孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】バイデン国務長官に長年バイデン氏補佐のブリンケン氏指名。どんな人物か

①欧州派、国際派、②フランス語堪能、親仏、⓷6年間米国上院で勤務、⑤家族（妻、離婚後の母の再婚相手）が政府機関で働く、➃ユダヤ人、⑤イラク、シリア、リビア等の軍事介入を主張
2020-11-28 10:21
バイデン氏は国務長官に、長年にわたってバイデン氏を補佐してきたブリンケン氏（58）を指名した。では彼はどの様な人物なのか。POLITICO記事の抜粋。
A:事実関係「ブリンケン氏について知るべき９（9 things to know about Antony Blinken, the next US secretary of state）
1. 欧州派、国際派（ Europeanist, multilateralist, internationalist）
彼の欧州との結びつきは生涯継続し、深く、個人的なものであり、大西洋を越えての同盟の強い信奉者である。
彼は欧州を「重要なパートナー（“a vital partner”）とみなし、トランプの「米軍のドイツより撤退案」を「馬鹿げた事」とみなしている。
テロ、気候、貿易、中国、イラン等米国は同盟と協力すべきであるとしている。更に国際機関での指導力は米国に必要とみなしている。
２：フランス語堪能、親仏（Francophone and -phile）
　子供の時代フランスで過ごす。母が離婚した時、母はホロコーストを生き延びたポーランド系アメリカ人と結婚。
３：6年間米国上院で勤務（ Six years in the U.S. Senate）
　2002年バイデンの下で働く。民主党外交委員会スタフの長。
トランプ大統領は離任前、１月１５日までにアフガニスタンとイラクに駐留米軍を各々2500人に実施決定。大きい意義。１月２０日バイデン就任の前に実施の異例な事態。バイデン大統領就任後、再び増派を考えるとみられるが、イラクは米軍駐留に強い反対の動き。
４：Anthony Luzzatto Gardner,と子供のころからの結びつき。
５：公的任務が家の伝統（Public service as family business）
　ブリンケンは1995年NSCのスピーチライター。妻となるEvan Ryan,はクリントン大統領夫人の日程担当。妻はヒラリー・クリントンの上院議員立候補の時、選挙事務所で働く。2013年から17年国務省でassistant secretary。
ブリンケンの妹Leah Pisarも国務省で働き、駐ベルギー大使。
６：ユダヤのルーツ（6. Jewish roots, European conscience）
７：介入主義者（7. Interventionist）
　シリア介入、リビア介入、イラク介入を主張。８：ギターを弾き、サッカーをプレイ。
　トランプ大統領は基本的に海外での米軍の撤退を望んできた。
　大統領選でバイデンに敗れたことがほぼ確実になってきた中、アフガニスタンとイラクに駐留米軍を各々2500人に実施することを決定した。
　ただし、新たに成立するバイデン政権はこの流れを歓迎しない。新政権の下で、元に戻すことを考えていくであろう。ただし、イラクにおいては米軍の駐留に対する反対は強く。増派に向けて動くのは容易ではない。