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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】 「うちの子の成績を悪くして学校をやめさせてほしい」

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村落部では親が先生に賄賂を渡すことがあるが、その目的は、「うちの子の成績を悪くして学校をやめさせてほしい」というものだ。
マリでは都市部や村落部を問わず、「学校教育を受けて成長することは、必ずしも人間の最適な人生ではない」という考え方がある。
マリには、小学校から留年制度も退学制度もあるが、成績でこけない限り学校教育は続く。つまり、「こけさせればいい」のだ。
教科学習は、一部の人にとってはためになるかもしれないが、20年やっても結果が出ない可能性もある。したがって、村落部では学校に進むよりも地域で育てるほうが、その子の人生は充実すると考える人たちが少なくない。
一生懸命学校に行かせるのではなく、むしろ一生懸命学校をやめさせようとする。なぜかというと、マリでは多くの人が、学校以外に人間形成の場があるということを知っているからだ。
マリで育ってきた私は、この日本との価値観の違いを肌で感じ、教育とは何か、ということをいつも考えている。
【第8章 コロナの時代をどう生きるか 「サコ学長、日本を語る」 ウスビ・サコ 198p】
学長選挙で投票してくださった人たちも、「アフリカ人を学長に」などとは思っていなかったでしょう。そう、そこが大きな意味を持っていますし、責任や誇りを感じる点でもあります。「アフリカ人だから学長に」ではなく、「この人だから学長に」と推してくださる人たちがいたのです。つまり、私の背景だけでなく、「個」を尊重してくれたのです。
「『これからの世界』を生きる君に伝えたいこと」
今回、イタリアが緊急事態に陥ったとき、社会主義国キューバの医師団が、サポートに入っている。キューバといえば、これまでヨーロッパから見れば社会的、経済的に遅れていると思われ排除されてきた国だ。イタリアは移民政策が厳しい。アフリカからの移民を差別し排除するような政策をとっている。ところが、キューバ医師団の半分以上が黒人系であり、アフリカの各メディアではこのことを大きく取り上げている。
そのなかでは世界秩序に何らかの変化が起こったという、前向きなコメントが多かった。
【第8章 コロナの時代をどう生きるか 「サコ学長、日本を語る」 ウスビ・サコ 185p】
教育とは、偏差値でも識字率でもない。
教育は何のためにあるのかというと、個人を幸せにするためである。
幸せとは何か。
その基準は、それぞれの国や地域、民族、個人によって違い、そこには決まった概念もイメージも、正解もない。
本当の意味で自分を幸せにするには何が必要か。
子どもたちを幸せにするものは何か。社会を幸せにするものは何か。考えることを放棄せず、立ち止まってみれば、きっと見えてくるものがあるだろう。
私たちはまだ、教育をあきらめるべきではないのだ。
【第8章 コロナの時代をどう生きるか 「サコ学長、日本を語る」 ウスビ・サコ 199p】
「文科省の言ってることを全て聞いてる限りは、多様性もグローバル化も実現できません」
(ウスビ・サコ学長 2019年6月、大学コンソーシアム京都設立25周年記念講演会)
【第7章 大学よ、意志を持てーーサコ、大学を叱るーー 「サコ学長、日本を語る」】
「人間尊重」「自由自治」を基盤とし、新しい人類の展開に対して責任を負い、世界に尽力する人材の育成を使命とする京都精華大学では、学生、教員、職員がすべて人格的に平等であり、全員が大学の創造に参加する
(岡本清一 初代学長 1968年 京都精華大学開学覚書)
【第5章 一緒に、大学を作りたいーーサコ、学長になるーー 「サコ学長、日本を語る」】
深夜の戒厳令
ついに昨日(5月17日)の真夜中、24時を期して全国に戒厳令が布かれた。政治活動中止、大学は休校、
そして、、、民主人士が全員逮捕された、、、今日の午も、、、駅前で数千の学生がデモをしたという、、、昨年の暮から国会はまったく開かれていない、、、友人の記者たちや市民の間に流れている情報を総合すれば、、、事態は次のような模様である。
