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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】国民が知らない水道資産120兆円のゆくえ 水道民営化の仕掛け人は竹中平蔵氏か…

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【この記事のキーワード】竹中平蔵, 安倍政権, 水道, 民営化, 改正水道法

水メジャーを太らせたのは「水事業の民営化」を煽る国際金融機関

 世界には、水メジャーの支配で高騰した水道料金を払えず、あろうことか「天から降
ってきた雨水」の取水まで禁じられた人々がいる。日本が平成に改元してしばらくした
頃に、南米・ボリビアの主要都市コチャバンバ市の公営水道民営化で起きた悲劇だ。同
市の水道民営化では、灌漑施設も井戸も雨水も、すべての貯水を水企業アグアス・デル
・ツナリ社の管理下に置く契約が交わされていた。あまりにも理不尽だったため、多く
の人々に知れわたった実話である。ツナリ社は、多国籍巨大建設企業ベクテル社の傘下
企業だ。

 実は、これまで「水事業の民営化」を煽ってきたのは、世界銀行や国際通貨基金(IM
F)などの国際金融機関である。ハイパーインフレで瀕死のボリビア政府に対して、多
国間債務600万ドルの免除を条件に、この理不尽な契約を促したのも世銀だった。彼ら
は、経済の自由化や公的機関の民営化を途上国政府への融資条件として課してきたので
ある。この30年間は「小規模農家への支援」や「教育・医療」の予算削減まで強要し、
結果、多国籍巨大企業の市場はさらに拡大し、世界の貧困と格差が悪化した。

 国際金融機関のこうした“前科”が日本の一般常識として広く認知されていないのは
、官製情報に依存し巨大資本に抗えない国内マスメディアが国民の知る権利にこたえて
いないからである。事実として重要な情報がオーソライズされないまま、今日本人の「
水道の水」も巧妙な仕組みで「市場」化されようとしている。黙認して放置すれば、冗
談抜きで、いずれ「清浄な空気」も商品として市場化されるかもしれない。

「市場」は商品・サービスとカネの取引で成り立っている。カネがなければ取引はでき
ず、人は何も得られない。公共/公益の概念は、そこに生まれる悲劇の類いを回避する
ための知恵でもある。従って、生存の最低条件である「水道の水」まで弱肉強食の市場
で扱おうとする発想は、非常識を通り過ぎて、もはや「民営化原理主義」とでも名付け
てもいい「文明の退化」だ。今、日本も世界もその見識を問われている。


安倍内閣・水メジャー・金融/証券と組んで法改定を仕掛けた面々

「水メジャーによる接待疑惑」で官邸を追われた福田隆之氏が、36歳の若さで内閣官房
長官の「公共サービス改革」担当補佐官に抜擢されたのは2016年1月。もとは野村総合
研究所主任研究員や新日本有限責任監査法人のインフラ・PPP支援室室長・エグゼクテ
ィブディレクターなどを務めた証券のプロである。表舞台から姿を消した同氏は現在、
「行政官」という官職を持つコンサルタントを務めながら、都内の大学にも籍を置いて
いる。

 その大学は東洋大学。そこでの肩書きは「国際学部客員教授/グローバル・イノベー
ション学研究センター客員研究員」(2019年10月22日現在。以下同)。2名在籍する客
員研究員のもう1人は、前述の「水道民営化を煽ってきた世界銀行」で上級インフラフ
ァイナンス専門官を務める人物だ。

 このグローバル・イノベーション学研究センターを統括するセンター長は、「東洋大
学国際学部教授」の竹中平蔵氏である。

 著名な人物は「毀誉褒貶あり」と評されることがよくある。しかし、政府の「官民連
携」施策が、実は一般庶民の生活経済を追い込むものであることを直感する人々の多く
は、そこから「誉・褒」の2文字を抜いた「毀・貶」で、あの「竹中平蔵」氏を連想し
がちだ。立身出世を絵に描いたような竹中氏の華やかな肩書きは、あまりに多すぎてこ
こには書き切れない。

 小泉純一郎内閣で要職を歴任し、郵政担当大臣として「郵政民営化」の道を開いた竹
中氏は、日本国民の富をどこかに移動する仕組みづくりに自信を持ったかのようにもみ
える。麻生太郎副総理は表通りで「水道の公設民営」を外資の面々に“報告”したが、
竹中氏は裏通りで地道にそれを準備し、実行してきたといえる。小泉内閣以降も「行政
を束ねて采配するノウハウ」に磨きをかけ、派遣大手のパソナ役員を兼務しながら労働
法制に手を入れ、ヴェオリアもたじろぐほどの「利益相反」を問われながら、今もマス
メディアを黙らせ続けている。

