孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者ダリオ氏

【孫崎享のつぶやき】
ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者ダリオ氏「実質金利がマイナスの状態で国が金を印刷し市場に金があぶれ、インフレ懸念。パンデミックや自然災害も相次ぎ、米国の国政へのリスク拡大。国内の秩序を保つシステムもうまく機能していない」
2022-01-09 08:259

2022（1）米の国力低下にリスク　ドル資産、価値揺らぐ
ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者　レイ・ダリオ氏

――米国の国力低下を指摘しています。
「実質金利がマイナスの状態で国がお金を印刷して市場にお金があぶれ、インフレ懸念も高まっている。
　世界の基軸通貨であるドルの購買力の低下を意味する。ドル建て債券を保持する各国の投資家にとっても弊害であり、米国の国力の弱体を反映している。
（注；米国実質金利（１０年）は２０１５年から２０２０年までおおむね０％から０．５％の幅を推移したが２０２０年からマイナスに転じ２０２２年初頭ではマイナス１％程度）」

「これに１００年に一度しかおこらないパンデミックや洪水、干ばつといった自然災害も相次ぎ、米国の国政へのリスクが拡大している。国内の秩序を保つシステムもうまく機能していない。

　歴史をふりかえるとこうした問題に直面する国家は内戦や戦争に突入するのが常だ。米国は内戦・戦争の段階にまでは達していないが、その前の財政のリスク、政治的リスク、社会的リスクに直面している最中だ」

―一方で中国の覇権を予想していますー
「国の歳入が歳出を上回り、教育水準や生産性も向上している。国内の社会的秩序も落ち着いており、紛争も少ない。社会主義が資本主義よりも優れているというつもりはない。ただ米国の民主主義が試練に直面していることは確かだ。」