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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 本(6月3日発売)ウクライナ危機の「糾弾」と「制裁」を超えて

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【孫崎享のつぶやき】
本(6月3日発売)ウクライナ危機の「糾弾」と「制裁」を超えて 平和を創る道の探求、 はじめに、(1)戦争(死者を出す)することに意義があるか、戦争(日露戦争)が起こた。誰にも無用で無益な困難が再来し、偽り、欺きが横行し、人類の愚かさ、残忍さを露呈した。
2022-05-21 06:4610


本(6月3日発売)ウクライナ危機の「糾弾」と「制裁」を超えて 平和を創る道の探求、
はじめに、(1)戦争(死者を出す)することに意義があるか

 2021年、米国がアフガニスタンから撤兵して、少し世界に平和が来たかと思いました。しかし、2022年3月24日ロシア軍がウクライナに侵攻しました。

 ロシアに対する激しい糾弾と、制裁を求める声が響き渡りました。日本の国内は、「一億総糾弾」「総制裁」論です。この時期、私は講演に出かけましたが、事前に主催者から「先生、最初にロシアはけしからん。ロシアは謝罪すべきだ。即時接待せよ」と呼びかけて下さい」との注文をうけ、「講師を決めるのは貴方方の権限です。でも何を話すかは講師の権限です。私は話したいことを話します。それが嫌なら招待を取り消してもらって結構です」と申し上げたことがあります。

 それ位、日本国内では糾弾と、制裁を求める声が強い状況でした。ウクライナのゼレンスキー大統領が3月23日、日本の国会でオンライン形式の演説を行いました時には、出生のほぼ全員がスタンディングオベーションを行いました。

 この本ではウクライナ問題に相当の部分を占めます。近い問題になればなるほど、人々は感情的になり、自分と異なる見解を嫌う傾向があります。それで「はじめに」で少し、一般論から初めて見たいと思います。

 私は外務省に入ってモスクワ大学に留学する直前チェコ事件が起きました。ソ連大使館勤務中、1969年に中ソ国境紛争が勃発しました。1979年ソ連のアフガン侵攻がありました。1986年から約三年イラン・イラク戦争中、イラクに赴任しました。防衛大学の教授時代、2004年に自衛隊のイラク戦争への参加がありましたが、その直前、参議院外交安全保障委員会に参考人として出頭し見解を述べました。なんだかんだと戦争に関わってきました。こうした動きを見るにつれ、「紛争にさせない解決の道がある。当事者は何故その道を真剣に探究しないのか」と思っていました。

 「戦争」の問題を考える時、頭に浮かぶ言葉があります。それはトルストイの言葉です。
1904年2月8日日露戦争が開始された後、同年6月27日、英国ロンドンタイムス紙に「日露戦争論」を発表します。

・戦争(日露戦争)はまたも起こってしまった。誰にも無用で無益な困難が再来し、偽り、欺きが横行し、そして人類の愚かさ、残忍さを露呈した。東西を隔てた人々を見るといい。一方は一切の殺生を禁ずる仏教徒で、一方は、世界中は兄弟であり、愛を大切にするキリスト教徒である。

・知識人が先頭に立って人々を誘導している。知識人は戦争の危険を冒さずに他人を扇動することのみに努め、不幸で愚かな兄弟、同胞を戦場に送り込んでいるのだ(太字は筆者)。」
日露戦争での日本の死者数11 万 5600 人、ロシアの死者数 4 万 2600 人とされています。戦費に関しては、野口悠紀雄氏は「日露戦争の戦費調達に高橋是清が奔走」というブログの中で「この戦費は、どのくらいだったか?アジア歴史資料センターの『日露戦争史』によると、約20億円。1905年度の日本の政府歳入が約4億円だったので、その5年分だ。 資料によって数字には若干の差がある。富田俊基『国債の歴史』(東洋経済新報社)によれば、戦費は17.2億円で、1903年度税収の11.7倍だ」と記しています。日本はその後、この巨額の戦費に苦しみます。

朝鮮半島の支配権をめぐる戦いですが、今日、日本もロシアも朝鮮半島に何の影響を持っていなくても、各々の安全保障に何ら支障がありません。朝鮮戦争は結局のところ、「誰にも無用で無益な困難」なのです。

日露戦争についてロシアの文豪がコメントしているのでから、日本の文豪のコメントも見てみましょう。

夏目漱石は日露戦争について、短編『趣味の遺伝』(1906年)の中で、「陽気のせいで神も気違いになる。“人を屠りて餓えたる犬を救え”と雲の裡より叫ぶ声が、逆しまに日本海を撼かして満洲の果まで響き渡った時、日人と露人ははっと応えて百里に余る一大屠場を朔北の野やに開いた』と書いた。「神も気違いになる」と表現しているのです。

私達は夏目漱石を文豪としてあがめていますが、彼の日露戦争感を知っている人はほとんどいません。ここでも彼は日露戦争を「陽気のせいで神も気違いになる」と書いているのです。

トルストイの論文の中で、私には「知識人が先頭に立って人々を誘導している。知識人は戦争の危険を冒さずに他人を扇動することのみに努め、不幸で愚かな兄弟、同胞を戦場に送り込んでいるのだ。」との記述が特に気になります。

コメント(7)

私には「知識人が先頭に立って人々を誘導している。知識人は戦争の危険を冒さずに他人を扇動することのみに努め、不幸で愚かな兄弟、同胞を戦場に送り込んでいるのだ。」との記述が特に気になります

全くですね。いつの時代も、知識人とは、論評するだけの人、これでは困る。
ましてや、日本の右翼的知識人は、いまだに、歴史の改ざんをして、戦前に戻そうとしてる。
困ったことです。
>>[1]

すーちゃんさんのご見解には、戦後の自由と平和を求める「時代の精神」の流れが息づいていると感じました。同感です。
>>[2]

ありがとうございます!昭和16年(大東亜戦争のはじまった、6日後生まれた)生まれですが、少しの戦争の思い出と、たくさんの親からの教訓が、浸みこんでます!!!
>>[3]

私にもすーちゃんさんと同年齢の次兄がおります。次兄と私は10才差です。
有難うございます。
>>[4]

櫻井さん、お若い。うらやましいです。
年月は戻らない・・・
>>[5]

ありがとうございます。
10と20は違いますが70と80は・・・同じですよ。(^-^)

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