 学者としては、大学で学生たちに「金持ちを貧乏人にしても、貧乏人が金持ちになる
わけではない」などと“その道の粋”を教えてきた。規制緩和/撤廃で世界に名を轟か
せた英国初の女性首相マーガレット・サッチャーの言葉だ。教え込まれた学生が政官界
に進めば、「自己責任論」で弱肉強食を正当化する新自由主義の施策になんの迷いも抱
かず加担し、政治と行政が担うべき本来の役目を蔑ろにするかもしれない。

 安倍内閣は規制緩和を御旗として掲げ、水道法改定など数多の法改定と施策を強行し
てきた。その権勢を上手に利用して「昇進や第二の人生にまっしぐらの幹部官僚ら」を
動かし、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)/PFI(プラ
イベート・ファイナンス・イニシアティブ:民間資金等の活用による公共施設等の整備
等の促進に関する法律)の導入を見事に完遂したのが、竹中・福田の両氏である。両者
の「阿吽の呼吸」の痕跡は、政府による数多の議事録を見れば腐るほど目にできる。


官民連携インフラファンド→民間インフラファンドへの流し込み

 2009年に設立された「産業革新機構」は2018年9月、竹中氏も議員として名を連ねる
「未来投資会議」によって官民出資の投資ファンド「産業革新投資機構(JIC)」に改組
された。その子会社として新設された「INCJ」には、金融機関からの資金調達で政府保
証1兆8000億円がつき、最大2兆円規模の投資能力がある。

 同ファンドの出資金は95%が財政投融資の拠出だ。つまり、「ハイリスク、ハイリタ
ーン」というヘッジファンド同様の資産運用を行うリスクマネーの拠出を、国民のカネ
を預かる政府が担っているということである。

 従って、換言すればこういうことだ。「官民連携インフラファンドに巨額の政府保証
をつけさせて莫大な資金調達を可能とし、PFI 法で認められている官民連携インフラフ
ァンドから民間インフラファンドへの投資で国民のカネを民間企業に流し込む仕組みづ
くり」の礎を、すでにここで仕立て終えていた、と。

 その仕掛けは、2014年5月19日に官邸4階で開かれた「経済財政諮問会議・産業競争力
会議合同会議」でもうかがい知ることができる。竹中氏は「コンセッション制度の利活
用を通じた成長戦略の加速」という書類を配布し、幹部官僚の尻を叩いて「官民連携イ
ンフラファンド」についても強く打ち出しているからだ。同会議録から、「コンセッシ
ョン推進」と「インフラファンド推奨」にかかわる要所を抜粋する。

<……これに応えるために以下の施策を実施する必要がある>

<平成26年4月から向こう3年間」「に実施する案件について」「少なくとも、(筆者注
:コンセッション成約を)国土交通省(空港)6件、国土交通省(下水道)6件、国土交
通省(有料道路)1件、厚生労働省(水道)6 件とし、これら4分野の目標のうち地方公
共団体分に相当する15件」「については、地方制度を所管する総務省もその目標の達成
に協力する」「内閣府の数値目標として、上記案件で行われる投資金額の合計」「2〜3
兆円」「を目標とする>

<株式会社民間資金等活用事業推進機構(官民連携インフラファンド)」「の有するノ
ウハウや地域金融機関との協力関係の活用を図りつつ」「PFI 法上」「官民連携インフ
ラファンドに認められている民間インフラファンドへの投資について、支援基準を踏ま
え、取り組みを開始する>

 この産業競争力会議は、2年後の2016年9月9日に新設された「未来投資会議」と入れ
替わる形で廃止された。安倍晋三議長・麻生太郎議長代理で開かれた未来投資会議でも
、「公的資産と公的サービスの民間開放」が幾度もテーマとされてきた。


「インフラファンドとリンクしたインフレーションに最適の投資資産が公共料金」

 福田氏が補佐官在任中の2017年2月17日、「未来投資会議・構造改革徹底推進会合〜
第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション」(PPP/PFI)の第4回は、竹中会長が
中心となって議事が進められていた。

