孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 「桜見る会」での一連の違法性にもかかわらず、何故安倍首相支持率は下がらないのか。

毎日 支持４２％、不支持３５％。TV視聴率見ると日本テレビ、フジ、東京合計は２４．３％、 NHKたすと３２．９％。これらは安倍首相への批判報道まずなし。岩盤支持を形成へ。
2019-12-03 07:349


安倍政権支持率とTV各社報道姿勢との関係

１：安倍政権の視聴率については、比較的支持率の高い数字と、低い数字とを見てみたい

　　　　　　　　　実施日　　　　　支持　　　　　　　　不支持

毎日新聞　　11月30日12月1日　42％（10月比−6％）　　　35％　（10月比+5）

朝日新聞　　１１月１６、１７日　４４％（10月比−１％）　　３６％（10月比＋４）

読売新聞　　１１月１５〜１７日　４９％（10月比−６％）　　３６％（10月比＋２）

　他の世論調査があるがほぼ同様の傾向を示している。

２：「桜を見る会」問題では次の問題点がある。

「桜を見る会」における安倍首相の犯罪性、政治的責任は森友学園問題や加計学園問題よりはるかに深刻だ。国会は、国権の最高機関である。ここが腐敗したら、国全体が腐敗する。その腐敗を起こさないため、議員の選出に関する法律とその運用はこれまで厳しかった。公職選挙法第199条の2第1項は「公職の候補者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない」と規定している。

最近では、菅原一秀経産大臣が地元有権者にカニやメロンを配ったり、香典を渡したりしたことの証拠を突きつけられ辞任した。

安倍首相は一回あたり８００名以上の地元の選挙民を「桜を見る会」に招待している。飲食費は一人当たり千数百円に相当するとされているので、一回あたり百万円以上の供応を税金で行っている。「桜を見る会」では前夜祭が持たれている。通常ホテルニューオータニの最高のレセプションホール「鶴の間」で開かれる。安倍首相は「安倍事務所が一人当たり五千円を受け取りそのままホテルに渡した」としている。しかし、ホテルニューオータニのパーティープランは「料金（1名さま）：立食プラン￥11,000〜」となっている。従って少なくとも、何らかの形でこの補填がなされなければならない。その犯罪性は否定できない。

３何故厳しい反応が出ないのか。報道姿勢との関係

　１２月２日は、疑惑の中で、長らく国会で本件で発言していなかった安倍首相が久しぶりで答弁をする極めて重要な日であった。それはTV各社でも十分わかることである。この中で各TV局がどの様な姿勢で臨んだかを、朝の番組表で見ると次のようになる。

TBS:疑惑を徹底追及する姿勢。各報道番組で追及。

テレビ朝日：追及的姿勢を示すが、TBSに比べ報道時間は少ない。

日テレ：ほとんど扱わない。追及に対する安倍首相の対応ということで、政府寄りの報道となる。

フジ、テレビ東京：番組表にはない。

NHK:番組表には「桜を見る会」関連の文字はない（注：現実には簡単に報道あり）

　これと視聴率の関係を見てみよう。

　ブログ（http://www.garbagenews.net/archives/2164154.html）「フジテレビとテレビ朝日が上昇、TBSとテレビ東京が大きく下げる」は次の記している。

・日本国内のテレビ局における視聴率は、現在ではビデオリサーチ社のみが計測を実施している。

・主要局

　日本テレビ　１１．１％

　TBS:　　　　　９．１％

　フジ　　　　　７．８％

　テレビ朝日　１０．５％

　テレビ東京　　５．４％

　NHK　　　　　８．６％

　この中政府に批判的報道を有するのは、TBSとテレビ朝日とすると合計２１．６％である。　他方政府寄りをするのは局の性格として、日本テレビ、フジ、東京とするとその合計は２４．３％、これに最近のNHKを加えると３２．９％になる。

　安倍政権に様々な問題があっても、安倍支持はほとんど３０％をわらない。日本テレビ、フジ、東京＋最近のNHKを見るとこれらは何があっても批判しないのだから、その視聴者層は動かない「岩盤支持層」となっている。２４．３％、これに最近のNHKを加えると３２．９％になる。