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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】脱成長経済と社会的連帯で気候危機に立ち向かう 斎藤幸平・准教授➋

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ジェネレーション・レフトも政治的なプロジェクトによって、自動的につくられるわけではない。
若者たちが変わっていくのだから、と安心するわけにはいかない。
怒りの矛先を向けられている対象は僕らであって、アクションを起こすべきは大人なのだ。

これに対し、日本はオリンピック、カジノ、リニアで、どうしようもない。
外国人のインバウンドもやりすぎても、住民のためにならない。
バルセロナもそうである。
インバウンドに依存してはいけない。
種子法廃止したり種苗法を改定したりしているのだが、環境が過酷になるのであればこそ
工業生産的な単一品種が広がったらむしろ危険なのであって伝統農業を守らなければならない
のに、資本主義的には良いのだろうけれども、やれTPPだとか、そんなことばかりしている。

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そこで、何が豊かなのか。
何を守らなければならないのかと。
で、エッセンシャルワークだと。
私は思想が専門なので、豊かさは何かを再定義したい。
コンセンサスを作って、その上で実行可能な政策に落とし込んだり、
それを求める社会運動が必要になってくる。

こういうと「オレはステーキが食えないのか」というリアクションがすぐにあるのだけれども、
環境問題に取り組むこと=我慢だという志向が日本ではまだ強い。
けれども、Z世代はそれを我慢だとは思ってはない。
むしろ、貧しい人たちから搾取したり収奪するシステムには加担したくないと。
「このシステムは嫌だ」
「クリエイティブで楽しいことをしたい」と。
もちろん、怒りもあるのだけれども、そういうマインドセットである。
限度内で生きることも、エッセンシャルなものを見直して楽しく生きていくと。
それを彼らから学ぶことが必要だと思っている。


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質疑応答より抜粋


斉藤 脱成長はマイナス成長ではない。
豊かさを、GDP換算されない自然の持続可能性や人間社会の繁栄にずらす。
けれども、それは数値化できない。
数値化しないと人々は動かない、という価値観そのものが資本主義に浸っている価値観だろう。
今日のポイントは、そうではない価値観がでてきているということ。
なので、そういった悲観主義は共有していない。

・・朝日の調査でも30%が、幸せには経済成長が必要ではないと思っていると。

斉藤 今の若者が育っているこの20年はますます社会が悪くなっている。
そこで、より悪くなるくらいならば、いまの社会を変えないで落下のスピードをゆっくりにしたい。
そういうイメージになっている。
別の道があることを、日本ではサンダースみたいな人を欠き誰も言っていないし理論家もいない。

それが、3.5%である。
多数が変わらなくても2、3人が対岸に渡ってうまくいって、
10%がうまく動き出せば、社会は変わる。
若者の7割が意識転換しなければならない、ということではない。
別のことをしようというアントレプレナーが失敗しても犠牲は少ないし、
マジでうまくいく人もいる。
変革は簡単ではないが、諦める必要はない。
グレタがわずか2年で出てきたこともそうだし、日本もいつ出てきてもおかしくはない。
数年前はシールズもあった。

斉藤 脱原発運動は頑張ったと思うし、山本太郎が出てきたこともいいと思うのだけども、
社会が変わらなかったことは重く受け止めなければならない。

・・説得力あるお話、有難うございます。
先進国では経済の減速・ダウンサイズが無条件に必要だが、
発展途上国では生活水準の向上のためには経済成長・CO2排出の増加が必要あるいはやむを
得ないのではないかという疑問に対して、どうお考えになりますか。

斉藤 やむを得ない。
だからこそ、先進国がより減速・ダウンサイズしないといけない。

・・脱成長への不安を取り除く為に「共同体」は有効な手段だとおもうのですが、
どう伝えたら良いとお考えでしょうか。

斉藤 共同体というとヤマギシ会、と不安に思ってしまう。
私はミュニシパリズム派。
コモンもみんなで管理する。
つまり、コミュニズムとは違う。
誰もが管理できる大きな規模で、水、電気、医療、教育、
学生自治会で学生の意見を反映させるコモンが大事かなと思っている。

・・脱成長の下で、日本でベーシックインカムを導入することは可能なのでしょうか?

斉藤 わざわざしなくてもいいかなと。
商品に依存する領域をへらす。
お金がいらない社会を作ってしまえばお金を配らなくてもよくなる。
最低賃金をきちんと設定すればよい。

・・資本主義は無限の経済成長を求めている、というのは科学的理論ですか。
90年代までに対処していれば、資本主義をやめようとか言わなくても済んだ、
というのはどういうことですか。
無限の経済成長を求めるのであれば、いつかは資本主義をやめる必要があるのでは。

斉藤 そのとおり。
止められなかった。
チャンスがあれば、止められたが、ソ連が崩壊して、安い労働市場が大量に見つかって、
さらなる成長を求めてしまった。
常に成長するので、チャンスを逃してしまったと感じる。

・・日本の主要紙、民間放送局はスポンサーに遠慮して、
環境問題をほとんど採り上げていない状態です。
NHKでさえ、野生動物を扱うTV番組を流していますが、
自然環境問題まで踏み込んでいないのが現状です。
どのようにして、国民に気象変動等の環境問題の意識づけを行ったらよろしいでしょうか?

