孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】コロナ禍のいま、『水は誰のものか』

コロナ禍のいま、『水は誰のものか』
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/free_edu.html
地球上のすべての生き物に必要不可欠な水。しかし人類が利用可能な淡水は、地球上の水のわずか0.01％。人口増加や経済開発に伴って、水の使用量は増加する一方で、異常気象や環境破壊、都市化の影響で水資源は急激に減りつづけています。世界には安全な水を利用できない人びとが12億人もいます。さらに経済のグローバル化のなかで、企業による水の民営化・商品化の流れが進行。すべての人が生きていくための権利としての水、地球規模での「公共財」としての水のあり方を考えます。
・・・
水道事業の民営化に直面するマニラやジャカルタの都市住民たち、慢性的な水不足のせいで、わずか200リットルの水で1週間をしのぐ中国農村の家族、コカ・コーラ社による地下水汲み上げに対して立ち上がったインド・ケーララの人びと－。そして日本にいる私たちは、中国などから農産物や工業製品を輸入することで、間接的に水を大量に輸入しているのです。いったい水は誰のものなのでしょうか？
■制作：アジア太平洋資料センター（PARC） 2005年　　28分
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
関連作品『どうする？日本の水道　自治・人権・公共財としての水を』（2019年）予告編　２分強
人口減による自治体の財政難、老朽化した水道管などのインフラ、職員の高齢化・減少など、多くの課題を抱える日本の水道。政府はこれらの解決策として水道事業の運営権を民間企業に売却するコンセッション方式を推奨しています。2018年12月の水道法改正にもこれを促進する内容が含まれています。しかし、「民間からの投資」は、本当に「苦難を乗り切る万能薬」なのでしょうか？
　水がなければ私たちは生きていけません。
　水は人権であり、自治の基本です。
　日本の水道普及率は98％を超え、豊かな水源と高い技術力によって、世界有数の「飲める水道水」を誇っています。自治体が責任もって水道を運営することで、日本国憲法第25条の生存権のひとつである「公衆衛生」が保障されています。
　しかし、日本の水道は今、多くの課題を抱えています。人口減による自治体の財政難、老朽化した水道管などのインフラ、職員の高齢化・減少です。これら課題の解決策として、政府は水道事業の運営権を民間企業に売却するコンセッション方式を推奨しています。2018年12月の水道法改正にもこれを促進する内容が含まれています。「民間からの投資」は、本当に「苦難を乗り切る万能薬」なのでしょうか？
・・・
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
中村哲氏、アフガン銃撃死１カ月　「後継者は水路」　
ぜいたくと無縁、理屈もこねず、ただ実践
毎日新聞2020年1月4日　西部朝刊
アフガニスタンで医療・農業支援に取り組んでいる福岡市のＮＧＯ「ペシャワール会」現地代表で医師の中村哲さんが現地で活動中に銃撃され、７３歳で亡くなって１カ月。中村さんとはどんな人だったのか。会の広報担当理事であり、３０年以上も活動を支えてきた出版社「石風社」（福岡市）代表の福元満治さん（７１）は語る。「経済至上主義の物質的な豊かさとは無縁で、なおかつ清貧だとか平和を声高に語ることはない。理想について説教をすることなく、具体的に実践する。かといって聖人君子とも違う。ちょっとあまのじゃくで、物質文明の中で、それと異なる世界を見ている人がいた。それが中村先生だった」
【毎日新聞　西部報道部／佐野格、飯田憲】
「いつかこんなことが起こるのではないかと恐れていた。でもいまだに現実感がない。火葬場で中村先生のお骨も見たのだが」。２０１９年１２月４日にアフガニスタン東部・ジャララバードで中村さんらの乗る車が武装集団に襲撃され、アフガニスタン人の運転手ら５人とともに命を落とした。あと数日で年が明けるという２０１９年の師走の夕暮れ、福元さんは石風社の事務所で天井を見上げた。涙は出ない。あるのは喪失感だけだった。
２人の出会いはペシャワール会が発足（１９８３年）してから４年後の１９８７年。現地でハンセン病の治療に当たっていた中村さんが新聞に寄稿した文章を読んだのがきっかけだった。「患者やアフガン難民との関係の深さに嫉妬した。この人の本は自分が出さなければと思うと同時に、本を出せば編集者と著者との付き合いにとどまらない予感があった。ただ、その後パキスタン・アフガニスタンに２０回以上も行くことになるとは、思いもしなかった」。それ以降、他社の出版物も含め、中村さんが発表する文章のほぼ全てを仲介し目を通してきた。
