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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】 その半減期は……2万……5千年……

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1984年に発表された「ゴルゴ13」のエピソード。単行本64巻。文庫版では55巻に収録。
「ゴルゴ学」の人気投票で2位を獲得するなど、40年以上にわたる連載の中でも屈指の名作。

【あらすじ】
ロサンゼルス市北方80kmに位置する南カリフォルニアG&E社「ヤーマス原子力発電所」
通常運転開始をロス五輪開会に間に合わせるため現場は無理を強いられ、小さなミスが続出していた。
安全主任のバリー技師は稼働を延期して不安箇所を点検するよう進言するが政治的理由で受け入れられず、運転開始日には現場から締め出されてしまう。

大統領補佐官を招いての式典のさなか停電で外部電源が喪失。自家発電機も整備ミスで起動が遅れる。 炉は安全に緊急停止したかに思われたが、バリーが点検を進言していた逃がし弁の故障で炉心に冷却水が入らなくなる。

上がり続ける温度と圧力、迫る炉心溶融(メルトダウン)の危機。 崩壊した原子炉からばら撒かれるプルトニウム239の半減期は2万5千年。 ロサンゼルス壊滅を防ぐには放射能蒸気の充満した原子炉内で詰まった配管の一点を撃ち抜き冷却水を入れるほか方法はない……!

【登場人物】
●コモン・バリー技師
「これも機械のせいじゃない、私の…不注意だ……」
ヤーマス原発安全課長。妻子を連れてヤーマス市に移住してきている。
ゴルゴによるリーバマン会長殺害を偶然目撃し、目撃者(自分)の命と引き換えに配管狙撃を依頼する。
問題の原子炉プラント「アポロン1号」の設計者であり、機械を愛し同僚からの人望も厚い真のプロフェッショナル。

●リーバマン会長
「彼を何とかしろ……」
政界に強い影響力をもつ南カリフォルニアG&E社会長。
企業のトップでありながら政府の監督機関NRC(原子力規制委員会)理事長も兼ねており、外部のチェックが機能していない。
事故発生直後ゴルゴに射殺される。(理由、依頼者等は不明)

●ジョンソン所長
「こういうときはスケープゴートが必要なんだ」
ヤーマス原発所長。技術者ではない背広組の中間管理職。 会長の意を迎えるだけの小物だったが、会長の死後もなお組織防衛に狂奔するさまは恐ろしさすら感じさせる。

●パーマー制御室長
「私は一人の優秀な技師を知っていました!そして、失いました……」
バリーの上司。知識豊富で善良な人物だが上層部と衝突するバリーをなだめに回り、結果的に危険を看過してしまう。

●テッド、ハーマンその他
「ちっ、かまわねえっもう1枚だ!!」
原発作業員たち。被曝の危険に身を呈して作業を行う。

●市長
「2万5千年……の荒野か……」 ロサンゼルス市長。国の面子が傷つくのを恐れ、パニックの危険を理由に最後まで避難命令を出さなかった。

●ゴルゴ13
「なら……俺の仕事は終了だ……」 言わずと知れた主人公。
今回は狙撃シーン以外ではほとんど出しゃばらず抑制された描写がストーリーをより引き立てている。 偶然とはいえ狙撃を見られる、軍の避難誘導に足止めされてバリーに捕まるなど微妙にうっかり。

【結末】
バリーの立てた作戦に従って原子炉内の狙撃ポイントに作業員たちが足場を組む。 充満する水蒸気で視界ゼロ、数分と留まることの許されない放射線の下で図面のみを頼りにゴルゴの銃口が火を吹いた。

何も起こらないじゃないか、君の腕を信じたのにと配管を確認しに近付いたバリーを熱水が襲う。

「冷却水が入ったんだ!成功だ!」
「やった、やったぞーーっ!!」

大火傷を負ったバリーは立ち去ろうとするゴルゴに殺しを目撃した自分は命を差し出さなくてはならない、アポロン1号の横で死んで約束を果たすと告げる。
ガイガーカウンターが鳴り響く中、ゴルゴはきびすを返して死にゆくバリーの煙草に火をつけてやるのだった。

危機の去ったロサンゼルスの対策本部では事故隠しを企むジョンソン所長がパーマー室長に口裏合わせを強要する。

トラブルは過激派と繋がっていたバリーが人為的に起こしたもので、大きな危険はなかった、と……

記者会見の席で虚偽の説明をする所長と室長。
そこにバリーが原子炉内で命を落としたと報せが入る。

「好都合じゃないか!死人に口なしだ!つづけろパーマー!」 「…………」

「これまでの私の申し上げたことをすべて取り消します!今回の事故の責任は政治的理由で通常運転を急いだ南カリフォルニアG&E社首脳部にあります!」
「コモン・バリー技師は死にました……自分を犠牲にしてロスを、いや、南カリフォルニア全域を死の灰から救ったのです!」

室長の告発に原子力は危険だとざわめく記者たち。
室長は現実に電力の20パーセントをまかなう原子力は必要であり、問題は機械ではなく人間にあると語る。

「我々のやるべきことは心ある技師の養成です!コモン・バリーのような」
「しかし人間のやることだ!必ずまた事故は起こるだろう!?」
「ないとは言えません……」
「答えてくれ!どうしたらいいんだ!?」

「そう……我々はどうしたらいいんでしょう………?」

どうしたらいいんでしょうか?

【評価】
本作の発表は1984年。スリーマイル島事故(79年)の後、チェルノブイリ(86年)より前にあたる。 120ページ余りの中に企業側と規制側の癒着
原発利権と環境問題に割れる地元世論ささいな偶然とミスが重なり何重もの安全システムが崩壊する人災の恐ろしさと原子力をめぐる問題点が不足なく盛り込まれている。

技術の進歩に人間の進歩が追いつかない……
この問いかけは四半世紀を経てもなお本作の鳴らした警鐘が意味を失っていなかった現実によって証明されてしまった。
ラストシーンの「どうしたらいいんでしょうか?」というパーマーの問いには、30年経っても未だ答えは出ていない。

また、純粋なドラマとしても本作は素晴らしいものである。
自身の生存を最優先するはずのゴルゴが見せた人間味ともとれる行動にはファンからは賛否両論あるが、 仕事に命を賭けた「プロ」から「プロ」への最大の賛辞、ゴルゴ13の美学を象徴する名場面といえるだろう、
、、

https://bit.ly/2NTDfk8

コメント(1)

SFは宇宙への夢も、地球の滅亡も描く。どちらが、現実になるのか?

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