孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】今後感染拡大なら政府の責任。政府想定の緊急事態では効果ない。

京都大学西浦教授のシミュレーション（東京）。①飲食店に限定し時短営業等対策の場合2月末時点で1日約1300 人、②去年4月の緊急事態宣言の際の効果と同等レベル→2月25日に1日100人。
2021-01-06 08:432

① 今、日本中が拡大の中にある。東京においてはほぼ毎日、曜日ごとの感染拡大を示している

② そして拡大か減少かを図る一つの目安は陽性率（PCR検査を受けた人に占める陽性者の割合）は、WHOは５％を増加、下落の一つの目安としている。東京都では長く５％近辺であったが、急激に上昇している。1月3日12.9 %にまで上昇している。感染対策の重要なポイントはどこで感染したか、その場にいた人を負うことにより抑え込む方法があるが、今や圧倒的に感染源を特定できない状況となっている。４日、接触者判明２６８名、不明６１６名。

⓷こうした状況の中、首相自ら、極めて甘い情勢認識をしてきたことを首相自ら認めている。
1/5のFNNインタビューで次のように述べている。
「首都圏は10時までになっている。大阪や北海道は臨機応変に8時などの対応を行ってきている。年末年始で感染状況のベクトルが下向きになると考えていたところ、まだ上向いている。それで緊急事態宣言という判断をするべきだと考えた。」

つまり、現在の政府において、年末、年始にかけ、感染拡大を十分に判断できる体制にないことを意味する。

➃1月５日NHKは「東京の感染者数シミュレーション十分に減少させるには」を報じた。
東京都の感染者数を十分に減少させるには、昨年の緊急事態宣言と同等のレベルの効果
を想定しても2月末までかかるとみられる。

シミュレーションは、感染者1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」と呼ばれ
る数値を使って行われました。それによりますと現在の感染状況から、東京都の実効再生産数はおよそ1.1となり、仮に新たな対策をせずにこの状態が続くとすると2月末時点での新たな感染者数は1日およそ3500人、3月末にはおよそ7000人まで増えるとみられる。
その結果、飲食店に限定して時短営業などの対策をとった場合、実効再生産数は10％下
がって0.99になると想定されるということで、この状態だと新たな感染者数はほとんど減らず、2月末時点で1日およそ1300人となりました。

一方、実効再生産数を今よりも35％少ないおよそ0.72まで下げることができたとすると
1か月半後の2月25日に新たな感染者数が1日100人を下回ったということです。実効再生産数を35％減少させるのは前回、去年4月の緊急事態宣言の際の効果と同等のレベルだということで、これよりも効果が弱いと感染者数が減るまでさらに長い期間がかかるということです。
西浦教授によりますと、前回の緊急事態宣言と同等レベルの効果を得るためには飲食店
の対策を中心としながらも不要不急の外出自粛や県境をまたぐ移動の自粛、それにリモートワークの徹底や会社でのミーティングを避けるなど、感染のリスクを下げる対策を徹底することが必要だということです。