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KENICHI図書館コミュの初投稿「ゆうれいの美麗ちゃん(仮) チャプター1」

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 …まずははじめまして、マイミクの疫病神Maxさまからのご紹介で参りました。一応小説を書き下ろしておりますがいずれも“幽霊がらみ”であります。さすがに私も素人なので自己満足ではありますが目をお通しいただけたらと思います…。なお、ストーリー名は仮名とさせていただいております、相応しいネーミングがあればコメントをお願いいたします、参考にさせていただきたいと思います…。


   −ゆうれいの美麗ちゃん(仮)−  


  チャプター1.藤林沙織、生前のエピソード

 時は徳川幕府の末期、江戸のあるところに戦国時代の剣豪:藤林九次郎が建てられた「藤林流」の剣術場があった、その子孫である藤林高志(後の藤林沙織)が誕生した。高志は厳しい修業を積みわずか12歳で剣術を完全習得したという…。高志が15歳になり常に道場破りと戦い、剣術場を守っていた。


高志「トリャァーー!!」

道場破りA「ぐわぁっ!」

高志「どうした!?まだやるか!?」

道場破りB「おのれぇー!!」

高志「スキやり!!」

道場破りB「グッ…!」

高志「どうだ!参ったか!!」

道場破りA「ま、参った…」

 数日後、父:高蔵が高志を呼びこう告げられた…。

高志「おやじ、何か用か?」

高蔵「フッ、相変わらずわしに対してこの態度か…」

高志「るっせぇ、てめぇのせいでこうなったんだ、で話は何だ?」

高蔵「高志、たった今から貴様が23代目師範だ!」

高志「はぁ!?」

高蔵「わかったか!!」

高志「へっ、嫌なこった!」

高蔵「貴様!このわしに逆うんでない!!」

高志「冗談じゃねぇよ!だ〜れがこんなとこで主になるもんか!俺は後を継ぐ気ねぇからな!!」

高蔵「何を小癪なことを!?貴様にはこの藤林流を受け継いで後世に残さなければなららん!」

高志「だったら他のヤツに継げばいいじゃねぇか?」

高蔵「ならん!藤林流は藤林家一族が代々継承しておる!しかもわしの息子は貴様だけだ、藤林家の一族でない者にこの師範を受け継ぐわけにはいかんからな!!」

高志「くっだらねぇ、とにかく俺は一生こんなとこで生きるつもりねぇからな、あばよ!!」

高蔵「ま、待てぇーーぃ!!」

高志は竹刀と荷物を持って一目散に道場から逃げていったのであった。

高蔵「ぬぅ…何としても捕まえて息子を後を継いでもらうからな…!」

 こうして高蔵は弟子を何人か集め息子高志を追うことになった…

 藤林道場から抜け出した藤林高志、後継者と目されたものの彼は継ぐ気は全くなく自由気ままに生きたいと願っていた。しかし強引な父:高蔵が弟子数名をつかって息子を連れ戻しに入った。そしてその追っ手から逃れている高志は…。

