孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】コロナ対応でますます国民意識と離れる安倍政権。

「ＧｏＴｏトラベル」「評価する」２５％、「評価しない」６６％、緊急事態宣言「出すべきだ」は６１％、臨時国会「開くべき８割。コロナ下での経済再開が成功しないことは米国が示す。経済の為にも先ずコロナ抑制
2020-08-04 07:383
１：　先ず、我々は世論調査をどこまで信頼していいかという問題がある。すでに産経・フジの世論調査が一部受託会社が創作した数字であることが判明している。その前提をおいた上で、論を勧めたい。
２：コロナ対応で国民の批判を浴びたのは、①「アベノマスク」、②「ＧｏＴｏトラベル」キャンペーンであった。②については感染者急増の中でのキャンペーン拡大になるのではないかとの懸念がもたれ、結果的に沖縄の例をみても、拡大につながったと言える。
３：８月１日、2日実施のTBS系の調査では次が明らかになっている。
（１）「ＧｏＴｏトラベル」キャンペーン全体の評価
「ＧｏＴｏトラベル」キャンペーンの是非。「評価する」が２５％、「評価しない」は６６％、
・キャンペーンを使いたいと思うか、「使いたい」は１９％、「使いたいと思わない」が７７％。
（２）緊急事態宣言
再び出すべきか「出すべきだ」は６１％、
（３）臨時国会
早期に臨時国会を「開くべき８割
（４）政府のコロナ対策の評価
　「評価する」は２６％と、今年２月以降で最低の数字
（５）内閣の支持率
　安倍内閣を支持は、先月の調査結果より２．８ポイント減って３５．４％。一方、支持できないという人は２．４ポイント増加し、６２．２％。
２：国民の意識は明確である。
　現状は「ＧｏＴｏトラベル」を中止する事、緊急事態宣言を再び出す事、臨時国会を開催し協議する事である。
　政府はこれらと反対の方向を向いている。
３：コロナ対策は容易なことではない。
　コロナに対する対応策は決して容易ではない。一方で、ソーシャル・ディスタンスを求め感染拡大を抑制する要請がある。他方、出来るだけ経済社会活動を平常通り運営し、経済悪化をもたらさないという要請がある。
　この選択の中、国際的に対応は二つに分かれた。一方において、全体主義的手法でコロナを抑え込みにかかった中国、そしてコロナ検査を一日一万件以上実施し、感染者を隔離し、その動向を徹底的に把握した韓国がある。　他方、米国にみられるごとく、コロナ拡散の不安があるが、経済の運営に支障を起こさないように対応しようとする国がある。日本もこの範疇に入る。
　そして結果として、米国は第2四半期の経済成長が4～6月期の実質国内総生産が前期比年率換算で32.9%減少となった。経済を順調に維持するためには、コロナの制圧が不可欠なのである。
４：国際社会を眺めた時の英知と、国民の感覚は一致している。かたくなに経済再開を優先しようとする政府は今後も国民の厳しい評価を受けるであろう。