孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】米国大統領選挙、直前状況。バイデンリードであるが予断を許さない。

世論調査でバイデンのリードは７．４％。差縮小中。勝敗決める激戦区の差は３．２％。賭けではバイデン63.6％、トランプ35.3％。ここ数日の動静が極めて重要。
2020-10-31 07:17
１：　私は大統領選挙の予測に、①全国世論調査、②激戦区情勢、③賭けでの比率を利用する。　　米国選挙は各選挙区全取り（選挙人数）計５３８。共和党（中西部）、民主党（カリフォルニア、東部）の強い地域は不動。従って流動的州の　動向を積み上げる必要がある。激戦区：フロリダ（29）ペンシルベニア州（20）オハイオ州（18）ミシガン州（16）ノースカロライナ州（15）、バージニア州（13）等である。　
２：先ず全国世論調査は次のとおり。
RCP 平均10/21 - 10/28では、バイデン- 51.1　トランプ43.7、差はバイデン +7.4である。　ただし個別を見ると接近しているというデータもある。Rasmussen Reports10/26 - 10/28はバイデン48、トランプ47である。又The Hill/HarrisX 10/25 - 10/28はバイデン49、トランプ４５である。３：激戦区全体は10/30時点で、バイデン49.0、トランプ 45.8である。各州別に見ると極めて頻繁に変化している。
　　　　　　　　　　　　　　　　バイデン　　　トランプFlorida October 30th 48.4 47.2 Biden +1.2
Pennsylvania October 30th 49.9 45.6 Biden +4.3
Michigan October 30th 50.0 43.5 Biden +6.5
Wisconsin October 30th 50.3 43.9 Biden +6.4
North Carolina October 30th 48.2 47.6 Biden +0.6
Arizona October 30th 47.0 47.0 TIE
４：賭けではバイデン63.6％、トランプ35.3％である。
５：こうした状況を判断する今一つの数字が２０１６年のトランプ対ヒラリーの選挙との比較である。この時は全国の総得票ではヒラリーが勝ったが、州別選挙人数でトランプが勝った。
　　　　　　　　　　　２０２０年　　　２０１６年
Top Battlegrounds D +3.2 D +1.6 Biden +1.6
RCP National Average D +7.4 D +2.3 Biden +5.1
　つまり、２０１６年の再来をもたらさないバイデンの激戦区でのリードはわずか１．６％である。
６：更に今回の選挙で混乱が予測されるのは郵便投票の扱いである。
　　開票は選挙当日以前には行われない。これが予想以上に手間がかかる。①集める、②開封する、③週によって本人確認をする、➃候補者別に集計する、⑤カウントする。一般に民主党支持者の郵便投票が多いとされるので、一般投票の開票時点ではトランプが優勢に出る可能性があり、その際トランプは勝利と発言し、僅差の場合には法廷闘争となる。