弟子たち「わかぁ〜!お待ちくださーい!!わかぁー!!」

高志「へっ、何がわかぁ〜だ。俺は後継ぎになんないからなぁ!」

 そして高志はまんまと追っ手から引き離した…。

弟子A「ぜぇ…ぜぇ…何て逃げ足が速いんだ」

弟子B「あぁ、若は剣術だけでなく走るのも速いらしいぜ」

弟子C「いっそのこと飛脚になればいいのに…」

 その後追っ手から逃れた高志はゆっくり道を歩いていると…

まちむすめ「キャァー!たすけてぇー!!」

悪党たち「へへへ…待てぇ!」

 まちむすめが悪党たちに捕まえられ、5,6人に囲まれていた。

兄貴「おうおうおう、いい顔してんじゃねぇかぁ!デヘヘヘ…」

まちむすめ「や、やめてください…」

兄貴「野郎ども!やっちまえ!!」

子分たち「へい!!」

 この光景に見かねた高志は悪党の元へ向かう。

高志「待てぃ!」

兄貴「何だてめぇは!?」

高志「女子(おなご)が嫌がってんじゃねぇか、そいつから離せ」

兄貴「いい度胸じゃねぇかこの若僧、野郎ども!そいつから先にやっちまぇぃ!!」

子分たち「へぃ!!」

 しかし、藤林流の剣術をもつ高志には全く歯が立たずあっけなく一人残らず倒された。そして持っている竹刀を兄貴分の顔に向けて…

高志「へっ、二度と手ぇ出すんじゃねぇぞ」

兄貴「お、覚えてろ…」

 悪党たちは退散した…

まちむすめ「ありがとうございました…」

高志「ケガはなかったか…?」

まちむすめ「えぇ…でもおさむらいさんは?」

高志「へっ、大したもんじゃねぇ。じゃぁな…(グ〜…)うっ…はっ腹が…」

 実は高志は逃げることしか考えていなかったため食べ物は一切口にしていなかった。しかし5,6人の悪党を退治したという“ハングリー精神”があったのは間違いない。

 まちむすめ「まぁお腹空いてたのですか?フフフ、今度は私が恩返しする番ネ」

 空腹に見かねたまちむすめ、今度は高志を助けることになったが、なぜか高志はまちむすめをおんぶしてまちむすめの家に向かった、これもハングリー精神のなすことであろうか。辿りついた家は何と大きな邸宅であり、その隣には歌舞伎座が建てられている…。

まちむすめ「ただいま帰ってきました!」

父「おぉ、お帰り沙世どうしたんだい若いお侍さんにおんぶして」

沙世「父上、悪い人たちに囲まれた時にこのお方に助けてもらったの。」

父「おぉそれは誠か、名は何と申す?」

高志「…高志だ」

父「高志と言う名か、私の名は坂東染次郎、歌舞伎座の座長だ」

高志「あ、隣にあるとこの主ってことか」

染次郎「左様、何かあったら私に申し出なさい。では私はこれで…」

沙世の父:染次郎が去った後、高志は沙世の手作りでごちそうをほおばった。

高志「…ふぅ、生き返った感じだ。お沙世さんかたじけねぇ」

沙世「いいのよ、高志さんとココで巡り合えたのも何かの運命なのかもしれないわ。」

高志「へ、何言ってるんだ、俺はココから出て逃げなければなんねぇんだ」

沙世「え?追われてるの?」

高志はこれまでの経緯を沙世に説明した…。

沙世「後継ぎねぇ…なりたい気持ちってないの?」

高志「ねぇよ!男しかいねぇとこでむさ苦しいんだよ、ぜってぇ後を継がねぇ」

沙世「それで追ってから逃げてるのね、可哀想ね高志さん」

高志「同情なんていらねぇよ、俺はそろそろ出る、こっからおさらばすっから…」

沙世「待って!」

高志「ん?何だ?」

沙世「このまま行くの?顔知られてるんでしょ?また追われてお腹すいちゃうよ」

高志「じゃぁどうすればいいんだよ!?」

沙世「そうねぇ…ん?」

高志「な、何だよ…?」

沙世は高志の顔をじっと見てこう言った

沙世「高志さん、女の子に化けて、うん、それしかないわ。」

高志「…は?」

 何と沙世は高志に女装をすすめられた高志は沙世の説得により渋々納得した、沙世の父は歌舞伎役者で座長の「坂東染次郎」、染次郎も役として女装をすることもあったため、沙世は高志の顔を見て女装が似合うと確信した。

