孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 WP紙、４００名以上の内部インタビュー書類入手。米国軍人2,300名以上死。１兆ドル以上費やし、何を達成したか。

勝てない戦争を勝てると偽り１８年以上継続。何のための戦争だったか。敵はアルカイダかタリバンか。何を達成すべきか。明確な指針なき戦争。
2019-12-10 07:5912


A1　事実関係　ワシントンポスト紙記事「At war with the truth

U.S. officials constantly said they were making progress. They were not, and they knew it.　

内容

・ワシントンポスト紙によって入手された政府文書は、米国高官は１８年の戦争中アフガニスタンでの事実を語らず、間違っていることを知っていながらバラ色の声明を行い、戦争で勝利できない証拠を隠してきた。

・ワシントンポスト紙は情報公開法によってインタビュー書類を入手した。

・このインタビューで４００名以上の内部の者が.アフガニスタンで何が間違っていたか、米国はどうして約二十年にわたる先頭に引き込まれたかにつき、何ら抑制されることなき批判を行っている。

・ブッシュ政権、オバマ政権でホワイトハウスのアフガン戦争の親分として働いたDouglas Lute中将は、我々にはアフガニスタンの基本的理解が欠け、自分達が何をしているかを理解していなかったと述べている。

・２００１年以来775,000人の軍が用いられ、 2,300 が死に、20,589が戦闘中負傷した。

・自分達の発言が公表されないとの前提で、高官は戦闘戦略が致命的に欠陥があり、アフガン再建に莫大な金額を無駄にしたと述べている。

・米国政府は包括的費用を発表していないが、費用は途方もない規模である。2001年以降国防省などは、$9340億ドルから$9780億ドルの出費を行っている。これらはCIA及び、負傷退役者をも扱う退役軍人省の予算を含んでいない。

・海兵隊のJeffrey Eggers,はこの一兆ドルで我々は何を得たのかと述べている。

・書類は大統領などが述べてきたことと相反している。

・何名かは、実際は違うのにあたかも勝利しつつあるように、意図的に国民に誤解を与えるように誘導してきたと言及している。

・このインタビューはアフガニスタン特別査察部局SIGAR 調査の副産物である。

・トランプ政権は13,000 名の軍が残るか否かを検討している。

・我々はアフガンに軍事作戦をしたのは、アフガンを豊かな国にするためでもなく、民主主義的国家にするためでもなかったはずだと、アフガン特使であったJames Dobbinsが述べている。

・SIGAR調査に加え、ラムズフェルド国防長官の行った“snowflakes”と呼ばれる調査があるが、これは公表されていない。

I・アフガニスタンで何を行うかの基本戦略で異なりがあった。或る者はアフガンの民主化を目指し、あるものはアフガンの文化を変え女性の権利を高める事を目指し、あるものは地政学的バランスを重視した。多くの目的、願望があり、結果として戦略がなくくなっているとある者が２０１５年に述べている。

　軍事司令官は誰に対して戦っているか、何位のために戦っているかそれをわかるのに苦労している。アルカイダが敵なのか、タリバンが敵なのか。パキスタンは友国なのか敵なのか。ISは、外国ジハードは？　米軍はしばしば誰が敵で誰が味方かで混乱している。

　米国は１３３０憶ドルアフガンの国づくりにお金をつぎ込んだが、これはインフレーション 調整をして、第二次大戦の復興マーシャル・プラン以上の金である。

・国造りプロジェクトは最初から欠陥であった。米国は民主主義国家建設を目指したが、アフガンの伝統は異なった。中央政府をつくろうとしたが、アフガンは強固な中央政府の伝統がない。

　インフラを整備していけば、政治が安定すると考え莫大な資金投入も行った。腐敗を呼んだ。Christopher Kolenda,は「カルザイ政権が kleptocracy（《権力の座にあるものが国の富を食いものにする政治》に落ちいりそれは米国の戦略と異なる）との指摘を行っている。