アフガニスタンに侵攻した旧ソ連が撤退した後の９１年から、アフガン、パキスタン両国に次々と診療所を開設。その一方で、戦乱と干ばつで荒れたアフガンの地に１６００本の井戸を掘り、長大な農業用水路を拓き農地の復興を目指した中村さん。なぜ、３０年以上にもわたって危険な地で活動を続けることができたのか。「そこに倒れた人がいたら逃げるわけにはいかん。男ならやらんといかんだろう」。中村さんはそう話していたという。「メンタリティーは古い明治人のような人物だった。『憲法９条があって、天皇陛下がいて、日本だ』と言う人で、伝統社会の美質が芯にある人だった」と評する。
２００１年には米国で同時多発テロ事件が勃発。急速に現地の治安が悪化し、アフガンが米英による大規模な空爆を受ける中、ペシャワール会は０２年２月までに約１５万人に主食の小麦粉と食用油を配給。さらに干ばつで荒れた農村の復興を目指す「緑の大地計画」を立案し、翌２００２年から「１００の診療所より１本の用水路」「薬では飢えと渇きは治せない」として用水路建設を始めた。「最初は中村先生と一緒に福岡の書店に河川工学の本を買いに行くところから始めた。ほとんどが独学。干ばつでガチガチに固まった荒れ地に二人で立って『ここに用水路を通すばい』と中村さんが言った時、私にはアフガンのあの地が緑に変わるなどとは想像できなかった。でもそれが緑の沃野になった」。全長約２５㌔に及ぶ水路は７年後の１０年に開通した。
用水路事業は延べ２００万人の雇用を生み、福岡市の半分にも及ぶ約１万６５００㌶を緑地化。一度は難民や武装勢力の傭兵となった多くの農民が帰村した。「中村先生は平和運動を目指していたわけではない。井戸を掘り、用水路を造り、難民に仕事を取り戻し、結果として治安が良くなった。用水路を造れば、学校や市場やモスクができる、平和運動ではなく実のあることをしただけだと思う。本質的なことを大地に足をつけて実践していく人だった」。一方で、用水路完成後も洪水などによる被害を住民の視点で考えていたのは、中村先生だけだったかもしれない。「孤独な人だった」と指摘する福元さんはそう考えている。「そこまでの重圧を一人で抱えていた。志が高いというよりも、志の深い人だった」
現地のイスラム教徒が中村さんにこう尋ねたことがある。「あなたはクリスチャンなのになぜイスラムのために力を尽くすのか」。中村さんはこう答えたという。「あの雪を冠った山の頂を見ろ。目指す聖なる場所は一緒だ。それぞれ登り口が違うだけだ」
福岡出身の一人の日本人医師を突き動かしていたものは何だったのか。「私にも分からない。でも事業を心から楽しんでいたのだとは思う。本人は冗談半分で『道楽だ』と言うことがあった。次々と難題が降りかかってきて、それをひとつひとつ解決していった。普通の人ならば挫折したはずだ」。一方で「中村先生を聖人君子のように持ち上げるのは違和感がある」とも言う。「中村先生もそれは望んでいないはず。『人はそれほど美しくはないが、それほど醜くもない』と言う人だった。そういう中村さんを信頼した」と話す。
＜父から学んだことは、家族はもちろん人の思いを大切にすること、物事において本当に必要なことを見極めること、そして必要なことは一生懸命行うことです。私が２０歳になる前はいつも怒られていました。「口先だけじゃなくて行動に示せ」「俺は行動しか信じない」と言っていました。父から学んだことは行動で示したいと思います＞。遺族の支援やアフガンでの事業継続のために対応に奔走する中で、福元さんが涙を流したのは中村さんの長男健さんが記した告別式のあいさつ文を読んだ時だけだという。
今も中村さんの写真を直視できない。「スケールの桁外れに大きな人。良心的なお医者さんは世界にたくさんいる。でもあんな医者は二度と現れないのではないか」と失った大きさを語る。「ぱりっとしたスーツを着てこぎれいなところに住んでいても良かったのに、そうしなかった。経済至上主義や物質的な豊かさとは無縁で、なおかつ清貧だとか理屈をこねるだけの人たちとも違う。理想について説教をすることなく、黙々と具体的に実践した。結果として砂漠化した荒れ地が緑に甦った。そんな生き方が多くの人たちの心を揺さぶったのではないか」。中村さんの死後、多くの人からお悔やみの言葉を言われ、思いがけない人たちから香典を受けた。
「最後は日本で死にたい」と漏らしたこともあったが、現場にこだわり続けた中村さんを「伴走者」として支え続けた福元さん。「出会えて、きついことも面白いこともたくさんあった。視点が変わり、複眼的に世の中を見られるようになった。うまく言えないが自分の人生は、中村さんと出会わなければ、もっと貧しかったと思う」
「言葉だけではなく、具体的なことをしろ」。福元さんは今、中村さんがこう言い残してくれたように感じる。生前、後継者について尋ねたことがある。中村さんの答えは一言だった。「私の後継者は用水路だ」。アフガンの地で中村さんの思いは生き続ける。
https://bit.ly/3dxqUtj
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
人を動かすなら「心服」せしめよ
「心」を制するものが成功をおさめる。
歴史を見ればそれは明らかである。
人というのは、強制されると心理的反発を覚えるものである。
征服せずに「心服」せしめよ。
人の心というのは、数千年を経てもあまり変わっていない。