高志「…何か、違和感あるな。」

 高志が来た着物は水色で花柄模様の浴衣、しかも膝より少々上の丈であった。髪型は少女らしさにそして花飾りをつけされた。

高志「おい、丈…短いんじゃぁ…?」

沙世「いいの、あたしの言うことを聞いてね」

 そう言われ高志は次第に沙世の言いなりになってしまい、そしてついに沙世がエスカレートした…。

沙世「こら、座る時はあぐらをかいちゃダメ!」

沙世「ガニ股で歩かないの!」

沙世「ガツガツ食べちゃダメ!ゆっくり綺麗に食べてよね!!」

 沙世は高志を“本物の女性”のようにさせるため厳しいしつけを何ヶ月か続いた…。

高志「な、何で俺がこんな目に遭わなきゃならないのよぉ〜…あっ!」

 6ヶ月後、高志は女性らしい姿となり、そして心までも女性になってしまった。

沙世「うん、これでよし。これで立派な“女の子”になったわよ」

高志「ウフ、ありがとう沙世さん!」

沙世「高志さん…あ、高志をやめて違う名前にしよ〜っと。ええと、そうだ“沙織”にしちゃおうっと」

高志「あたしが“沙織”?」

沙世「うん、そうよ、これからあなたの名前は“沙織”よ。でも苗字は“藤林”のままだからね。それと…これからあたしのことを“姉”だと思って一緒に暮らそうね」

沙織「はい、姉上!」

 こうして「藤林高志」は「藤林沙織」と名乗り、坂東染次郎の娘:沙世と引き続き居候することになった…一方、父:高蔵は息子が女装していることを知らずに弟子に江戸中探しまわされた…。

高蔵「どこにもおらんのか!高志、大人しく出てこい!!」

 しかし声が虚しく街中響いた…しかも白昼堂々と。そして沙織と沙世は…。

沙世「さぁ沙織、今日はお祭りだから一緒に行こうね!」

沙織「はい、姉上!」

 その日は某所のお祭りが行われていた、沙織は水色の花柄模様の短めの浴衣、そして沙世も色違いで同じ花柄模様のピンクのミニ浴衣だった。沙織たちはうちわで扇ぎながら風鈴やお面を買って楽しんだ。…と、その時…。

高蔵「ん?見つけたぞ高志!一体何なんだその格好は!?」

沙織「あなた、だ〜れ?」

 沙織は完全女装の上心も女になってしまい“藤林高志”としての人格がなくなったのか、父親の顔と名前も完全に忘れしまったようである。

高蔵「わ、わしの顔を見忘れたか!?まぁいい道場へ戻るぞ、いいな!!」

沙織「い、いや!誰か知らないけどあなたと行きたくなーい!」

高蔵「貴様ぁ、わしが親だということを忘れたか!?帰ったら叩き直してくれる!!」

沙世「待ってください、あなたはあの藤林道場の師範ですか?」

高蔵「そうだ、だが貴様には関係ない失せろ!」

沙世「イヤです!どういう関係かは彼女から聞きました、でもあんまりじゃないですか無理やり後継者にさせるなんて」

高蔵「問答無用だ!弟子ども、息子を連れて行け!!」

弟子たち「はっ!!」

沙織「い、いやぁーーーーー!!!」

(シャキーーーン!!ぶうぉ〜〜〜〜〜ん!!!)

