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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 随想51:大塩平八郎著『洗心洞箚記』

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:「無能な役人が、賄賂を貪る役人よりも害を及ぼす事はより深刻」


 私は今大塩平八郎著『洗心洞箚記』を読んでいる。大塩平八郎は、大坂町奉行所の元与力で、天保8年(1837年)に反乱を起こしている。私が大塩平八郎に関心を持ったのは、三島由紀夫の言葉による。
 英国の日本研究学者にアイヴァン・モリスという人物がいる。彼の著書『光源氏の世界』は英国でダフ・クーパー賞を受賞している。ダフ・クーパー賞は文芸評論、歴史等の著作に毎年一名が受賞している。彼は源氏物語に精通している。
 三島由紀夫はこのアイヴァン・モリスに、「もしも西洋人が日本精神の本質を理解したいならば、日本人の持つ勇健精悍なたけだけしい英雄の典型として大塩平八郎を研究したらよい。日本精神とは王朝女官の日記や優雅な歌と歌とをかわすならわし、あるいは儀式的なお茶会などだけで代表されるべきものではない」と述べている。
 私はこの発言に興味を持ち、大塩平八郎を少し、学び始めたのである。
 アイヴァン・モリスは「大塩の乱は紛れのなく、挫折の一例である。一八三七年大飢饉による民衆の窮状を目の前にしつつ、無為無策のままの幕府に抗議して、大阪の儒学者大塩平八郎中斎は「救民」を旗識のもとに兵を挙げた。ところがその挙兵は完敗した。大阪町奉行与力として立派な業績をあげていたこの指導者、そして同志たちは、同じ町奉行の捜索によって、ことごとく逮捕され極刑に処された」「さまざまな思想、立場の人々が、大塩平八郎を崇拝してきたのであるが、それらの人々に共通分母があるとすれば、それは何であろうか。いかに危険な暴力的方法であっても必要ならば使用して、既存の権力体制を崩す決意をしていること、その行動の効果がいかに頼りないものであっても、その決意を固く保っていたことも挙げられる」と記した。
 また、三島由紀夫は『革命哲学としての陽明学』の中で、「大塩の著書『洗心洞箚記』は明治維新後の最後のナショナルな反乱というべき西南戦争の首領西郷隆盛が、死に至るまで愛読した本であった」と記している。
 こうした記載もあって大塩平八郎の著書『洗心洞箚記』を読んでいるのである。書の大半は、陽明学の「太虚」等を解いたもので、すぐに現生の諸事情を理解する物差しの役割を果たす本ではない。しかし、「大塩の乱」を興した人物のch策であるから、当然現状批判が含まれている。その中のいくつかを見てみたい。
 「利益を求める心が偉大な学者達にも媚を売る妾婦の態度をとらせる。なんと恐るべきことではないか」
「無能な役人が、賄賂を貪る役人よりも害を及ぼすことはより深刻である」
 確かに如何なる組織であれ、無能な役人(指導者)が、賄賂を貪る役人(指導者)よりも害を及ぼすことはより深刻である」というのはまさにその通りである。新聞を見ても、賄賂を貪る役人(政治家)は厳しく糾弾される。だがより害を及ぼす無能な役人(指導者)への糾弾は行わrているのであろうか。

コメント(1)

いまの、コロナ下での、政府・行政の無作為、腐敗が、当てはまりますね。
といって、大塩平八郎のような、義挙もあるはずがないが・・・
竹中平蔵のような学者は、有害でしかないですね。

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