孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】岸田首相は敵基地攻撃能力保持の検討を表明。

日本にとりこんな馬鹿げた策はない。北朝鮮は２５０－３００ミサイルを配備。敵基地攻撃で破壊できるのは５以内。残りで反撃される。
2021-10-23 07:403

１：岸田首相は１９日午後、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて開いた国家安全保障会議（ＮＳＣ）後に記者団の取材に応じ、敵基地攻撃能力の保有を含め防衛力を向上させることを確認したと明らかにした。岸田首相は「昨今の北朝鮮の核・ミサイル技術の著しい発展は、わが国と地域の安保にとって見過ごすことできない」と発言。「すでに国家安保戦略の改定を指示しており、敵基地攻撃能力保有含めあらゆる選択肢検討するよう今日改めて指示した」と述べた。
２：「対手国が攻撃能力を高めるなら、我が国も反撃能力を高めたい」というのは通常の反応である。
３：だが現状を考えるとこうした政策は全く馬鹿げた政策と言わざるを得ない。
　北朝鮮はミサイルを２００－３００実戦配備している。通常山の中など攻撃されにくい場所で、岩石などで保護されているケースが多い。さらに移動式がある。日本が敵基地攻撃で幾つのミサイルを破壊できるであろうか。せいぜい５以内であろう。残りのミサイルで北朝鮮は日本の政治・社会・経済の中心地に大量に反撃する。損得勘定は圧倒的に日本に不利である。
４：こうした無意味な政策を何故行うのか。
　日本の安全保障に利するものは何もない。では米国にとってどうか。米国にとっては北朝鮮への軍事オプションが増える。
５；では日本にどういう選択があるか。
　キッシンジャーは自分の『核兵器と外交政策』で次のように述べている。
（１）核保有の中傷国は、核兵器を使用しないで、自国の崩壊を容認することはない。
（２）しかし、この句には、もし核兵器を使用すれば、世界が存続を許さないことを知っている。
（３）従って、我々がなすべきことは、我々の方から、相手国、ないし指導者の排除に軍事攻撃することはないことを知らせることである。
　北朝鮮には、日本が国家、主導者を排除する軍事的攻撃に参画しないことを明確にすれば、北朝鮮に日本攻撃の理由はない。