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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 総務省問題で官僚を考える。

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私の著書『日本国の正体』中、ラフカディオ・ハーン『神国日本』より。日本の教育は個人を独歩の行動に鍛えるのではなく、個人を共同的行為にむくようにーつまり、厳しい社会機構の中に個人が妥当な位置を占めるのに適するようにー訓練すること。
2021-03-10 08:054


官僚:人間の奴隷でないが、制度の奴隷
 ラフカディオ・ハーンは著『神国日本』(一八八八年米国で出版し、日本では平凡社、一九七六年)から出版。その引用
・日本の教育は、見かけは西洋風でありながら、大体において、これまでも、また今でも、外見とは全く反対の方式に基いて行われているのである。その目的は、個人を独歩の行動を出来るように鍛えるのではなく、個人を共同的行為にむくようにーつまり、厳しい社会機構の中に個人が妥当な位置を占めるのに適するようにー訓練を施すことであった。我々西洋人の間では、強要抑圧は子供時代に始まり、その後徐々にゆるめられる。極東のこの国での強要抑圧は、もっと後になってから始められ、その後だんだん締めつけが強まってゆく。
・クラス生活の調整は、多数に対し一人が独裁力を振るうという事ではない。多数がひとりを支配していくというのが常道であり、−その支配力たりや実に強烈なものであるー意識的にしろ無意識的にしろ、クラス感情を害した生徒はたちまちのけものにされてしまう。・大きな官立の学校では、クラスの規律は、いよいよ厳格になっていく(中略)。だれもがだれかを見守っている。ひとなみでないこと、風変りなことなどは、たちまち注目の的になり、真綿で首に穏やかに押えつけられる。
・日本生活でのいろいろの出来事の内で、あのもっそりした学生の、威風堂々、落ち着き払った、応対自在の官吏への変身ほど、びっくりさせられることはあるまい。
・長い苦しい学窓生活は、彼に書籍が教える以上のことーどんな場合でも感情を顔にださないこと、−なんでもない質問で事の真相を素早くつかみとること、―心の隙を見せないように生きていくこと、−こうしたことを彼は体得したのである。つまり、彼は世俗の世渡りの道を習得したのである。
・彼は家族のものになり、集団のものになり、政府のものになっている。公的にはひたすら、命令を遵奉して行動しなければならない。そして命令にそむくような衝動に屈することは、その衝動が如何に大度最高潔な、或いは道理にかなったことであっても、夢にも考えてはならないのである。
・彼は人間の奴隷ではないが一つの制度の奴隷なのである。(中略)そしてたまたま悪い主人に仕えた手腕家なる下役に残されている唯一の道は、辞職をするか悪いことをするか。この二つに一つということになる。強い人なら、勇敢にこの問題に正面からぶっつかりそして辞職をする。ところがこのような強者一人に対して臆病ものが五十人いる。
「考察への問」(1)ハーンが明治の教育、官僚を書いているが、現在にも当てはまるか。
(2)官僚は「人間の奴隷ではないが一つの制度の奴隷」という評価をどう思うか。
(3)「命令にそむくような衝動に屈することは、その衝動が如何に大度最高潔な、或いは道理にかなったことであっても、夢にも考えてはならない」という評価をどう思うか。
(4)日本の教育の目的は「個人を独歩の行動を出来るように鍛えるのではなく共同的行為にむくようにすること」との評価をどう思うか。


コメント(2)

1〜4まで、すべて現在でも、ハーンの時代に当てはまると思います。
>>[1]

ラフカデイオ・ハーンは、日本人以上に西洋の合理的知識人として日本を把握していたということでしょうね。

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