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コピペの部屋コミュの【不思議・心霊】おいしさま

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(転載元)
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1454518647/
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?333


コメントに続きません
でははじまり

ーー


『おいしさま』


329 :お石様@\(^o^)/:2016/03/09(水) 21:21:01.82 ID:Nr6vsh770.net
俺が小学生の頃の話。

山に囲まれた閉鎖的な田舎町。
家の近くには木曽川と、それに合流する支流の川がありよく河原で遊んでた。
釣りをしたり、うなぎの仕掛けをしたり。
水遊びや石投げとか1人でも飽きる事無く遊んでた。


夏休みのある日、数日前に雨が降り上流のダムの放流増水した川も、
いつも通りになった頃
1人で河原に、面白そうな漂流物でも流れてきてないかと遊びに出かけた。

漂流木や、なんか変なゴミとかでも興味深々で見つけては手に取り、ポイして次を探した。

その時、ソフトボール大位で平べったい石を見つけ何気に手に取ろうとした時、

「あきら〜」(俺の仮名)

って、耳をつんざく位の大きな祖母の声がした。

一瞬、ビクッとして、振り返ったけど祖母はいない。まわりをきょろきょろしても姿は見えない。

たしか祖母は家にいたはずで、家から遊んでる河原までは小5の足で10分位の場所。
家から怒鳴っても聞こえるはずがないし、耳をつんざく位の声だから、近くにいるはずなのに姿はない。
藪に隠れてるのかと探したりしたがいない。

「おばあ〜ちゃ〜ん」

って叫んだけど
返事はない。

気のせいだったのか、夕立ちの雷の音を聞き間違えたのか位でまた遊びはじめようとして、
さっきの石を探し始めた。

その石はすぐ見つかった。そんなに特徴あるわけでもないのに
なんかその石だけ目立っててスポットライトを浴びてるような感じでまわりから浮いていた。

で、その石を拾おうと手を伸ばしかけた時、

「あきら〜」

って祖母の大きな声がした。

振り向いたら、まだ距離はありそうな所に祖母がこちらに向かって走ってくる姿が見えた。

えっ?ばあちゃん足はえ〜!
あそこからあんな声出せるなんてスゲ〜(笑)

って感じで見てたら、
凄い勢いで走り近づきながら、

「あきら、その石さわっちゃいかん、こっち来いあきら」

って。
向かうも何も、すぐ側まで来てたから、あっという間に俺の手を掴んで抱き寄せられた。

「おばあちゃん、体痛いって、ちょっと離してよ」

って言いながらもがいたら、

「間に合った〜」

って
祖母の力が抜けていった。
俺の手はしっかり掴んでたけど。


330 :お石様@\(^o^)/:2016/03/09(水) 21:21:54.60 ID:Nr6vsh770.net
俺と祖母は、さっきの石の近くまで行って話しはじめた。

祖母「あきら、さっきの石その石だろ」

祖母が指差す先にはその石があった。

祖母「その石、よ〜く見てみ、人の顔に見えんか?」


さっきまで全然気づかなかったけど、よく見ると
凹凸が歪んだ人の顔に見えてきた。
ってか、たしかに歪んだ顔だ。
えっ、さっきは平べったかったはずなのに。

祖母「あきら、あきらはその石に“呼ばれた”んやよ。
拾ってくれって。手にしてくれって」

祖母が何を言ってるのか解らなかった。俺が怪訝そうな表情をしていたのか、続けて話し始めた。

「その石はな〜、“お石様”ってよばれてるやつでな、漢字で書くとまだ習ってないかもしれんが、
汚い心や汚い思いって書いて

『汚意志(汚意思)』

とか
惡い心、惡い思いで

『「惡意志(惡意思)』

って
書く、触っちゃいかん呪われた石なんじゃよ。

「いつ、誰が、何のためにこんな穢れた石を作ったのかは解らんが、大雨が降った後とか、たま〜にこうやって見つかるんじゃよ。

「子供にこんな話していいか解らんが、おととし近所の家に大学生のお兄ちゃん来てたの覚えてないか?
夜中に救急車で運ばれたんじゃがその晩亡くなったんじゃ。
そのお兄ちゃんの家は都会だったから葬式はこっちじゃやらんかったから
亡くなった事知らんかも知れんが。」

「そん時も『汚意志様』触ったって言とった。
あきらが持ってかれんで
ほんと良かった。台所でカレー作っとたらいきなり仏壇の鐘が鳴ったんじゃ。いつもの綺麗な音色じゃなく 悲鳴みたいに鳴ったんじゃ。
誰もいないのに。すぐ
“あきらが大変じゃ〜”
って、なんか解らんがそう思って心の中で叫んだじゃ。いや、本当に叫んだんかもしれんが。どこにおるかなんて解らんはずなのに呼ばれるように走りだしたら、胸糞悪い気配ですぐ気付いた。間に合ってよかったな〜」

って、なんか気持ち悪い事を話してくれたけど、なんか助けられたような気持にはなった。


331 :お石様@\(^o^)/:2016/03/09(水) 21:22:37.02 ID:Nr6vsh770.net
閉鎖的な田舎で、犬憑きや動物憑きもまだやってるような地域だったから、オカルト的な怖さは感じなかった。
都会ならこの経験談を自慢話で友達にするんだろうけど、田舎でこんな話しはできない。

