、democracyを実現する可能性のある一つの方法に過ぎない。
多数決＝democracyではない。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
【資料その３】
（※公開当時に自日記で引用した部分に基づくので、リンクを含め、今改編されているかどうか存じません。）
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
（出典：日記「岩上さん、国家社会主義を国民社会主義だとする東大の歴史学ではナチスを防げない。」
2016年07月05日23:41
http://
（※公開当時に自日記で引用した部分に基づくのでリンクを含め、今改編されているかどうか存じません。））
＊−−−−引用開始−−−−−＊
●【今日のツイートより：「岩上さん、国家社会主義を国民社会主義だとする東大の歴史学ではナチスを防げない。」】
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＊−−−−編集後−引用開始−−−−−−−−＊
23:04 - 2016年7月5日
アステローペ・リーフ ：@reef100
岩上さん、国家社会主義を国民社会主義だとする東大の歴史学ではナチスを防げない。
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「参院3分の2議席で現実化する！世界の常識では絶対悪「ナチス」の手口。ヒトラー独裁政権を徹底検証！ー岩上安身による石田勇治・東京大学教授インタビュー 2016.7.1」
（ナチスの手口 石田勇治・東京大学教授インタビュー
の１：２５：００〜）
石田氏：
ヒトラーが率いる政党は国民社会主義ドイツ労働者党と言います。
よく国家社会主義と言いますよね。
今、私はと言いうか、歴史学では、国家社会主義という言い方はしません。
日本ではやたら言われてるんですけれども僕は完全な誤訳だと思ってます。
ナショナルソーシャリズムの訳なんですが、
その時のナショナルをどう訳すか、
国家社会主義と言うとやっぱり国家中心主義でしょ。
国家主義でしょ。
ナチズムというのは国家は民族に従属するものなんです。
民族、あるいは国民というのが主役。
ここがやっぱり恐ろしいところでもあるんです。
だからここは国家社会主義と訳さない方が今は適切なのです。
岩上氏：
逆に言うと国民主権を奪おうとしているような人たちがいるけど、国民主権を守っても、
その解釈次第では、国民主権の中からナチズムが生まれるということなんですね。
石田氏：
そう、出てくる。
それだけつまり民衆の権力の上に自分たちは有るんだと意識しているんで
寧ろ国家は敵だというような感じですね。
＊−−−−引用終了−−−−−＊
【考察】
問題は、「国民主権を守っても、その解釈次第では、国民主権の中からナチズムが生まれる」という認識だ。
これも同じだ。「民主主義」が「国民主権」に置き換わっただけだ。
すなわち、「democracy」が「人民主権」に置き換わっただけだ。
この人民主権（＝国民主権）の認識は間違っている。
人民主権は、「資料１」の【考察】で述べた通り、
「国家 対 人民」という構図において、政治を最終的に決定する権利は人民にある、国家にない
というものだが
この人民主権という概念も、近代社会契約以後の国家の約束定義「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために人民が国家を作った。」という公理の公理体系上の概念だ。
「人民の個人個人の自然権を守る」という認識目的を持つ。
もし「人民主権」から「人民の自然権を守る」という認識目的のないもの（すなわちファシズム）が生まれたのなら、それは、そんな「ファシズムを生んだ人民主権」は、「正しい意味での人民主権」ではないのだ。
「ファシズムを生んだ人民主権」に、「人民の自然権を守る」という前提要素、その認識目的がなかったら、「人民の自然権を守る」という要素は結論に含まれえない。
すなわち、ファシズムがファシズムを生んだだけだ。
たとえ、人民と称するものが最終的に政治を決定する権利（主権）を発揮したとしても、
そこに、「人民の自然権を守る」という認識目的（要素）がなければ、
それは、【近代社会契約以後の国家の約束定義（=公理）】という公理体系上の「正しい意味での人民主権」ではない。
「人民の自然権を守る」という認識目的のない前提からは、
「人民の自然権を守る」という要素をもつ結論は導出し得ない。
「人民主権」が「ファシズム」を生んだのではなく、「ファシズム」が「ファシズム」を生んだだけだ。
【近代社会契約以後の国家の約束定義（＝公理）「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」】という要素をもたないファシズムが、「人民主権」という用語の皮だけかぶって、ファシズムがファシズムを生んだだけだ。
（了）
【追記】
要点：
「democracy＝多数決（民意の多数決）」という認識(勘違い、洗脳、自己抑圧、縛り、疎外）が両氏、並びに、日本国人民の脳に通底しているということ。
「脳」という資源、「論理」という資源が、日本人民に解放されていないということ。
【近代社会契約以後の国家の約束定義（＝公理）「国家は人民が作った。人民の自然権を守るために、人民が国家を作った。」】という公理体系上に、
⇩
人民主権も、democracyも、近代憲法、近代立憲主義、法律（立法）、法律の運用（行政）、裁判所の判断（司法）、公務員（天皇も憲法上、公務員）等(etc)、
組み込まれた用語、概念であるということ。
⇩
換言すれば、左記公理を頂点とし、
人民主権も、democracyも、近代憲法も、近代立憲主義も、法律（立法）、法律の運用（行政）、裁判所の判断（司法）、公務員（天皇も憲法上、公務員）等(etc)、
「円錐」を形成しているということ。
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