19日の月曜日にデモに参加した学生はわずか200余名であった。それに対して軍隊はヘリコプターなどを動員してペパー・フォグをうちこんだので、学生たちは一つに固まらざるをえなかった。そこに、軍隊が突入して銃剣でつき刺した。その時は学生たちが軍に追われて、解散している時であった。そしてこの輪の中に入った全員が殺害されたのであった。それを見かねて一人の警官が、それはあまりにひどいではないかと一言抗議すると、彼も直ちに銃剣につき刺されて倒れ、息を引きとった。
一人の老人が学生たちが逃げて行くのにあまりにひどいではないかというと、その老人も刺し殺された。そこで群衆がその兵士を捉えて叩き殺したという。兵士たちは、ほとんど無差別に銃剣で刺した。彼らは「全羅道の連中は滅種してもかまわないんだ」と叫びながら、子供たちもつき刺した。タクシーのドアをあけて運転手をつき刺した。それを見た他の運転手たちがタクシーを軍隊の中につっこんだ。そのため、軍が引き、市民たちが武器を奪いとった。
こうして軍と市民の衝突は始まった。
【1980年5月 「軍政と受難」 第四・韓国からの通信 T・K生 岩波新書 80年9月刊】
1957年に、緒方信一文部事務次官(元昭南市警視総監)が、軍政時代を懐かしく思い、昔の任地であるシンガポールを訪ねた。このとき、軍政犠牲者の遺族が憲兵隊に虐殺された犠牲者の死体を埋めた場所を聞きだそうと、大挙してホテルに押しかけたので、大急ぎで逃げ出し、空港の裏口から入れてもらい、一番早い飛行機に搭乗して急いで出国したそうである。
この事件は、シンガポールの新聞には大きく報道されたが、日本の主要紙の外報部は些細な事件とみなして、この外信を記事にしなかった。
この体験をうかがったのは、同氏が文部省を退官して、日本育英会の会長であった1970年代前半である。日本育英会が設立された当時は、朝鮮半島出身者に奨学金を支給していたのに、戦後になって打ち切ってしまった。
そのいきさつを聞きながら、田中宏さんといっしょに緒方氏の回顧談を拝聴していた私は、シンガポールでのエピソードを聞き、口からこぼれそうになる「なぜ逃げ出したんですか」という言葉を飲み込みながら、複雑な気持ちであった。
その気になれば、日本政府も当事者も謝罪の言葉を表明する機会がなかったわけではないのである。
「人びとのアジア」中村尚司 岩波新書 95p 1994
単調な労働を週72時間しても30ドルも稼げない境遇にある人の誰とも我々は面識がない。
貧困と関連した原因で死ぬ人々は人類の3分の1を占めるが、その中には我々が今までに一緒に時間を過ごしたことがある者は誰も含まれていない。また、これらの故人たちとの知り合いで今でも気にかけている者も我々は誰も知らないのだ。
Thomas Pogge トマス・ポッゲ
「なぜ遠くの貧しい人への義務があるのか――世界的貧困と人権」
かつてアフリカ各国は、先進国に政治的にも経済的にも従属しない国民国家の建設を目指してきた。その過程で、多くの国では「市場の自由化」とは真逆の政策をとってきた。すなわち、自分たちの製品は自分たちで生みだそうという、国営企業を中心とした中央集権的な社会主義政策が採用されてきたのである。だが、これらの計画経済にもとづく国民国家の建設は、1980年代になると膨大な借金だけを残して行き詰まってしまった。その際に、IMFや世界銀行などの国際機関から求められたのが、非効率な国営企業の解体(民営化)や「市場の自由化」に向けた一連の経済政策(農産物の自由化、公共投資の見直し、政府補助金の廃止など)であった。これらの経済政策は、融資条件としての金融の引き締め政策の枠を超えて、政治構造や社会構造の変革を目指す「構造調整政策」と呼ばれた。この政策は、アフリカの38カ国以上で実施され、大きな社会変動をまきおこした。
その結果、アフリカは大きく変わっていった。続く1990年代、アフリカ各国は、市場経済の原理にもとづく「新自由主義」の荒波に完全に飲み込まれていく。そして、2000年代にはいるとアフリカ各国の政治指導者たちも、世界を席巻する「新自由主義」という「万能薬」の効用を信じ、グローバリゼーションの「積極的な推進主体」へと変貌していった。
制度的な基盤が整わないなかで、「新自由主義」を受け入れざるを得なかった国では、急速な市場経済化から生じた歪みが、そこかしこで表面化することになり、その歪みは、ときにはテロや紛争といった暴力的なかたちで顕在化した。