当たり前のように生活の一部にそういう慣習がある地域だと、家族以外にその手の話しをするのは控える。

それは、「何か企んでる・誰かを呪おうとしてる」って勘ぐられるからだ。


おばあちゃんと家に帰ると、すぐ誰かに電話してた。何人かに。
その間ずっと俺の目を見ながら話してたのが気持ち悪かったが。

1時間位したらおじいさんが軽トラで家に来た。
すると次々軽トラの軽いエンジン音が聞こえたと思ったら、急ブレーキの音と同時位のいきおい物凄い形相ので親父と2人のおじいさんが家に入ってきた。

親父に叱られる、叩かれると思って歯を食いしばったら

「もう大丈夫や」

って泣きながら抱きしめられた。

そこで、ようやく重大さに気付いたんだ。

“これって、俺マジやばかったって事じゃん”

って

やがて親父と祖母と、おじいさん2人が軽トラ2台で出てった。俺は残ったおじいさんと仏間に行き
仏壇とおじいさんの間に挟まれる形で、おじいさんの前に座らされ、聞きなれないお経なのか呪文なのかをとなえられた。

まだそんなに時間はたっていないのに、軽トラの急ブレーキの音とともに帰ってきた、大人たちは俺と一緒にいたおじいさんに、

「大変な事になった!石が無くなっとる!すぐ先生に連絡してくれ」

って、凄い剣幕で慌ただしく捲し立ててた。
俺は、

“なにこれ!俺なの?えっ、俺が原因なの?”

って感じで
怯えた。
それに気付いたのか、祖母が

「あきらは何もわるーない。大丈夫や」

って肩を優しく抱いてくれてながら言ってくれた。
おじいさん達は、

「後はおれらがやるから、ばーさんもおやっさんも
その子(俺)と一緒に居てやってくれや。なんかあったら電話くんろ」

って言って3人とも軽トラでどこかに走り去ってった。


332 :お石様@\(^o^)/:2016/03/09(水) 21:24:12.47 ID:Nr6vsh770.net
夕方、仕事から帰ってきた母は顔を見るなり

ピッシー!

と俺のほっぺたを思いっきり叩くと同時に俺を抱きしめながら泣きじゃくった。

母はすぐ仕事を抜け出し、自分は無力だからって職場の近くにあるちょっと大きめな神社で御百度踏んで無事を願掛けしてくれてたって。

親父からの電話が職場にあって、俺は無事だから大丈夫だって同僚の人が
神社まで教えにきてくれたらしい。
御百度の途中だったから、願掛けをお礼の気持に変えて最後までお参りしてから帰ってきたって教えてくれた時に、この事で初めて涙がこぼれた。

「ごめん」

俺はなんか心の底から愛情を感じて声が出た。


その後、部活から帰ってきた兄は、今日の事を親父から聞いても興味なさそうで、冗談半分で

兄「お前どんくさいから(笑) 俺なら、石をこう持って川に・・」

ピッシー!

祖母のビンタが兄の言葉が終わらないうちに炸裂した。

家族全員思考停止。
祖母のそんな行動はみんな初めて見たからだ。いつもニコニコして優しい祖母が、洒落にならない怖い表情で無言で兄を見てると

「ごめん」

ばつが悪そうに兄が言った。


333 :お石様@\(^o^)/:2016/03/09(水) 21:24:27.14 ID:Nr6vsh770.net
その晩、食欲は無かったけど祖母が作ってくれたカレーを家族で無言で食べてると、電話が鳴った。

親父がでて話してる。
途中で祖母を呼び何かを確認しながら話してる。

電話を切り、食卓に戻った親父は

「一件落着だ」

って大きな口を開けて笑った。
祖母も笑いながら

「ごめんごめん、忘れとった」

って。

話を聞いてみると、祖母が何人かに電話をして、家に来たのは、親父とおじいさん3人。電話をかけた相手を確認してみると、その時は気が動転していて忘れてたけどもう1人電話してたらしい。

近くに住む本家の祖母の姉。

連絡を受けた祖母の姉が、すぐこちらに軽トラで向かったみたいで、悪い気を感じてそのまま河原に行ったらしい。

その石はすぐ解って、一時的な封じをして、軽トラに積んである場所に持って行って始末したらしい。
その場所は教えてくれなかったけど、絶対この世に2度とあらわれない場所らしい。

祖母の姉は、田舎の本家の人間だから、家族、一族を守るため、若い頃からいろいろ修行して災いから守る力をつけてるんだそうだ。


翌日、祖母の姉のところと、駆けつけてくれたおじいさん3人の所に、おばあちゃんとおふくろの3人でお礼に行った。

それからは、河原で石を拾うのはやめました。


優しい祖母に、洒落にならないくらい怖いビンタさせたくないから。


(了)

コメント(5)

石ですか…。
10年以上前に、上司から「五輪の塔の石に触ると、怪我したりするから絶対に触るな!と子供の頃に教えられた」と言われて
そのことを覚えていて、最近 上司の実家の近くを散歩する機会があって…。田んぼの端にそれをみつけてしまい近づけませんでした。

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