孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】欧州からマネー退避ウクライナ侵攻半年

【孫崎享のつぶやき】
欧州からマネー退避ウクライナ侵攻半年、株式時価総額は3.6兆ドル（約490兆円）が消失。減少額は中国（１．７兆ドル）、米国（1.5兆ドル）等。2月23日Ⅰユーロ=1.13ドル前後、7月、20年ぶりに1ヨーロ=1ドルの等価を割りこんだ。
2022-08-27 06:549

欧州からマネー退避ウクライナ侵攻半年: 日本経済新聞（8月26日）

ウクライナ侵攻から半年がたち、投資マネーが資源高に苦しむ欧州から退避している。
通貨ユーロは約20年ぶりの安値をつけた。
株式の時価総額は主要地域で最も減少し3.6兆ドル（約490兆円）が消失した。
屋台骨のドイツが打撃を受け、南欧では金利急騰などによる財政悪化リスクも強まる。欧州連合（EU）として対ロシアの結束を保ちながら経済の安定を維持できるかが焦点となる。
「おそらく世界の中でも欧州経済が最初に失速するだろう。多くの投資家がユーロの価値が下がるのを見越し（先回りして）ユーロを売っている」

　ヨーロの急速な下落は欧州の苦境を象徴している、2月23日にⅠユーロ=1.13ドル前後で推移していたユーロ相場は7月、20年ぶりに1ヨーロ=1ドルの等価を割りこんだ。ガスの供給途絶リスクが再燃した8月にも再び等価割れし、安値を更新した。

　独株価指数（DX）は１０％近く下げ、ダウ工業株３０種平均（０．５％）に比べ下落率は大きい。ポーランド株も大きく下げた（２０％強）。欧州株の時価総額は半年で3.6兆ドル減った。減少額は中国（１．７兆ドル）、米国（1.5兆ドル）等と比べても突出している。

　通貨安、株安が同時に進む背景には深刻なエネルギー問題がある。
　ヨーロ圏の8月の総合購買担当者景気指数（PMI）は2か月連続して好不況の分かれ目である５０を下回る。

　エネルギー問題などがインフレを招き、7月のユーロ圏の物価指数は前年同月比で８．９％上がった。