弟子たち「うわぁーーー!」

高蔵「ぐっ、貴様…いつの間にこの奥義を…(バタン)」

 何と沙織は短刀を持っていた、しかも藤林流“究極の奥義”を放ったのである、完全女装した沙織でも藤林流の技は健在のようだ。

沙世「す、凄いわ。沙織、周りの人に見られてるから早く出ようよ。」

沙織「…うん。」

 こうして沙織は藤林道場へ戻ることなく再び沙世と共に過ごすことに…そしてその後の藤林道場は…。

高蔵「…留吉。」

留吉「先生、お呼びですか。」

高蔵「貴様にもわかると思うが、わしの息子を連れ戻せ、強引に連れていくと奥義を放たれるからな、慎重に行け!」

留吉「はっ!」

 高蔵は忍術も使える弟子の留吉に呼び、息子を連れもどるように命じた。留吉はどうやって沙織を連れ戻そうとするのか、そして沙織はどうなってしまうのか…。

 数日後、沙織はその日も沙世と共に家を出た、向かった先は浅草寺。浅草寺で参拝後、二人は近くの茶屋でゆっくりくつろいだ。

沙世「沙織、ココの茶屋の団子美味しいのよ食べてみてよ。」

沙織「はい、姉上!…(パクッ…)おいしゅうございます!」

 沙織たちがおしゃべりしている近くに弟子の留吉が潜んでいた…。

留吉「ほぅほぅ…のんびりくつろいで、若、この眠り薬をお茶に入れて眠ってもらうよ、そのスキに若を連れ戻しすと…」

 茶屋の娘がお茶を出して留吉は目にも停まらぬ早業で一瞬にしてお茶に薬を入れた、そして沙織は…。

沙織「(…ゴクッ!)はぁおいしいこのお茶」

沙世「何しろこのお茶はね、駿河の川根と天竜の茶葉を併せたお茶なのよおいしいでしょー。」

留吉「…おかしいな、すぐに眠るはずなのに量が少なかったのか…?」

 数時間後、沙世の家に帰る途中の浅草橋で沙織が異変が起きた…。

沙織「う…何か、身体が…く、苦しい…」

沙世「さ、沙織、どうしたの?ねっ、しっかりして沙織、沙織!さおりーー!!」

 沙世の叫び声が虚しく響き渡ったあと沙織はその場で息を引き取った…。そして沙織たちの後を追った留吉はなぜ眠り薬で眠らなかったかわかると落胆の色を見せた…。

留吉「し、しまった…眠り薬でなく、毒薬を入れてしまった。せ、先生に申し訳が立たぬ…」

 どうやら沙織は服用して数時間後に息が苦しくなり死に至る毒薬入りのお茶を飲んだそうだった。そして留吉も沙織を捕まえることができず、自ら命を絶った。息子の訃報を聞いた父:高蔵は…。

高蔵「む、息子が死んだだと?留吉は?」

弟子A「そ、それが留吉も近くで切腹して果てました…」

高蔵「そうか…もはや藤林流はこれまでか。」

 こうして藤林流剣術の藤林道場は一人息子を失ったため数年後に消滅となった。

 そして…沙織の亡骸を棺桶に入れ、副葬品も供えた。ちなみに沙織に丈を短く詰めた白装束を身につけ、頭に三角巾と菊の花飾りをつけた。そして沙織が常に持っていた短刀も棺桶に供えた。

 妹分として共に過ごした沙世は沙織に別れの言葉を告げた…。

沙世「沙織、あなたが高志だった頃初めてであった時運命の出会いだと思ったの。それに沙織を女子にしたかったのはあたし…妹がほしかったの。沙織には言わなかったけど実はあたし“一人娘”だったの、ホントは結婚して高志として歌舞伎座になってもらいたかったけどあたしっていけない娘だね…でも可愛かったよ…沙織…さおり…シクシク…。」

  こうして藤林沙織は18年という短い生涯を閉じた、沙織が逝った後沙世の消息を分かるものは誰もいなかった…。

染二郎「わ、私の娘は…どこにいったんだ…!?」

 そして染二郎は沙織を探しに大金を使ったため、歌舞伎座の運営に影響され、数年後に閉鎖となったという…。

イラスト:疫病神Maxさま

コメント(5)

はじめまして。
ご訪問&作品の投稿をありがとうございましたヾ( ̄ー ̄*)

道場の跡継だった高志。
女装にハマり、そして死んでしまってからどうなって行くのか?展開が読めないストーリーに興味シンシン…(^ー^*)フフフ
続きが気になります( ̄▽ ̄)v
>>[1]
 はじめまして、ご覧いただき誠にありがとうございます。未成年になる前に逝ってしまったものの、その後の展開が…また次のチャプターで。
>>[2]
 管理人さまはじめまして、ご覧いただき誠にありがとうございます。高志は沙世に事実上“強制女装”され、心まで女性化となり、その後女装中に毒殺されたというわけです。

 一応本シナリオは全部書き下ろしてますが、あとはマイミクさまのイラスト依頼が完了次第投稿しようと思っております…(^_^)

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