自らの国家のヴィジョンを描くこともままならず、グローバリゼーションの歪みでテロや紛争が生じ、そして人々が市場競争から取り残され、貧困と絶望のなかで手足をもがれたまま「沈みゆく大陸」 ―― これがアフリカの本当の姿なのである。
https://bit.ly/33hrUzi
【はじめに 「アフリカ経済の真実」 19p 吉田敦 2020】
コカイン1kgの取引額は、原産地の南米では2700から4000ドルであるが、西アフリカ沿岸諸国に陸揚げされた時点で、1万3000ドルにはね上がる。
サヘル地域の交易地(キダル、アガデス)では1万60000ドル、北アフリカの主要都市では2万4000ドルへと段階的に値上がりしていき、最終消費地のヨーロッパでは4万から6万ドルで取引される。
(West Africa Commission on Drugs: WACD, 2014)
【第2章 混迷するサヘル 「アフリカ経済の真実」 99p 吉田敦 2020】
原油価格は2008年7月に1バーレル 147・27ドルの最高値をピークに下降をはじめ、2016年には40ドル前後にまで下落したものの、2019年には、60ドル前後にまで回復した(2020年5月現在、新型コロナウイルスの需要ショック等の影響により30ドル台と低迷している)、、、
7年半にもおよぶフランスからの独立戦争で100万人以上もの犠牲者をだしながら、獲得した石油資源は、残念ながら「天の祝福」にならずに「資源の呪い」となって、アルジェリア経済を蝕みつづけている、、、アルジェリアでは、贅沢さえしなければ、基礎食料品(小麦粉、牛乳、食用油、砂糖)価格が政府補助金により世界一安い価格で手に入る。
国内で供給されているディーゼルガソリンの価格は1リットル20円(2017年時点)と、世界的にみて大変安価である(ベネズエラ、サウジアラビアに次ぐ低価格)。未曾有の石油価格の高騰の時期、国民は石油という富により供される食料や燃料などを前にして、「魂の服従」を強いられつづけてきたのである。
【第4章 「資源の呪い」に翻弄されるアルジェリア 「アフリカ経済の真実」吉田敦 2020】
コンドームを用意するんだ。そして、ドル紙幣の札束を筒状にまるめて、その中にいれ、しっかりと結ぶ。それを肛門に押し込むこともできるが、兵士がそれを見つけてしまうかもしれない。
もっと良い方法は、飲み込むことだ。コンドームに紐をつけて、片一方を自分の歯にくくりつける。俺は、喉を通りやすくするため、飲み込むときにヴィックス(のど薬)を塗るんだ。慣れてくれば、この方法で自分は4000ドルまで飲み込むことができるようになった。もしコンドームをつないでいる糸が切れてしまったら?腐った牛乳と水を混ぜたやつを飲めばいい。
下痢になって、そいつを回収できるからな。ジャングルのなかでのダイヤモンド取引では、「フランクリン」(100米ドル紙幣)が使われる。この国の米ドル紙幣がどれも赤茶けたシミがついているのはなぜかって?
誰かの血液か、内臓を通ってきたからだ。
(Zoellner, T., The Heartless Stone, Macmillan, 2007)
【第5章 絶望の国のダイヤモンド 「アフリカ経済の真実」吉田敦 2020】
アンゴラのクアンゴ川から4体の遺体が引き揚げられた。
身元を特定することが不可能なほどに遺体は膨れあがっていたが、唯一の手がかりとなりそうなものは、一人の男の腕に残されていたダニーというタトゥーだけであった。だが、それが彼の名前を示しているという確かな証拠はない。4体のうち2体は、固く縛ったプラスチック製のゴミ袋にいれられていた。そして、すべての遺体の首元から腹回りにかけてロング・ナイフか、マチェーテ(山刀)のようなもので切り裂かれ、内臓が取りだされていた。
想定される状況はこうだ。
4人のうち1人が、ダイヤモンド原石を飲み込み、体内に隠しもっていた。そして、その男たちを殺害した者ーーおそらくは警察か軍人ーーが、死体の体内からそのダイヤモンド原石を探しだそうとしたのだろう。
(Zoellner, T., The Heartless Stone, Macmillan, 2007)
【第5章 絶望の国のダイヤモンド 「アフリカ経済の真実」吉田敦 2020】

コメント(1)

アフリカの資源国に、新自由主義がもたらされたら、こういう状況になるのですね。
恐ろしい人間の業です。

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