斉藤 そうですね。スポンサーに遠慮しているのかな?
けれど、関心が低いがゆえに、メディアが扱ってくれないという悪循環じゃないですかね。
メディアに責任はあるのですが、どこから悪循環を断つか。
海外では紙面は増えていますし、ガーディアンやBBCで情報が手に入るようになっていますし、
人々が「朝日でもっとやれ」と言っていくしかないのかなと。
一方、竹中平蔵は、地方は切り捨て、貧しい人は切り捨て、封建制の城下町のような街を
再構築しようとしている。
こういう分断で、資本主義が再び中世化していく。
住んでいる地域ですべてが可視化される社会になってしまう。
今回が、食い止める最後のチャンスになりつつあると思いますね。

・・マイケル・ファクリという国連「食料への権利」特別報告者が、
今年の中間報告で「緑の成長」や「緑の搾取」を批判しています。
食と農の文脈だけでは、緑の成長の限界は見えにくいように思います。
どこに問題があるのかを、可視化できるようにするにはどうすればよいでしょうか。

斉藤 最近、ファッション産業も透明性がない。
オーガニックを使っているといってもどうやって作られているのかというと、わからない。
地道にやっていくしかないし、彼らに義務づける必要があると。
消費者にちゃんと見えるようにすることを、法律で定めるのが早いと思います。

・・政府の政策で資本主義の暴走を止められると思われますか?

斉藤 止められません。
社会運動が必要だというのが私の考えです。

・・コロナ禍で、テレワークするので、都市を逃げ出し、田舎に居住すればよいという
主張や動きがあります。
テレワークできないエッセンシャル・ワーカーのことはさておき、
こうした考えや動きをどう評価されますか。
一面では、地方分権に貢献するかもしれないのですが。

斉藤 テレワークできる人とできないワーカーに分断が進む。
エッセンシャル・ワーカーが移住しないと、抜本的解決にはならないと思います。
どうやって一局集中を是正するか、の答えがないです。

・・日本では、若い世代ほど(資本主義の利益層の利益維持に努めていると思われる)
自民党政権支持なのはなぜだと思われますか?

斉藤 これから未来が悪くなる状況で、また民主党にしてグチャグチャになるよりは、
ゆっくりと落ち込みたいという保守化のせいです。

・・ありがとうございます。
日本では気候変動への危機感が低いのはどうしてだとお考えですか? 
これから日本でも変化は起きるでしょうか?

斉藤 メデイアの扱いが低い。
また、「平等な社会を作ろう」という規範が弱い社会。
それこそ今日から変えていかなければならないことだけれども、
例えば、酷暑、台風で立ち上がると期待しています。
知られていないのは大きいですね。

・・世界市民会議でも、世界平均が40%の中で日本は80%が知らなかったと。

・・「脱成長」でなければ温暖化はとめられない、という現状であることは理解できました。
日本において、これから「脱成長」による温暖化対策を目指すとしたら、
どのような政策に取り組んでいくべきだと考えますか?
一つや二つではなく、沢山の政策を実行していかなければならないと思いますが、
具体的な政策があれば、ぜひ教えてください。

斉藤 プライベートジェットを止める。
気候税、炭素税、そして、石炭火力等を止める、といくらでもできる。
そして、脱商品化ができればいいと思っている。

・・問題は資本主義という前にとりあえずはアメリカの新自由主義というべきではないでしょうか。

斉藤 利潤を追求するシステムを抜本的に相対化し、社会の豊かさと繁栄をGDPでないところに
シフトしていく。
まず、新自由主義を止める。
けれども、「ケインズ的に再分配」という話ではないなあ。
現状、「米国的な消費主義」ではない文化が広がっていく余地があると感じる。

・・斎藤さんの実践として、社会運動や選挙運動をするつもりはあるのですか?

斉藤 社会運動はするつもり。
選挙運動は今後の展開次第です。

・・新しいシステムが具体的でないので、斉藤さんの著作を、
「68世代のアヘン」という緑の党の関係者がいますが、どう思われますか。
また、対抗軸として具体論があれば教えて下さい。
ワーカーズ・コレクティブなどはうかがっておりますが。

斉藤 私がシナリオを書いたらスターリン的になってしまう。
ワーカーズ・コープとか有機農業とか、浜松市での水の民営化反対とか、いろいろな実践は
でてきている。
それをつないでいくのがコモン。
緩やかに、結託できるといいなぁ。
ある種のコミューンと思われるけれど、国家がやらなければならないこともいっぱいある。
再分配も必要だし、アナーキズムではないのだし、現実路線で、国家がすべて担ってくれれば
それでいいのかというと、、「コモン的なコトを増やしていく方向性」がいいのだと思っている。

・・最後に司会から。
昆虫食をされたそうで。
コオロギのスパゲティはおいしかったですか。

斉藤 美味しかったですね。
パウダーにすると見た目もわからない。
近畿大学の学生がやっているんですね。
若者が楽しいですよと。
我々は、楽しいのかなと思ってしまうのだけれども、
肉は負荷がかかるし、純粋に面白いなと思う。
毎日コオロギを食いたいなとは思わないけれども。
一回チャンレジすると、意外にいけるねと価値観が変わるし。
それをシェアできればいいのかな。

・・肉をがまんする、じゃなくてね。

https://bit.ly/3mjVJpr

コメント(1)

斎藤先生の、ムユーニシパリズム。いいですね。これからは、資本主義、とくに新自由主義では、経済のみならず、人間性が破壊されてしまいます。
なんとか、今のうちに、新しい、経済理論、社会学を確立、実践してほしい。

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