歴史が教える「心の法則」は現代でも立派に通用する。
歴史こそ、心理学の教科書である。
各自に決定権を与える代わりに、きちんと責任もとってもらうことが重要である。
人は「自分より下だ」と思えるような人間をまわりに集めたがるものである。
だが、「自分より少し優秀」な人とのつき合いが、自分をレベルアップさせる。
「人を用うるは、猶（なお）匠（たくみ）の木を用うるがごとし」（十八史略）
（聖人の人材の用い方は、大工が木を用いるようなものである。その秘訣は長所を生かして短所を捨てることなのだ）
歴史を見ると、人間の使い方のうまい者が必ず成功をおさめている。
そのための秘訣がここにあげた言葉だ。
人間には誰にも長所と短所が備わっているものだから、選り好みせずに登用する。
そして、適材適所を心がければ、間違いなく成功するはずである。
逆にいうと、「短所があるから」という理由で人間を集めなければ、いつまでたっても成功できるわけがないのだ。
部下の「やる気」は自在に操れる
「われわれが人の心に発見する最初にして最も単純な感情。それは好奇心である」
（エドマンド・バーク　「壮美と美」）
最も恐れなければならないことがある。それは、従業員たちが「仕事がつまらない」と思うようにさせてしまうことだ。つまらない作業をやらせようと思っても無理である。
お金で釣ったとしても、強制力を使ったとしても、つまらない作業に対しては人は必ず手を抜くものだからだ。
人間が本来持っている「喜び」や「好奇心」から引き出される「情熱」を、仕事に向けさせるような努力が必要である。
仕事をおもしろくさせられれば、「もう帰っていいぞ」と命令しても部下たちは帰らなくなるだろう。「仕事＝苦」との前提を捨て去り、「もし、自分がその作業をやらなければならない立場だとしたら、どうすればその作業に喜びを見出せるだろうか」と想像をめぐらす
説得においては、自分に都合の良い情報のみを相手に伝えるやり方（一面呈示）と、自分にとって都合の悪い情報も混ぜて伝えるやり方（両面呈示）がある。
相手がもともとその意見に好意的な場合には一面呈示が、非好意的な場合には両面呈示が有効である。
（「命令」ではなく、「目標」を与えよ）
アメリカ国民よ。今の時代は非常に厳しいものです。障害は山ほどあります。
けれど、われわれは、道標（みちしるべ）となる炎を照らし出し、一緒に未来に向けて歩き出そうではありませんか。
ウィンストン・チャーチルもいっています。
「過去と現在のはざまをこじ開けなければ、未来を失うことになる」と。
さて、われわれの関心は、まさに未来にあります。世界は変化しています。
古い時代は終わりました。古いやり方は、決して通用しません。
世界を見てください。特に、発展しつつある若い国を。
そこでは若い人たちが団結し、過去の呪縛を振り払おうとしているではありませんか。
若い人たちが古いスローガンと、幻想と疑惑を、一生懸命振り払っているではありませんか。
変化の時代に、現状維持などありません。
今一度、フロンティア・スピリットを持つべきなのです。
（ジョン・F・ケネディ　１９６０年７月１５日、ロスアンゼルスにて）
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
（信用を得る「本音」の使い方）
真実を、本当の真実だけを話す時期だと思います。
すべての銀行が倒産し、貿易は影をひそめました。
不況は、これまでで最悪の事態になってしまいました。
失業者は、明日を生きるのも難しいでしょう。
しかし、考えてみてほしいのです。
われわれの祖先は、もっと苦しい時期を何度も乗り越えてきたのではなかったのですか。
だからこそ、われわれも行動を起こすのです。
行動をしようという努力こそが必要なのです。
（フランクリン・D・ルーズベルト　１９３３年３月４日、ワシントンにて）
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
国民のみなさん。みなさんは知っていますか。
われわれのアメリカが世界でたった一つの人民のおさめる国であることを。
この国は、王様や貴族が好き勝手におさめるのではなく、われわれのような働く人民が、つまり、当たり前の普通の人間が、選挙で代表を選び、この国をおさめるのです。
こんなに素晴らしい国は、世界のどこを探してもありません。
この人民政府はどうしても守り通さねばならないのです。
（アブラハム・リンカーンの演説）
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
（演説次第で、”集団”の力は無限大に）
俺はロンドンの有力者たちに金銭で雇われたのではない。
スペイン王に一矢報いたいという女王の意を体してここまで来たのだ。
船団の総指揮は自分である。
紳士たちと船員の間の不一致は航海の成就を阻害する。
紳士たちは政治上の目的で自分に必要だから乗せた。
船乗りには無法者が多いが、彼らなしでは航海できない。
どちらも自分にとっては必要である。
紳士諸君。船乗りとともに帆綱（ほづな）をとれ。
船乗りたちよ。紳士も諸君の仲間である。
（キャプテン・ドレークの演説）