 当日のメインゲストは、マッコーリーキャピタル幹部としてアジアのインフラ投資を
動かすジョン・ウォーカー氏と、日本におけるマッコーリーキャピタル証券代表の大橋
純氏。既述のように、マッコーリー・グループは3大水メジャーから消えた英テムズ・
ウォーターを買収した豪州メガバンクで、非銀行部門に証券業務がある。従って、マッ
コーリーキャピタル証券は銀行系証券会社ということになる。

 実は、2011年2月に国土交通省航空局が開いた「第3回・空港運営のあり方に関する検
討会」でも、マッコーリーキャピタル証券の舟橋信夫副会長(当時)が招かれていた。
菅官房長官の下で竹中氏のパートナーとして動いていた福田氏は、同じ証券マンの先輩
である舟橋氏にコンセッション等の指南を受け、事情を知る証券関係者の間では「昵懇
の仲」だと見られてきた。

 これらの経緯をたどれば、舟橋・福田・竹中の3氏が「PPP/PFIによる国内コンセッ
ション」を起案し、同調する安倍内閣が政府としてこれを実現した構図が透けて見える
。水道コンセッションにインフラファンド市場ができれば、あとはそこに公的資金を流
し込むだけだ。

「新PFI法」が施行された2018年10月の下旬、宮城県では県が主催する「上工下水一体
官民連携運営事業シンポジウム『水道の未来を考える』」が開かれた。そこに講演者と
して招かれたなかに、水メジャーのツートップであるヴェオリア・ジャパンとスエズ・
アジアの幹部数名がいた。

 このなかから「スエズ・アジア アドバイザー」の肩書きで登場したのは、マッコー
リーキャピタル証券副会長を辞めた後も福田氏と昵懇だった舟橋氏である。

 インフラファンドが生まれたのは、マッコーリー社の母国・オーストラリアだ。2011
年に国交省が開いた前述の会合で、舟橋氏はマッコーリーキャピタル証券副会長として
、こんな話をしている。
「マッコーリー・グループがひとつだけ世界一の分野がある。インフラファンドの残高
だ」
「なぜインフラか? インフラのような投資資金にとって一番重要なのは、使う期間が
随分と先になるため、購買力を喪失するのが一番怖いという点。逆に、インフレーショ
ンに一番いい投資資産が公共料金である。公共料金はほとんどがインフレにリンクして
いる」
「グループのインフラ投資で最大の案件はテムズ・ウォーター。当時、企業価値は1兆8
000億円という投資だった」(以上、要約抜粋)

 東日本大震災が勃発する約1カ月前の話だ。「インフラファンドはインフレとリンク
しており、インフレに最適の投資資産が公共料金」「水道会社への投資額は1兆8000億
円」――日本で、その原資はどこから調達されるか。改定水道法の行方を透視するため
には、日銀・メガバンク等の動向を横目に官民インフラファンドと水道インフラファン
ドの動きを注視する必要がある。金融・証券のプロが政府の施策に影響を及ぼせば、巨
額の公的資金が裏で流れ始めるからである。


水道のインフラファンド経由で公的資金が民間企業へと流し込まれる

 閑話休題。既述の通り、2017年10月下旬に「新PFI法の施行」「2大水メジャーのシン
ポ参加」「福田氏の接待疑惑文書」の3つの動きが重なっている。水道法改定に対して
国民が不安を抱いているにもかかわらず、水面下では巨額「水道マネー」をめぐる利害
関係者の暗闘がすでに始まっていたようだ。民間企業の事業目的は「果てしない営利」
である。平成の世に日本にも上陸したPPP/PFIによる官民連携「水道コンセッション」
と「インフラファンド」は、間違いなく莫大な「水道利権」を生み散らかす。

 平成に準備されて令和に本格始動する改定水道法には、「自治体がこれまで及び腰だ
った料金値上げを、法制度間の整合性で容易にする仕掛けがあったこと」、そして「巨
額水道マネーを担保に、インフラファンド経由で公的資金を民間企業へと流し込む仕掛
け」があること、などを本連載で検証した。

 既存のマスメディアに期待できないからには、今後、住民/国民自らが「PPP/PFIに
踊り狂う自治体と政官財のカネの動き」を厳しく監視するしかない。多くの若者が手に
したネットは、そのためにも有効だ。黙認したり監視を怠ったりすれば、国民の水道資
産120兆円は、そのうち利権まみれで真っ黒に濁ってしまうだろう。

(Business Journal  2019.12.08 文=藤野光太郎/ジャーナリスト)

コメント(3)

たしかに、水道事業は、世界の水メジャーに狙われているようですね。
>>[1]

とくにアメリカのメジャーではありませんか。

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